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【マンガ業界Newsまとめ】KADOKAWAがWebtoonに本気、一歩先んじる理由と狙いは?|5/1-050

忙しい業界人、クリエイターの皆さんのために、マンガ業界関連の日々のニュースをまとめてご覧いただけるマガジンです。

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メディアミックスの中核を担う存在に 縦読みコミックは新たな商機

大手出版の一角KADOKAWAがWebtoonに取り組む動機や今後について「海外やメディミックス」を狙うという文脈で語られています。

既にこの「タテスクコミック」の取組では、既存の横漫画をWebtoon化する形で『文豪ストレイドッグス』や『異世界レビュアーズ』など、気合の入った作品を縦化するなどしてきており、作品も増やしていました。

また、昨年には「ソニー(アニプレックス)」や「クランチロール」と連携を行うなど、元々強かった海外展開へのリーチも強めており、記事中にもあるようにもとより海外に強いWebtoonからの展開に期待を寄せての注力ということのようです。

また、この記事にもあるようにKADOKAWAは台湾をはじめアジア各国において現地法人や、経産省の予算を受け入れ教育機関を展開するなど、直接的にアジアのクリエイターと連携する土壌を既に持っているという点でも、他社に一歩先んじる事業を続けてきました。

このあたり、アジア向けのヒット作をローカルなクリエイターの作品で地産地消する動きなど、国内勢のなかでもWebtoon展開に向けて強い地盤を持っているといえるのでしょう。

コメントするために、タテスクコミックのサイトを開けたところ、トップからいきなりWebtoon作品が開始するという大胆な構成にサイトリニューアルされてました。こんなところからも本気感を感じます。こりゃすごい。


「言論の自由絶対主義者」で「ガチのアニヲタ」のイーロンマスクがTwitterを買収するとどうなるか?

「世界一の富豪が言論の自由のために個人資産でTwitterを買った」という文脈が世界で話題ですが、恐らく多くのマンガ関係者にとって、圧倒的にマンガと相性の良いSNSであるツイッターが、この影響でどうなるか?ということに関心を寄せていることと思います。

まず、佐々木俊尚さんのnoteによる、イーロン・マスク氏は「言論の自由の絶対主義者」という点においては間違いないのでしょう。「自分の嫌いな主張をする人の言論の自由を守る」という考え方は、買収騒ぎが始まって以来、各所で話題となりました

我々のポジションからすると、表現については緩和されるのかどうなのか、非常に注目したいところですが、如何せん情報がまだまだ出てこないところです。有名なクリエイターさんが英語で突撃したら、何か出てきますでしょうか。

一方で、マスク氏自身はアニヲタであると日本の一部から評されています。

ここではチョイスが絶妙と評されてますが、作品としての良さは間違いないのですが、ヲタというにはオーソドックスなラインナップですね。ただ、別の文脈では、アイマスの輿水幸子の画像をツイートしたとことで話題になったこともあり、なんというかすべてを判ったうえで、一般受けしやすい作品を挙げて擬態した猛者である可能性も捨てきれず、底が知れません。

仮にアニヲタだとしても、今回の言動のように強い信条で言論の自由を透徹していった場合、趣味がどこまでTwitterの運営に反映されるかも未知数です(少なくとも、世界観への理解度が高いという期待は持てますが)

平成26年(2014)版 情報通信白書
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/html/nc143120.html

また、匿名アカウントが異様に多い日本のTwitter特有の空気感を背景とした、様々なコンテンツの氾濫や消費という背景もあると思います。匿名アカウントが規制されたり、一部で噂の有料制が始まるなどした場合に、おれたちのマンガ天国Twitterがどうなるかは予断を許しません。こうなると、マスクも実は匿名アニヲタアカウントを絶賛運用していて、それを死守することを世界にも秘匿しながら経営改革を行うというよな、どこかの同人誌で描かれてそうなストーリーを期待してしまいます。

というわけで、マンガ業界に関わりそうなところで、重要そうなのは以下の点でしょうか。

・「表現の自由」の強化で、画像としての漫画表現はどうなっていくのか?
・アニヲタと言われるイーロン・マスクによる日本独特の世界観への理解度は、マンガ関連Twitter界隈ににどう影響するか?
・匿名アカウントが規制された場合、おれたちのTwitterはどうなるのか?

引き続き、注目してまいりたいところです。

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DLSiteらしいという記事で、取り上げます。

viviON社は、端的にいうとDLsiteの運営会社です。このDLsiteでは、ASMRをはじめとした音声コンテンツが非常に人気で、ASMR系ではDLsiteこそ国内トッププラットフォームと言って間違いないです。餅は餅屋的立ち位置です。

そのviviONから、ボイス付きWebtoonが生まれるというのは、何かこういぶし銀の本気を見る気持ちで、昨日今日のコンテンツとは思えない「強そうな」気配を感じます。さすがです。

韓国のWebtoonのトレンドとしては、オリジナルサウンドトラック(OST)を作品タイアップでリリースすることが、最早チャート上位への早道となっており、LINEマンガでも以下ようなオーソドックスなOST施策が行われたりしています。

また、

同じLINEマンガで、いわゆるV系の音声企画がはじまるなど、日本のWebtoonの中では、ボイスとのコラボは黎明期にも関わらず現時点で、既に多様化しつつあります。

V系と漫画となると、SNS上で同人作品が盛り上がりはするものの、商業系の漫画としてはこれまであまり実績が上がらず、相性が難しいものという見方もありました。ただ、確かにWebtoonにV系の声を当てるというのは、viviONのASMRからの流れ同様、面白い取組と思えます。

