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【マンガ業界Newsまとめ】AIイラストはクリエイターの未来にどんな影響を与えるか? など|9/25-070

マンガ業界ニュースの週1まとめです。動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、業界の方が短時間で情報を得られることを目指しています。

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今週は、シルバーウィークの影響もあってか、マンガ業界Newsの数が少なかったです。その代わりというわけでも無いのですが、AI画像生成は沢山Newsがありました。そこから始めようと思います。

AIイラスト・画像生成関連

画像生成AIのMidjourney創業者が語る「AIアートが起こす混乱と未来」

画像生成AIのはしり、Midjourney創業者デヴィッド・ホルツ氏がインタビューを受けています。そのミッションから、素材となってる画像に許諾を取ったか?AIが絵を描く未来を不安視するクリエイターへのメッセージなど語っています。

アーティストを切り捨てようとする人も出てくるとは思います。そうした人は似たようなものをより安く作ろうとするでしょうけど、市場で失敗すると思います。これからはより質の高い、より創造的な、はるかに洗練された、多様で深みのあるコンテンツが市場に出てくると思います。そして、実際にアーティストのようにツールを使いこなせる人たちが勝ち組になるのです。

これらの技術は、映像メディアに対するより深い評価とリテラシーを実際に生み出すものなのです。そしてそうしたレベルの制作能力を、はるかに凌駕する要求も生じるかもしれません。そうなれば、実際にアーティストの給料を上げることになるかもしれませんね。

https://forbesjapan.com/articles/detail/50610/3/1/1

ということで、AI画像生成はクリエイターがなにかを作る基本的なツールとなっていく未来を思い描き、それを使いこなせば、より報酬を上げることにも繋がる未来を思い描いているようです。

割と否定的なことを沢山聞くインタビュアーさんでしたが、興味深い回答は他にもありました。是非本文ご一読を。


2026年までにネット上のコンテンツの90%がAIによって生成されると専門家

これはまたすごい話ですが、SNSで漫画やイラスト、動画などに触れている我々の生活の中で、そこで目にするイラストの量が10倍になり、9割がAI生成という世界に、向こう数年でなるだろうという予測です。

マンガと言えば紙でしょうというか、そんなこと意識すらしてなかった時代から、SNSやアプリ、Webなどでの多様なネット上での触れ方にシフトするのに、なんだかんだ10数年はかかっていたように思いますが、ここは超スピードで進みそうですね。どんな未来が待っているのでしょうか。


画像生成AI「Stable Diffusion」「Midjourney」「DALL-E」などで生成した画像のアップロードと販売をGetty Imagesが禁止、ユーザーが法的なリスクに直面する可能性があるという懸念が理由

写真・画像・動画・音楽などのデータ素材販売大手が、代表的なAI画像生成ツールなどの画像データアップロード、販売を禁止ということですね。

日本の大きなところの動きはこれからですが、一旦こうなる流れにはなりそうですね。これからこれはどうなるのかですが、実際問題手作りなのかAIなのかは、見ただけでは判らなくなってきます。アップされた画像がオリジナルか、AIの手が入っているかの解析ツールなども出始めており、プラットフォームにも実装されるかもしれませんね。


画像生成AIユーザーがAI学習用データセットから「自分の医療記録の写真」を発見してしまう

イラストだけではなく、実写の写真でもこのような形で漏洩のような形で画像が使われ、自分の写真を見つけてしまうという事案も発生しています。


画像生成AI「Midjourney」で「AIに絵を描かせた夏休みの絵日記」を表現するノベルゲーム『ぼくとAIのなつやすみ』無料公開中。ストーリーにもAIを絡めた独創的な構造が特徴

AI画像生成ツール「Stable Diffusion」「Midjourney」を使ったイラスト集が早くも発売

AI画像生成を使用した画集や、ノベルゲームも出始めました。このゲーム、イラストは勿論ストーリーにまでAIを絡めてるそうです。創作への浸透も早いですね。まだちょっと、文章とイラストにGAPがあるそうで、敢えての作り方とは思いますが、黎明期の出来というところでしょうけども、作品は作ってなんぼで進化していきますからね。


画像生成AI「Stable Diffusion」の日本語版 rinna社が提供開始

これがちょっと面白かったのは、Stable Diffusionで、日本語入力の仕組みを動かす場合、参考にする約1億枚のイラストについてキャプションを日本語で入れなおしたというところですね。つまり、日本語版は日本風の絵柄が良く使われたということですね。

