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上肢リーチ Part3

今回も引き続き上肢リーチについての投稿です!

今回は、上肢リーチの2〜3相を見ていきたいと思います!

1相目で作られた姿勢に対して2相目からは
より『上腕から手関節の動きが出現してきます。』

2相から3相にかけて手を前に伸ばすために
肩甲骨の上方回旋と肘関節が伸展
手関節の橈屈・軽度背屈や手指の伸展が出現します。


2相から手関節や手指の動きが加わる理由として
手で物品を持つ前に物品の形状や大きさ・傾きにあわせて
手の形を作っていく為です。
このことをPreshaping(プレシェーピング)といいます。

脳卒中患者さんは肘関節伸展、手関節の尺屈・手指屈曲と事前に物品に対して手の形を作ることが難しいです。

そしてこの時点で肩関節が内旋してしまうと
前腕の回内外運動が起こりずらく
その後の物品の操作が、やり難くなっていくのです。

食事動作における文献にて
肩関節の外旋運動の減少が前腕の回内外運動を阻害
動作効率を低下させるという文献があります。

特に食事においては口元まで運ぶのに
前腕の回内外運動が必要ですが
脳卒中患者さんの多くは肩の挙上や肩関節内旋
代償しながら食事をします。

第2相においては肩関節外旋が出現しているか?肘関節の屈曲から伸展の切り替えが出来ているか?手関節の橈屈・手指伸展が出現しているか?ここが評価ポイントとなります。



【つぎに3相についてです!】

3相では2相から引き続き
肩甲骨の上方回旋・外転、肩甲上腕関節の外旋運動と
4相にかけて肘関節伸展が最大になります。

『肘関節が伸展』ということは
上腕三頭筋の働きが強くなりますが
この時に肩関節の安定性に寄与しているのが
三角筋です。

この3相においてもうひとつ大事なのは
骨盤の前傾から足底への質量中心の移動です。

また右手でリーチする時は、右坐骨への体重移動から
感覚情報をキャッチし体幹が、より伸展していかなければいけません。

その為、3相からは上肢だけでなく下肢からの影響
考えられるわけです。

ここで上肢リーチ時でおもしろい文献があります。
『上肢リーチ時において、どこを一番最初に動かすか』という文献で

麻痺側でリーチをすると『肩・肘』の運動が減少し
『体幹前屈・回旋』の運動が増加すると報告しています。


その為、脳卒中患者さんの多くは体幹の動きで上肢を
リーチする為、肩や肘の動きが減少してしまい
結果として不効率なリーチへと繋がってしまいます。

第3相においては
体幹の前屈・回旋が出現していないか?
両側の骨盤が前傾してきているか?
リーチする側の体幹の伸展が得られているか?を
評価することごポイントとなります。

次回は最後。。。

4相目について深〜く見ていきたいと思います!

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