現状、国内のWebtoonの広がりは、まだまだこれからという所かと思いますが、早々にこうした面白い取組が出てくることで、拡大が早まるなどの流れもあるやもと考えました。


中国の快看漫画のwebtoonが大量に動画化されている件~快看漫画はコンテンツ総合アプリへ~

まず、記事の頭出しで、このNewsまとめでも拾えてなかった中韓系Webtoonスタジオなどの出資や資金調達の記事が並んでました。やっぱり中韓でもそうですよねと。

それから、本論にある快看漫画のマンガ動画「漫剧」ですが、これまた一見してクオリティ高いですね。

過去、日本のマンガ業界においてアニメとは別に様々な場面でマンガが動画にされてきましたが、業界人にとっては最早トラウマと言えるくらい失敗の連続でした。ただ、中国などでこうしたものが大量にできた場合、こうした日本のトラウマとは別文脈で流行ってしまう可能性もあり、一先ず動向には注目したほうが良いかなと思います。

ちょっと前に話題になった「Webtoonのスワイプ疲れ」にも、確かに動画は対応してるなと思いました。さて、どうなるでしょうねぇ。


海外News

アジア経済ニュースの有料記事のため、文章量が少ないのですが、カカオエンターテイメント(韓国)がインドネシアに進出とあります。インドネシアは人口2億8000万人と世界で4番目と人口が多く、従前より日本の漫画業界でもこれに注目して訪問する方も多かったです。

ただ、国土全体に島しょ部が多く、文化圏も多様なため、物流が一筋縄ではいかず、紙の漫画文化時にはなかなか浸透せず、デジタルでもなかなかいきなりとはいきませんでした。

ここに来て、スナックコンテンツたるWebtoonでインドネシアに進出するのは筋が良いかもしれません。

なお、カカオは、既に2018年の時点で橋頭保としてインドネシアローカルのコンテンツ企業に出資しており、今回この攻勢をより本格化するようですね。

余談ですが、カカオ豆はインドネシアの名産らしく、検索したらカカオ豆のニュースが沢山出ました。彼らには別のSEOの戦いが待ってるようです。


国内News

Webtoonスタジオの様々なリリースの中で、報酬金額や印税などを公開する流れがありましたが、taskeyからは「Webtoonのおしごと年収診断」ということで、エンターテイメント性の高いpeepを運営する同社らしい取組がでました。

この診断ですが、クリエイターから編集者・プロデューサーまで、社員も制作クリエイターも一緒になってるあたりが、とてもWebtoonスタジオらしいと思いました。一度試してみてはいかがでしょう?

この発想はとても面白いので、別のWebtoonスタジオの方が「その手があったか~」と悔しがってるじゃないかなと思いました(笑


文化通信社の有料記事のため、記事はほとんど読めないのですが、冒頭に挿入された画像の中に、見ようと思うと200万円以上するData.ai(旧AppAnnie)のデータが貼ってあるので、一読するだけの価値はあると思います。とにかくずっと、ピッコマが世界で売上一番なんですね。

ちなみに、恐らくですが、世界でWebtoonアプリを見た場合、日本やブラジルをのぞく各国の利用者数1位の多くは、NAVER WEBTOONだと思います。一方で、売上は圧倒的にピッコマなのですね。強い。


先日大きくキャンペーンを打って話題となった『左ききのエレン』ですが、作中の絵をNFT販売するという施策をも行われていたようで、大きな値が付いたようです。しかも購入者はDAO(分散型自律組織)だったようで、端的にいうとWeb3で注目される新しいスキームによって落札されたとのこと。新しいです。


メタバース上のアバターについては、Vtuber用ツールや、VRChat内のアバターの元デザインを漫画家が制作するケースなども増えております。

記事中にあるような肖像権の問題や、一部環境ではガワごとコピーされてしまいやすいなど、多くの課題があります。これから、版権キャラがアバターになっていくなど、これからというところです。

まだまだこれからというところですが、そういう問題もあるという認識をするだけでも良いかなと、おすすめの記事です。


これはただ、「3D ARフィギュアNFT」という言葉がすごい情報量だなと思いまして。確かに呼称としてはそうなりますけど、大変ですねもう。座組には、アプリベンダーのLink-U社や版元からはマッグガーデン社が入ってるようです。


ラノベ編集者と言えば日本一の三木一馬さんが、現在のラノベ作家の大変さや、生き方として現在取れる選択肢を示す記事です。漫画家向けということでもないのですが、その選択肢の中にWebtoon原作者への道というくだりもありまして、なるほどなと読ませる内容でした。


記事のみ紹介


告知関連

西日本最大級のマンガ・アニメ・ゲームの祭典『京まふ2022』開催決定!出店者募集開始

今年で開催11回目となる「京まふ」こと「京都国際マンガ・アニメフェア」が開催告知と出展募集開始(締切5/31)をリリースしました。すっかり西日本最大級の版権イベントとして定着しましたね。今年は、9/17-18開催のようです。

1年目に開催全体の事務局をお手伝いしたのと、マンガ出張編集部を立ち上げ、6年ほど運営しました。マンガ出版社の皆様には、ご興味あればぜひ事務局にお問合せいただければと思います。


東京豊島区のトキワ荘マンガミュージアムそば、マンガナイトBOOKSでは、4/27~5/8のGW期間中、モーニング連載中の『ガクサン』展を開催します。
「これも学習マンガだ!」の拠点ともなってる同所ですので、学習参考書オタクの熱い思いほとばしる本作とは相性が良さそうです。


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(編集後記)今週もグレート-O-カーンさんの記事が何本か出てましたが、氏が『ハコヅメ』や『パリピ孔明』を愛読し、Vtuberから必殺技の名前を取るなど、まぁ大変面白いことになっておりますね。

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