ただ、例として使われている画像は、日本のマンガ・アニメ的なイラストと言うよりは、日本の美術系の絵柄のようで、今時のPixivにあるようなイラストも入ってたようなら、それらしいものが出てくるのではないかと思いましたが、どうでしょう。


画像生成AI「Stable Diffusion」をPhotoshopで使えるプラグインが登場したので使ってみた

先に、クリスタへのプラグインも出ていましたが、フォトショップも出たようです。こちらは使いでがありそうですね。


イラストAI「mimic」運営にイラストレーターが直撃 炎上とサービス停止、その裏側

一連のmimicの話題についてまとまっています。対処が早く、思い切りも良かったなぁと思います。


今週のWebtoon新規参入・新たな動き

先日、『どろろ』のウェブトゥーン化を発表したメディアドゥですが、新たなレーベルを立ち上げたようです。手始めに中国の2作品の輸入から入るようです。


3rd IDというブランドで、背景作画にて、先日ナンバーナイン社が発表した新作Webtoon制作に関わったようです。


国内News

今週、業界の方々の中で話題になったのがこちらでした。鳥嶋さんは勿論ですが、白井さんは知る人ぞ知る小学館の名編集者で、一時期の小学館の編集者が新入社員研修的に白井さんの編集論を聞くという時期もあったと聞いたことがあります。

錚々たる作品を担当し、スピリッツなども創刊編集長立ち上げた白井さんですが、この記事は5万字あるとのことで、大変読み応えのあるものになっています。


漫画に合せてタブレットが振動などして読書体験を上げるというものです。ガラケーのマンガで一コマ一コマをオーサリングでぶつ切りにしていた時代にも、こうした読書体験演出はありましたね。


マンガのみならず、NFTやお笑い芸人育成など、広く活動されている東村アキコさんのインタビューです。


この件、かなり大きな問題かと思うのですが、良くまとまっています。


先日、アニメ製作会社ツインエンジン社へ出資を行った、Bookliveの新レーベルです。アニメ展開への意識をしたレーベルとなるのでしょうか。


海外News

洋をまたいで、Booklive社の話題がもう一つです。新マンガアプリ「ブックライブfun」上で、中国作品を国内オリジナル作品として売り出すとのことです。現在のBooklive上のウェブトゥーン作品が900本で、うち111作品が中国作品、韓国の48よりも多く、力を入れているようですね。


中国漫画界のお話です。ただ、ここでは漫画よりゲームのほうが仕事になりやすいという現実問題にも直面しているというお話もあるようですね。


今週のlibroさんの北米エンタメニュースまとめです。NAVERWebtoonのニュースでは、ローカライズの話をしていますね。先日北米で大きなイベントをしたばかりのCrunchRollが、今度はオーストラリアでもExpoをやっているようです。


記事のみ紹介


告知関連

「漫画家 藤子不二雄A お別れの会」のお知らせ 10/31

主催:小学館ビッグコミックオリジナル編集部
日時:2022年10月31日(月) 一般18時~
場所:オークラ東京 平安の間


Arts and Law 定例イベント#016 そのクレーム「エセ著作権」かも!?著作権トラブルを跳ね除ける術を学ぶ!

主催:Arts and Law
日時:2022年9月29日(木)19:00~
場所:オンライン


第3回 国際マンガ・アニメ祭 Reiwa Toshima ( IMART 2022)

主催:IMART実行委員会
日時:2022年10月21日~10月23日
場所:オンライン・リアル混合
今週中には、セッション情報公開予定です。



#連載・読切形式どちらも応募可
!!ネームで連載獲得!!ウルトラジャンプ漫画賞  締め切りは今週いっぱいです!

https://comici.jp/stories/a654a9a857c97

連載・読切形式どちらも応募可!!ネームで連載獲得!!ウルトラジャンプ漫画賞
求む、”ウルトラジャンプで連載したい”マンガ企画!ネーム応募で連載権が確定!!
締切:9/30 23:59まで
ウルトラジャンプ漫画賞Specialインタビュー「編集者と距離をおいて知った、編集者の必要性」千田浩之先生
ネットでの活躍を経て、ウルトラジャンプで連載デビューした千田浩之先生のインタビューは、現在の漫画家さんたちに大切な気づきを伝えています。


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