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豪州備忘録34日目

とにかく風の強い日だった。昨日寝ている間も風の音がすごかったし、友人の家は停電したという話だった。オーストラリアは日本に毎年決まった時期に台風が訪れるといったように災害が起きるのではなく、ある年は来たりある年は来なかったりする。今年はそれほどひどくないみたいだが今日のような突発的な風にはなかなか対処しにくいものである。

唐突だが今日でホストファミリーの長男チャーリー少年と次男アンガス少年とお別れだった。彼らは丁度スクールホリデーにさしかかり、ソニアおばさんの実家に帰省するということだった(こういうところは日本と変わらないので驚いた)。それをソニアおばさんがその日の朝に言うので、私たちはしみじみとなるわけでもなく随分あっさりと別れることになってしまった。彼らは「来てくれてどうもありがとう」と言い、私たちは「こちらこそありがとう」と言って握手を交わした。彼らがいつかラグビーやあるいは別のことで活躍してくれることを切に願う。ちなみにソニアおばさんだけは私たちが出国するまで一人で家にいてくれるということだ。

今日は正真正銘最後の学校の日だった。今日は午前中にいつも通り授業を受け、昼は前のクラスメイト達とお別れのランチをすることになっていた。これまではなんとなく学校に通うのが私には億劫だった。早起きしないといけないし、英語でのコミュニケーションが難しかったからだ(行ってみると楽しい)。しかしこう終わりが見えてくると愛おしくなるのが人間の性というもので、英語が幾分かマシになったこともあって最近は行きたいという気持ちになってきていた。それが今日でおしまいなのでなんとも物さみしい。

さて授業だが、先生も他の学生も今日で私たち日本人が卒業するのを知っているのでこれからの予定を何度も聞かれる。その度に丁寧に答えるので、この辺の受け答えだけはずいぶんと流暢にしゃべれるようになった。また多くの人が私たちの5週間の滞在を短すぎると言っていた。全くその通りである。ちょうど英語が伸びるいいところだったのに。彼らの何人かとのインスタの交換をし、別れることになった。

授業が終わりランチを食べるため、前のクラスの人たちと待ち合わせをした。今日一緒に昼を食べるのは私ともう一人の日本人のH君、韓国人夫婦のクレアとスティーブ(もちろんイングリッシュネーム)、タイ人のタイトの5人だった。協議の結果私たちは韓国料理を食べに行くことにした。クレア、スティーブ夫妻は若く、もともと韓国で働いていたがワーホリをとってオーストラリアにやってきている。タイトももとは貿易船で働いていたらしい。

レストランに着く。席について炒飯と韓国のチキンを注文した。それからオーストラリアの話やそれぞれの国の話、帰国してからの話をする。多国籍で集まると必ず文化の話や生活の話になる。留学に来ているだけあってみんな外国のことに興味津々である。韓国ではキムチになっていない野菜を見つける方が難しいと彼らは言っていた。会計はスティーブがまとめてして、後から一人ずつから徴収したのだが、私が小銭を切らしていたので、2ドルくらい立て替えてくれた。ありがとうございました。

帰りにお土産にワインを買った。一体だれのために買ったのかわからないがとにかく店員のオススメで安かったので買った。それからソニアおばさんにレッドクリフという場所にあるビーチに連れて行ってもらった。すごく景色がよかったのだが、最初に書いたように風が強かったので海には入れなかった。

明日には帰国するので最後のオーストラリアを良い友人たちと過ごせたのは良かった。こっちでできた友人はまだオーストラリアに滞在することになるが、来年には多くが帰国するみたいだ。韓国やタイは比較的気軽に旅行できるので、来年の今頃に旅行に行けば会えるかもしれない。また韓国の夫婦はいつか日本に旅行に来るとも言っていたので会える日を楽しみにしている。それならまだバイトを続ける動機になるってものだ。

夕飯にはチャーリー少年もアンガス少年も父ジョージもいなくて、私とルームメイトのSさんとソニアおばさんだけだった。オーストラリア最後の晩餐にフィッシュアンドチップスを用意してくれた。また今日は特別に3人でビールも飲んだ。私のビールはマンゴーフレーバーのペールエールでこれがまた最高に美味かった。これで最後なのだと3人でいろいろ話しながら食事をした。まさか明日があるとも知らずに。

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