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【老健】これを読めば必ず理解!『所定疾患施設療養費』の解釈

◾️対象
・サービス:介護老人保健施設
・対象者:加算、請求業務に携わる方


所定疾患施設療養費とは?


肺炎や尿路感染症等により治療を必要とする入所者に、施設で治療管理などの対応をすることを評価する加算
※以下、令和5年10月時点での内容となります。

種類および単位数


  1. 所定疾患施設療養費(Ⅰ):239単位 / 日

  2. 所定疾患施設療養費(Ⅱ):480単位 / 日

【ここだけ読めばOK】 加算のポイント


加算(Ⅰ)と(ⅠI)の内容は何がどう違うのか!

この加算は上記の質問が一番多いです。
「加算(ⅠI)を取れそうなのに、自分の施設が(Ⅰ)を取っているのはなぜだろう。」
「知識がない中で判断して減算になったら嫌だな。」

その不安をここで一気に解消しましょう!
※算定要件の詳細については、最後に記載しております。

2つの区分の違いは以下の3つです。

1.感染症対策経験のある医師の有無
2.診療録に「診断に至った根拠」を記載しているか
3.算定上限回数

1.感染症対策経験のある医師の有無


加算(ⅠI)を算定する場合は、老健の医師が「感染症対策に関する内容」を含む研修を受講している必要があります。(加算(Ⅰ)の要件にはなし)

ただし、感染症対策に関する十分な経験を有している医師については、研修を受講した者とみなすことができます。

※「感染症対策に関する内容」肺炎、尿路感染症、帯状疱疹及び蜂窩織炎に関する標準的な検査・診断・治療等及び抗菌薬等の適正使用、薬剤耐性菌

2.診療録に「診断に至った根拠」を記載しているか


加算(ⅠI)を算定する場合は、診療録に加算(Ⅰ)の内容に加えて「診断に至った根拠」を追加で記載する必要があります。

◾️診療録への記載項目
診断名、診断医至った根拠、診断を行なった日、実施した投薬、検査、注射、処置の内容等

3.算定上限回数


・加算(Ⅰ):同一の入所者に対して、1回に連続する7日を限度として月1回算定可。1月に連続しない1日を7回算定するものでない。

・加算(ⅠI):同一の入所者に対して、1回に連続する10日を限度として月1回算定可。1月に連続しない1日を10回算定するものではない。


以上となります。
このように、今後も介護事業所の皆さんに役立つ情報等を定期的に発信していきます。
取り上げて欲しい介護報酬の解釈や加算要件または気になるトピックがあればお気軽にコメントください!

また、今回の内容やその他に関してご質問があれば答えられる範囲でお答えしたいと思います!

最後まで読んでいただきありがとうございます。
引き続きよろしくお願いします!

(補足)算定要件


◾️所定疾患施設療養費(Ⅰ)
① 所定疾患施設療養費(Ⅰ)は、肺炎等により治療を必要とする状態となった入所者に対し、治療管理とし て投薬、検査、注射、処置等が行われた場合に、1回に連続する7日を限度とし、月1回に限り算定 するものであるので、1月に連続しない1日を7回算定することは認められないものであること。
② 所定疾患施設療養費と緊急時施設療養費は同時に算定することはできないこと。
③ 所定疾患施設療養費の対象となる入所者の状態は次のとおりであること。 イ. 肺炎 ロ. 尿路感染症 ハ. 帯状疱疹 ニ. 蜂窩織炎
④ 肺炎及び尿路感染症については、検査を実施した場合のみ算定できるものであること。
⑤ 算定する場合にあっては、診断名、診断を行った日、実施した投薬、検査、注射、処置の内容等を診 療録に記載しておくこと。なお、近隣の医療機関と連携した場合であっても、同様に、医療機関で行われた検査、処置等の実施内容について情報提供を受け、当該内容を診療録に記載しておくこと。 ⑥ 当該加算の算定開始後は、治療の実施状況について公表することとする。公表に当たっては、介護サ ービス情報の公表制度を活用する等により、前年度の当該加算の算定状況を報告すること。

◾️所定疾患施設療養(ⅠI)
① 所定疾患施設療養(ⅠI)については、肺炎等により治療を必要とする状態となった入所者に対し、治療管理として投薬、検査、注射、処置等が行われた場合に、1回に連続する 10 日を限度とし、月1回 に限り算定するものであるので、1月に連続しない1日を 10 回算定することは認められないもので あること。
② 所定疾患施設療養費(ⅠI)と緊急時施設療養費は同時に算定することはできないこと。
③ 所定疾患施設療養費Ⅱの対象となる入所者の状態は次のとおりであること。 イ. 肺炎 ロ. 尿路感染症 ハ. 帯状疱疹 ニ. 蜂窩織炎
④ 肺炎及び尿路感染症については、検査を実施した場合のみ算定できるものであること。
⑤ 算定する場合にあっては、診断名及び診断に至った根拠、診断を行った日、実施した投薬、検査、注射、処置の内容等を診療録に記載しておくこと。なお、近隣の医療機関と連携した場合であっても、同様に、医療機関で行われた検査、処置等の実施内容について情報提供を受け、当該内容を診療録に 記載しておくこと。また、抗菌薬の使用に当たっては、薬剤耐性菌にも配慮するとともに、肺炎、尿路感染症及び帯状疱疹の検査・診断・治療に関するガイドライン等を参考にすること。
⑥ 当該加算の算定開始後は、治療の実施状況について公表することとする。公表に当たっては、介護サービス情報の公表制度を活用する等により、前年度の当該加算の算定状況を報告すること。
⑦ 当該介護保健施設サービスを行う介護老人保健施設の医師が感染症対策に関する内容(肺炎、尿路感 染症、帯状疱疹及び蜂窩織炎に関する標準的な検査・診断・治療等及び抗菌薬等の適正使用、薬剤耐 性菌)を含む研修を受講していること。ただし、感染症対策に関する十分な経験を有する医師については、感染症対策に関する研修を受講した者とみなす。

(補足)Q&A


問 210  4月 28 日から 30 日の 3 日間に引き続き、5月 1 日から 4 日の 4 日 間に算定した後、5月中に再度算定できるのか。

(答え)
算定できない

平成24年度介護報酬改定に関するQ&A (平成 24 年 3 月 16 日)

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