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【マンガ業界Newsまとめ】2022年国内ウェブトゥーン市場規模約520億円と試算、夏コミc102来場26万人 など|8/13-114

マンガ業界ニュースの週1まとめです。動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、業界の方が短時間で情報を得られることを目指しています。


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2022年度の市場規模は6026億円、2027年度には8000億円市場に成長Webtoonが電子コミック市場の1割の規模に『電子書籍ビジネス調査報告書2023』8月10日発売

*: 筆者は『電子書籍ビジネス調査報告書2023』の著者です(共著)

インプレス社が『電子書籍ビジネス調査報告書2023』を8/10に販売開始することを発表しました。例年8月に発刊される本書ですが、5年後の電子書籍市場の予測値を出すのが特徴です。

コミックに特化しますと、2022年の電子コミック市場は、5199億円という試算です。そして注目すべきポイントとしては、この2022年コミック市場の約10%Webtoonの市場規模と発表したことです。

同社はこの数値を各社にヒアリングするなどして試算しています。5199億円の約10%ですから、国内におけるWebtoonの市場規模は約520億円ということですね。これはあくまで、アプリ上などで作品として課金されたものの試算と言うことになりますが、国内でWebtoonの市場規模に言及するリサーチは今回が初めてとなりますので、一先ず。

2022年の国内Webtoon市場規模は約520億円(課金ベース)

というのが、日本のWebtoon史上初めての、市場規模数値の公式見解になるかと思います。やっと数字で語れるスタート地点に立った形ですね。
こうしたデータが出る場合、海外の市場規模試算では、Webtoonとしての作品への課金ベースだけではなく、アニメ化などのIP展開もその規模として組み込まれていることが多く、注意が必要です。

筆者は、2023年版より新設された「第3章 Webtoonの最新動向と現在地」を書かせていただきました。

2000年代初頭の韓国におけるWebtoonの原型が形作られるあたりから、2023年現在の、世界や日本でのWebtoonの展開まで、初回と言うことで網羅的に約2万字ほど描かせていただきました。難産でしたが、Webtoon勃興の経緯や現在地など、多くの方の協力を得て、ある程度の整理が出来たかなと思います。

本書発刊にあたり、私からの紹介で本書を著者割引10%で販売できます。
本noteご覧の皆様にはコードをお送りいたしますので、私の連絡先をご存じの方はご連絡ください。または、こちらの私の個人会社問合せフォームか、Twitter(X)のDMも解放しましたので、ご都合の良い方法でご連絡ください。

購入時に送付先など入力していただくことになりますので、私へのお問合せの際は匿名でも構いません。クローズでメッセージさえいただければOKです。主に法人向けの高価な本とはなりますが、よろしくお願いいたします。


コミケC102開催、2日間で26万人来場

2023年の夏コミ、C102が開催しました。今回は5類化をうけて入場人数を緩和化していく途中過程の開催となります。

例年にも増して、関連する記事が多数出ていました。こちらと、最後の「記事のみ紹介」のところでご紹介します。

特に、今回の制限撤廃というか実務的には緩和にあたって詳しく書かれています。早速AIも話題に入って来てますね。

先週も紹介した東京新聞の特集記事ですが、この記事に続く形で、複数の特集記事が続いており、それぞれ力が入っていて面白いです。

90年代後半、コミケはさらに巨大化…わいせつ、著作権など「自由と紙一重」の課題にも直面
「コミケの父」突然の死 脅迫事件、五輪、コロナ禍まで…「危機のたびに団結が強まった」
コミケは「同じ仲間」「日本のお家芸」 同人誌印刷会社、東京ビッグサイト担当者の熱弁を聞いた

韓国ゲームの人気作品のサークル島ができ、壁サーまでできたり、韓国から買いに来る人もいるなど、国際化も進んでいますよね。ラグナロクオンライン時代から、最近のアズールレーン、原神など、こうした事例にはもう事欠かないのでしょう。

c102から始まった当日券の午後券に並んだのですが、国際展示場前駅そばの最後尾から、約30分ほどで券が買えました。記事にあった「ふらっと寄れるコミケ」という形も初回から上手く機能していたように思います。

列さばきからリストバンド発券まで、炎天下にも関わらず想像以上にストレスなく購入・入場できました。流石コミケですね。

公式によると、1日目、2日目ともに13万人来場で2日間で26万人来場とのこと。みなさまお疲れ様でした。


国内News

大手出版社3社と丸紅が起こしたPubteXですが、RFIDタグの書籍への挿入を開始とのこと。紙書籍の流通改革は実証実験まで進んできました。


スターツ出版が第2四半期決算を上方修正しました。「当第2四半期累計期間におきましては、書籍コンテンツ事業における書籍、コミックの販売が総じて好調に推移」とのことで、引き続きコミック好調のようです。


