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【マンガ業界Newsまとめ】Visa本社で山田議員が言質「利用停止は現場判断」 ・WEBTOON Entertainment 米国上場後の色々 など|8/25-165

マンガ業界ニュースの週1まとめです。(1週、お盆休みいただいてました)
マンガ・アニメの業界カンファレンスIMARTを主催するMANGA総研代表の筆者が、マンガ・Webtoon関連のニュースを、ビジネス系を中心に、短時間でチェックしていただけるようにまとめています。

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相次ぐVisa利用停止「米国本社は判断・指示していない」「現場が判断」

ニコニコ、DMM、とらのあな、DLSiteなど、Visa/Masterカードの決済が続々止まっていっている件で、参議院議員の山田太郎氏がVisa米国本社で、同社副社長と面会し、以下のような言質をとりました。

「(取引については)合法であるコンテンツ等に対する価値判断は行っていない」
「年齢に関するルールが遵守されていること、合意のもとで提供されるものであることという万国共通の基準を定め、それに基づく判断は行っているが、内容に関する基準は定めておらず、判断もしていない」
「Visa規約についても本社は基準を決めているのみで、判断を行ってはいない(判断を行うのは現場)」

記事より https://biz-journal.jp/company/post_382873.html

今の日本で起きている各社の決済停止処分と矛盾する情報になっています。注目したいのが、引用最後にある(判断を行うのは現場)という部分です。

Visa本体は「決済機能を提供する企業」で、各プラットフォーム企業と接点を持つのは、その機能を提供する「信販会社」です。今回の言質をそのまま受け取ると、Visaは預かり知らぬところで、現場=信販会社がなんらかの判断をして、決済を止めていたということになります。

8/9に、とらのあなのVisa/Masterが停止すると告知を出し、8/13に実際に決済が停止していますが、

今度は8/16になって、成人向けコンテンツを扱う「DL.Getchu.com」が8/15よりVisaの決済を再開したとしています。5/31から止められていたようです。原因や経緯、山田議員のアクションとの文脈的繋がりは不明です。

山田議員がVisa本社に乗り込んだのが8/1ということで、それぞれこの影響があったのかどうかですね。議員はかなりの準備をして渡米されたようで、さらに今度は国内信販会社に訪問するなど、次の手があるのかなと期待したいところです。プラットフォーム運営企業、ひいてはマンガ業界全体にとって、かなりクリティカルな動きだったのではないでしょうか。


WEBTOON Entertainment 米国上場後の色々

*: 海外記事があります。自動翻訳などご利用ください。

株価周り

タイトル訳:ネイバーウェブトゥーンの親会社であるウェブトゥーンエンターテインメント(WBTN)は、米国のナスダック市場で下落を続けている。

↑NAVER本体は好調というJetro記事

タイトル訳:ウェブトゥーン、売上増で損失拡大

タイトル訳:ネイバーウェブトゥーン、韓国で有料会員が30万人減少

タイトル訳;:ネイバーとカカオ、好業績にもかかわらず第2四半期目標は下落「ネイバーは過小評価されている」対「カカオは成長が鈍化」

タイトル訳:フランク・R・クルーズ法律事務所が投資家を代表してWEBTOON Entertainment Inc.(WBTN)の調査を発表

この2週間で色々な米国WEBTOONを取り巻く様々なニュースが出ていました。このまとめ記事作りでは、海外記事は一気に読む形なので、なかなか凄いボリュームでした。

米国のWEBTOON Entertainmet(以降WBTN)自体は上場後の最近、決算では売上増も損失が拡大。株価が低迷していて、米国内でそれに反応する動きもあるようです。一方で、本体のNAVERの直近四半期決算は増収増益と好調です。創業者・CEOのキムジュンク氏がWBTNの大きな自社株買い的な買い支えをしたとのこと。

動きが色々あるようで、恐らくまだ続きそうで経過観察時期なのかなと。

NAVERや韓国Webtoon周りの動き

タイトル訳:Google、韓国のクリエイターを起用して世界のウェブトゥーン分野をターゲットに

タイトル訳:Google AP 公共政策部長 イ・サンヒョン氏「韓国は輸出に高い関心を持っている」「各国のニーズを積極的に支援する」

タイトル訳:WEBTOONがデジタル海賊版に警告を発する

一方で、韓国ウェブトゥーン産業協会による、Googleやインドのプラットフォーム「Dashtoon」とのAI関連での連携強化、海賊版対策、作品登録からの管理ツール提供など、大きな動きが様々にあったようです。


KADOKAWA続報

一連のサイバー攻撃を踏まえ、KADOKAWAが2025年3月期決算の見通しと、第1四半期決算を発表しました。

通期の見通しについては、売上見通しは±0とし、営業利益で▲9億円、クリエイター補償や調査・復旧費用で特損を▲36億円とし、純利益で通期▲37億円という修正をしています。第1四半期の決算では、純利益がマイナス10%というハイライトです。

マンガ、アニメについては、『山田くんとLv999の恋をする(9)』などの新規IPや海外の好調で増収、ゲームも好調、ただニコニコ関連サービスでの大きな減益が全体に響いたようです。

マンガについては、出版事業の既刊出荷部数が一時期平常時の3分の1に落ち込むなど心配されていましたが、最終的には増収増益なのですね。言及されてませんが、自社システム外の、電子コミック外販が強かったのでしょうか。

