見出し画像

一人でも多くの人に読んでもらいたいと思った一冊

様々な瞑想方がある中で、日本ヨーガ瞑想協会会長の綿本彰さんの瞑想を学びたい…そう思って手に取った本書。読後、言葉が出てこないほど感動した。たぶん、今年読んだ本のベスト3に入るだろう。

画像1

申し訳ないが、このタイトルが薄っぺらだと感じるくらい、単なる瞑想本ではありません。これは今を生きる人を大きく包み込む哲学書だ。

それは、綿本さんの体験から生まれたものが、綿本さんならではの言葉で書かれたものだからだろう。

体験に勝るものはない。体験ほど人に響くものはない。


個人的に当てはまることが、これでもかと書かれてあり、綿本さんに御礼の手紙を届けたいくらいだ。

瞑想の具体的な方法に留まらず、瞑想とは何か? 瞑想することで、どんな自分になるのか? など、具体例を挙げながら、綿本さん体験から得た独自の言葉で丁寧に綴られている。

瞑想と、自己肯定と他者肯定を深めることにいても書かれてあり、育児で悩んでる人や仕事や病気で悩んでいる人、人と比較してしまいがちな人にも活かせる内容が満載だった。

特に後半は胸に響きっぱなし!

ありのままの気持ちを肯定して受け止めること、気持ちは体で作られること、相手の傾向や歴史、気持ちを認める(肯定)こと、相手を許すことで自分が許されること、ただできることを尽くすこと、私は私をまっとうすること、自分の価値観が自分を縛り付けていること、たた今の自分の気持ちを受けとることに専念すること…

特に、ロンドンのヨガイベントで英語もままならず、怖じけずいた綿本さんが、この人たちから評価されて自己満足したいという気持ちに気がついたとき、自分の持っているちっぽけなものをただ差し出せばいい、伝えられる限りのものを伝えればいいと本気で思った瞬間、緊張が嘘のように消えたというエピソードは、考えさせられた。

人から何かをもらおうという気持ちを捨て、心のベクトルを自分に向け、何を差し出せるかを感じる…そうなると、スポーツでいうZONEの境地に入るという。

本書を書いてるときも、ZONEにはいったそうで、そうなると、書きながら文字を読む人になっているというが…これは、私も仕事で体感するのでよくわかる。ZONEに入ってるときは、最高のパフォーマンスが引き出されるから不思議。

それは、人にどう思われたいというものが一切消え、今ある自分の思いや知識、考えを差し出そうという気持ちになっているからだろう。

本書の「おわりに」を読んで、なぜ本書が心の奥に響くのかが、よくわかった。綿本さんは同じ目線でありのままに自身の体験を通して得たものを、隠さず本書に詰め込んだからだ。

綿本さんの瞑想は、深く呼吸しようとか、無になろうとか考えてる時点で強要が生まれ、瞑想ではなくなるので、呼吸が浅かろうが、いろんなことが浮かぼうが、ありのままの今の自分の状態を見つめ受け入れる…という方法。

今日は呼吸が浅いな、疲れてるな、あれが気になるな、調子がいいななど、それを「こうしなきゃ」と無理やり思考を変えるのではなく、「疲れているんだね」と、今の自分を受け止める(肯定)してあげること。今の自分をありのままに感じること。そして優しく、呼吸する度に動くお腹に意識を向けて…と、意識が反れたことに気づけた自分をも褒めてあげること。

そんな綿本さんの瞑想は、きっと自己肯定も他者肯定もできる一歩になるだろう。まずは、ありのままの自分を肯定すること、それが瞑想の第一歩なのだと本書は教えてくれる。私はそんな綿本さんの瞑想法が好きだ。

一人でも多くの人に贈りたいと思った一書だった。






この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?