ちょうど昨日、コミケで「Wacom one」の実物見てきましたが良さそうでした。


むしろ、コミケに生き行き続けるために、とら婚で結婚したと言っても過言ではないのでは。良いタイトルですw


今週のWebtoon新規参入・新たな動き

エヌエフティアーツ社は「スターライトスタジオ」レーベルを新設、Webtoon制作やIP制作を開始とのこと。


アニメイト系のロケットスタッフ社が運営するユーザー参加型のWEBTOON新サービス『PLAYTOONS 』にWEB小説の投稿機能が追加とのこと。投稿作品とのことですが、イラストのクオリティが高いものが複数ありますね。


NAVER WEBTOONのヒット作『ロア・オリンポス』ですが、アイズナー賞を2年連続受賞とのこと。英語圏のWebtoonでは同作が引き続き強いようですね。


Youtuberが主人公の同作ですが、現代のドラえもんと称されています。頭身の高い写実的で綺麗な絵の本作ですが、内容的にも現代のネット社会反映した展開は王道で、人気が出るのもわかる独自の良い作りです。


studio73を運営するウェイブ社のComicFestaですが、漫画と動画が一体になったタテヨミ漫画の新機能、『LIVETOON(ライブトゥーン)』を開始とのこと。試し読み画面から実際に動きを見ることができます(アダルト作品です)が、これもまたクオリティが高いですね。


海外News

*:ここから、英語などの外国語の記事をご紹介します。自動翻訳など利用ください。

タイトル:WEBTOON の DC シリーズがグラフィック ノベルとして店頭に登場

本まとめでは再三ご紹介していますが、北米や仏などでは、Webtoonで立ち上がった作品が最終的なマネタイズで、紙コミックとして発刊されるケースが常套化しつつあります。本記事では、WebtoonスタートのDCの新作紙コミックが複数紹介されています。


タイトル:漫画会社がハイライトする黒人、社会から疎外された漫画

米国Webtoonの環境では、こうした有色人種関連の話題なども頻繁にニュースになっています。

タイトル:WEBTOON のラブ ストーリーは LGBTQ+ の愛を見事に祝福する

プライド月間に合わせて 3 話構成のラブ ストーリー アンソロジーをリリースとのことで、こちらもLGBTQ+の作品文脈ですね。


タイトル:韓国のウェブ漫画を読むのに最適な無料サイト トップ 10

英語圏での韓国Webtoonサイトの紹介10選とのことなんですが、サイトのランキングが出ています。

1. タパス
2. クトゥーン
3. タッピートゥーンコミックス
4. ダウムウェブトゥーン
5. タッピートゥーンコミックス
6. トーミクス
7. ネイバーウェブトゥーン
8. カカオページ
9. レジンコミックス
10.メニートゥーン

記事より

なんらかの宣伝記事とは思いますので、順位を間に受けすぎてもとは思いますが、7と8にNAVER、カカオの本体が出ているのに対して、上位にカカオ系のタパスの名前が上がっています。北米圏ではこうしたパワーバランスなのでしょうか。


同様に、こちらは英語圏Webtoonの作品Top20です。上位10だけ以下に紹介させていただくと。

1, ソロレベリング
2, 貴族
3, 神の塔
4, あなたの心の音
5, チーズ・イン・ザ・トラップ
6, 真の美しさ
7, 神々とともに
8, こんなヒーローはいらない
9, ザ・ブレイカー
10, ネイチャーガールズ

記事より

1位の『ソロレベリング』は画像の通り『俺だけレベルアップな件』のことですね。3位の『神の塔』はアニメ化してお馴染みですが、ほかは必ずしも日本で良く読まれているものとは違う作品ですね。日本だとここに『女神降臨』『喧嘩商売』『テムパル』『シャーク』などが入ってくるところですね。


夏のセール各社情報

拾えた範囲で、この夏近々のセール情報です。


AI・画像生成関連

Bookliveの運営するクリエイター向けプラットフォーム「Xfolio」ですが、生成AIによるクリエイターの権利侵害防止に向け、利用規約を改定とのこと。


Adobeの国内の動きでも、生成AIと実際に漫画家のうめ・小沢高広さんが登壇するなど、少しずつ現場に近づいてきていますね。


無料だと最後まで読めない記事ですが、冒頭だけ見ても、比較的落ち着いた論調でクリエイター自身から語られ始めているかなと思います。


画像が印象的なのですが、スタビリィティAIが日本語対応を開始とのこと。やっぱり日本はこう見えてしまうのかと思いつつ、そうした流れは増えて欲しいですね。



最初に突っ走ったベンチャーが元気なくなっちゃうと、大手の寡占に向かってっいってしまうやもですね。


昨年末にβ版を提供開始してた「AIいらすとや」ですが、正式版リリースとのこと。商用利用外なら無制限で生成できるとのこと。商用利用については有料版が提供されています。


タイトルの通りなのですが、えらいことになってまいりましたでございますね。


記事のみ紹介


告知関連


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現在私は、マンガ編集部やWebtoonスタジオが自社で作品の販売をできるWeb雑誌の仕組み、「コミチ+」の営業をしています。

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