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上肢リーチ Part4

上肢リーチ最終章!!

今回は上肢リーチの4相を見て行きたいと思います!!

4相では体幹や肩甲骨の安定性とともに
手の運動制御が大事になって来ます。

また、この相にて物品を取ることが出来れば
その物品を操作する為に
物品がどういった物なのか?を
事前に理解する必要があります。

手の開きの度合いは対象物の大きさを反映し
対象物が大きければ手の開きを大きくするといった調整をしています。

また、手の最大の開き(母指先端と示指先端との距離)は
リーチ動作完了の70%以内で完了すると言われております。

なので残りの30%で物品の大きさに手を
合わせていく必要があるのです。
ここで合わせていく過程が患者さんにとっては
難しいのです。

Umberto Castiello:The neuroscience of grasping :Nat Rev Neurosci.2005

健常者の場合
リーチに伴い手の開きが起こっていき
物品に手が近づくにつれて手を緩めていき物品のサイズに
合わせていくこと(シェーピング)が出来ます。

脳卒中患者さんの場合
物品がどんな物かわかっていても肩や体幹が不安定で
手の開きが悪いか、逆に過剰に開きすぎてしまって
物品を掴む事に対しても努力的になってしまいます。


各指のCM関節は区分分けされており、それぞれに
役割や機能が異なります。

その為、手の把握運動に対して各指の関節同士の
役割を考えながら治療しなければいけません。

評価として手がどれくらい開くのか?
そしてそこから手の力を抜く事が出来るのか?を見てみるのも良いです。

手を開く時には、真ん中の指を基点として
母指と小指から外側に開いていきます。

その為、母指と小指を外に開いていく
母指外転筋と小指外転筋、背側骨間筋の
動きがしっかりとあるのかを評価してみて下さい。

物品を掴む際には母指が外転していないと
他の指が動かしにくくなります。

最後に手の把握運動だけではなく前提には
体幹や肩甲骨の動き・安定の要素は必ず必要です。

健常者の場合、体幹が伸展し前方リーチに伴い重心線は
骨盤の前方に位置しますが
脳卒中患者さんの多くは、腰椎を屈曲させる戦略をとりやすく
重心は骨盤の直上に位置したままとなります。
その為、骨盤が起こらず不効率なリーチとなってしまいます。

『上肢リーチ』を診るためには手だけの要素だけでなく
骨盤や体幹・肩甲骨の動きや安定の要素が必要になってくるので
この記事を通してより深く診る事ができればと思っています!!

また、『上肢リーチが面白い!』と
思ってもらえたら嬉しいです!

ありがとうございました!!

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