引き続き、システムや情報流出まわりについて記事などが出ていますが、このあたりは落ち着いてきましたね。


国内News

マンガアプリベンダーand factoryは、デジカタの「ソク読み」事業を買収。アンファク側は海外で進めているPF事業の強化でしょうか。デジカタは残る事業は取次や国際Agentですが、B2B商流側により注力というところでしょうか。


電子コミック売上の急成長が止まった背景に、日本人の平均スマホ利用時間の伸びが止まったことが一因かな思っていたのですが、このデータによるとそこともリンクせずに、コロナ明けの2024年がまた伸びてますね。再加速と言いますか。というか、今年まだ終わってないですけども。


好調のスターツ、BLへ


コミックスマートは社内に動画部門もあり、PVは内製もできますね。


変わらず好調のアルファポリス


両社とも、インバウンドも好影響とのこと


2023年6月に提供を開始した北米向けコミック配信サービス「yomoyo(ヨモーヨ)」は、コンテンツの許諾交渉を推進した。
というところが、気になりました。


クリエイター支援施策ですね。
どんな方が育成に取り組まれるのか気になります。


ボンデジのPFオリジナルで、売上10億の声が聞こえますかー。

最近多くの人に読まれていた、石橋さんのx投稿のエビデンスともなりますね。


古幡さんの、流石なnote。ビジネスが多様化したり、機構が変わっていったりで、データは重要なのに、どこもデータ取るのは大変です。


数土さんの良きnote。漫画版でやってみようかとも思いましたが、ちょっとやってみて、あんまりおもしろくならなそうで挫折しました。アニメはとにかく、ソニー大帝国ですね。


「メディア芸術ナショナルセンター」構想が進んでおります。
庵野秀明さんが座長、マンガ関係だと里中満智子先生や、講談社の森田常務のお名前が見えます。


渋ツタリニューアル4か月、グッズが良いみたいですね。


これちょっと気になりますね。


Webtoon関連

5000万て、すごいですね。CPもあるようです。


STUDIO ZOON作品も結果が出て来たようです。


楽天のR-TOON系の作品ですが、「株式会社闇」が制作とのこと。気合を感じます。


ワーナーがプロデュースするWebtoon、WITSTUDIOの制作になるようですね。米国制作かとも思いましが、確かにこの絵柄は国産っぽいですね。


海外News

1位の『DRCL midnight children』は知りませんでした。VizMediaで出してる作品なんですね。

タイトル訳:ニューヨークコミコンに先立ちハーヴェイ賞ノミネートが発表

NYCコミコン、AnimeNYCなど、その辺りに関連して漫画賞が色々発表されているようです。


libroさんの北米エンタメニュースです。

個人的には、「たまごサンド」がイギリスのカツカレーブームのように見えて興味深いんですが、『ダンジョン飯』も『葬送のフリーレン』もしっかり人気があるようで何よりです。


タイトル訳:Japan Expo 2024、ミーティング、カンファレンス、マスタークラス、ラウンドテーブルなど、選択肢は豊富!

7月のJapanExpoの記事です。登壇者の風貌から内容まで、フランスらしいです。


『インドネシアは、全人口のうちZ世代が最多数派の「若者の国」である。』という書き出しで始まるんですが、インドネシアの実情が興味深いです。

実は、27日からインドネシアのジャカルタ・クリエイティブ・カンファレンス2024」というものに行ってきます。現地で会えましたらよろしくお願いします。


AI・画像生成関連

国内のアニメ、Webtoonで、実務の現場でAIが使われているという記事です。使えるように研究するのも、システム提供側とか別のノウハウになってそうですね。実はわたしの周辺では「色々試したけど、まだ実用は厳しい」という方がほとんどだったりします。


なんとなく、鷹の爪団は早々に導入が出来そうなコンテンツとしての特徴がありそうですね。


タイトル訳:「エキサイティングな転換点」:急成長中のウェブコミックプラットフォームVoyceMeが2025年の本格ローンチを目指す

米国のWebtoonであるVoyceMeは、生成AIのアートワークライブラリを持ってるみたいですね。それも、クリーンに使えるように工夫があるようです。


国内のマンガ・WebtoonのAI制作プラットフォームとのこと。


AI×P資金案件ですね


ウェブトゥーン業界関係者は「国内のプラットフォームがウェブトゥーン制作ツールに生成型AIを適用するための技術力は備えているが、公開できない。先行して技術を公開・活用した場合、後に政府の方針に反することになれば問題が生じる恐れがあるためだ」と指摘する。

記事より https://www.afpbb.com/articles/-/3534360

この一文が興味深かったです。なるほど、規制で後から梯子外されちゃうというのもあるんですな。今後の法制化の方向性で言うと、欧州とアジアの綱引きで、将来を読むのが難しいところですね。


Ⅱのほうはご参考までというところですかね。Ⅰのときはインパクトありました。


今週のセール・キャンペーン・新人賞、取組等


記事のみ紹介

喪失感が大きいですね


告知関連

概要:HON-CF(ホンカンファ)は、デジタル・パブリッシングの可能性と課題について議論するオープンカンファレンスです。

トークイベント出させていただきましたー。

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