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多忙で食事作りがしんどい人におすすめの癒しの食の本…③

これぞ、丁寧な暮らしの決定版ともいえる癒し本。「毎日忙しくて、食事作りができない…」そんな人にこそ、読んでもらいたい本です。

老夫婦が手を繋いだ映像が印象的な、ドキュメンタリー映画「人生フルーツ」で、御存知の方も多いかもしれません。

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これは、愛知県のニュータウンで、87才と90才の夫婦が、キッチンガーデンで旬の野菜を育てて料理し、四季を大切にする暮らしを、数年ごとに綴ったもの。

この老夫婦の暮らしは、忙しく生きる現代人の憧れであり、読むほどに硬くなった心がほぐされていくのは、私だけではないだろう。特に都会に住む人にとっては、読む精神安定剤ともいえるかもしれない。

二人で仲良く支えあいながら生きている姿は、うらやましあなぁと素直に思うと共に、私も少し歩みをゆるめて、四季を感じながら、丁寧に食や季節と向き合いたいと思わずにいられなくなる。

英子さんが作る料理は、どれも懐かしい感じがするだけでなく、とにかく美味しそうなので、一度でいいから食べてみたい…と、読むたびに切に願う私だが、店舗経営はしていないので、それはとうてい無理なこと。

でも、英子さんのレシピが各本に載っているので、自分で作ることはできる。利便性が求められる現代とは違った、英子さんならではの思いが詰まったレシピは、作る段階で、すでに絡まった糸がほどけて癒されていく感覚におちいる。


夫・しゅういちさんは、90才で自宅で眠るように亡くなり、英子さんの一人暮らし生活を綴ったのが「ふたりからひとり」(自然食通信社)。

寂しさを乗り越え、一人になっても、たんたんと3食を作り、畑仕事をして、編み物を楽しむ…そんな英子さんの姿に、もう、胸がいっぱいで、すごいという言葉しか出てきません。

夫婦とは何か、食とは何か、暮らしとは何か、そんな大切なことを、二人からたくさん学ばせていただいた本です。

つばた英子さん、しゅういちさん夫婦の存在を見つけて取材交渉し、約5年以上にもわたって取材して本にしてくれた編集者の方達にも感謝したい。

本とは、実際に会えなくても、いろんな人に出会い、いろんな生き方を知ることができるもの。これを読んで、改めて本の素晴らしさを再確認しました。

何度も何度も繰り返し読み続けたい一冊です。

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