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【マンガ業界Newsまとめ】amazon/apple進出に備えるNAVER、マガジンエッジ休刊 など|8/20-115

マンガ業界ニュースのおよそ週1まとめです。
業界向けイベントIMARTを運営する筆者が、動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、短時間で1週間の情報をチェックできることを目指しています。

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amazon/apple VS NAVER @北米-global

*:英語記事は自動翻訳などご利用ください

ネイバー「ウェブトゥーン」CEO、新規参入の障壁は高いと語る

Amazonはウェブトゥーンゲームに大々的に参入している

WEBTOON は Apple や Amazon などの巨大テクノロジー企業との競争に備える

8/14にNAVER代表のキム・ジュンク氏がロイターに語ったところから端を発した記事が、英語圏の様々なメディア(上記以外にも)沢山出ていました。

事の経緯は、今年amazonとappleが相次いでWebtoonに進出したことに対して、先行してWebtoon展開を北米他グローバルで行っているNAVERはどう見るか?という文脈のようです。

これに対し、キム氏は以下のように語っています。

「(ウェブトゥーン)ストアを構築するには、シリアルサービス、ユーザーのターゲティング、適切なビジネスモデル、ユーザーの教育に関する知識が必要です」とキム氏は語った。「これには時間がかかります。しかし、たとえ時間を費やしたとしても、私たちが構築したクリエイター経済を再構築することはできません。」
「大手テクノロジー企業がこの知財創出ビジネスに本気なら、我々を買収する必要があるだろう」

REUTER ”Naver's 'Webtoon' CEO says barrier for new entrants is high” より抜粋

これまでNAVERが、日本をはじめ北米やフランスなどで注力してきた「現地ユーザー開拓・クリエイター育成」等の展開を見てもさもありなんですが、同時に、北米ローカルユーザーを獲得するために、Wattpadを買収したことなども背景にありそうなコメントです。

とはいえ、本当にNAVERが買収されるとは思ってないであろう気概のほうが強そうではありますが。

日本だと、appleの存在感は電子コミックのサービスとしては低いのですが、amazon-kindleと電子コミックの関係性を見ると、いずれWebtoonが大きな市場になりマスなユーザーが読むようになった頃合いには、amazonやappleも十分にWebtoonがビジネスになると考えての進出かなと思ったりはします。

とはいえappleは、NAVERでもカカオでも無い、韓国のWebtoon第3勢力ともいえる、KENAZの作品を独占配信するなど、資本力を活かした戦略も垣間見え、これから色々と起こりそうな気配もあります。

日本の電子コミック・マンガアプリでも、多くのプラットフォームが鎬を削っておりますが、メディア上でこのように鞘当てみたいなことをするケースは少なく、こういうやり取りはメディアの動き含めて欧米っぽいですね。あと、欧米も結構コタツ記事あるんだなぁと。(他の記事は大体ロイターが元ネタ)


講談社のマンガ雑誌「少年マガジンエッジ」が10月に休刊。連載作品は「マガジンポケット」などに移籍

少年マガジンエッジ公式サイトより

4月アニメで『江戸前エルフ』が放映されるなど、作品は好調と思える少年マガジンエッジですが、紙の雑誌を休刊。一部作品は「マガポケ」はじめ作品にあった媒体で連載を継続とのこと。

講談社では、マガポケ、ComicDays、Palcyなどの複数編集部に跨るサービスや、ヤンマガWeb、月マガ基地、&SOFA(アフタヌーン)など、様々な媒体展開がありますが、少し前に休刊したイブニングや今回のエッジなど、各誌の休刊後の動きも様々なバリエーションに渡っています。

作品の好不調と、紙雑誌の維持の関連性は、継続意思決定の文脈から離れて行ってしまっているのではないかなぁと、思ったりはします。


国内News

渋谷TSUTAYAの2024年春全面改装に伴うニュースです。
TSUTAYAには様々な旗艦店がありますが、あの渋谷スクランブル交差点のシンボルとも言える場所ですので、国内向けはもちろん、インバウンドでも強力なインパクトを持ちそうです。

最近の漢字蔦屋の動きを見ても、相当思い切った店づくりになるのだろうなと期待したいところです。


AIが台頭してより俄然話題の、作品翻訳、サイマル配信体制などですが、国内でAI翻訳事業にいち早く取り組んでいた、Mantra社が、集英社作品の多言語サイマル支援を開始。
『ONE PIECE』『SPY✖️FAMILY』最新話のベトナム語版が『MANGA Plus by SHUEISHA』にて、日本での最新話更新と同時に配信とのこと。


漫画の原画保存の問題、より複雑な問題抱えるアニメ側では国の動きが始まったとのことで、竹宮恵子先生も漫画のほうでインタビューに答えています。

以前竹宮先生に、京都国際マンガミュージアムの地下で、記事中にもある原画ダッシュの関係で収納されている原画を見せてもらったのですが、最高の環境で保存すると大変なコストとスペースがかかってしまうのだなと勉強させてもらいました。

あそこまでするとなると、場所も予算も大変だなと思いましたが、すでに横手市増田まんが美術館などではその先のことも考え、預かった作品のIPとしての展開なども含めた動きなど、ノウハウの蓄積や持続可能な工夫など取り組んでると聞いています。

記事では国のアニメ関連保存が話題となってますが、アニメやゲームに対して、マンガは学会が動いてたり、自治体レベルで図書館や美術館が動いていたりと、先行している印象を持たれるのか、割と国からは後回しにされてます……その辺、国周りでも上手く進めて欲しいなとは思います。


編集プロダクションのファンギルド社から、異世界ファンタジー小説レーベル「novel スピラ」を創刊とのこと。
「スピラ」公式HP:https://spira.jp/ にて配信されるようです。


文春オンラインの2023年上半期、コミックで反響の大きかった記事トップ5とのこと。1位は『初恋、ざらり』とのことで、サイトの個性がでているランキングでした。


ニュースと言うことでも無いのですが、クリエイターの採用サポート、紹介などをしているクリーク&リバー社のTwitterにて、スクエニ系コミック編集者募集のツイート見かけました。

編集者採用の動きの打ち出し方としては、珍しいパターンだなと。それにしても漫画編集者採用でオンライン採用説明会とは隔世の感ですね。
それくらい、現在漫画編集者は求められており、人材の流動性も上がったというところでしょうか。


今週一部で話題になっていましたが、二次創作への理解のゆがみは、本当にご勘弁いただきたいところですね。愚かかつ罪深すぎます。


今週のWebtoon新規参入・新たな動き

CONISTが手がける縦スクロールコミックのデータ分析サービス及びAI基盤の縦スクロールコミック制作支援ソリューションの日本国内における販売促進を担うとのこと。


フーモアとGIGATOONの共同制作で、カクヨム原作、集英社コミカライズ作品のWebtoon化とのこと。座組がまた大きいですね。


先日、エスカレーターの手すりにWebtoonの広告を打って話題となったNo9のころく氏と、竹村響氏が登壇するXスペースです。わたしは配信担当なのですが、ちょっと喋るかもしれません。


海外News

昨年来、BTS(HYBE)とNAVERのWebtoonまわりでの動きは話題となりましたが、カカオとSMエンタのNCTなどのWebtoonの取組も協業コンテンツを発表とのこと。この流れは増え続けますねー。


*:少し英語記事が続きます。自動翻訳など使用ください。

上のマーベルの記事は、マーベルのキャラ10人をあげ、これをWebtoonにしたら?というものです。Webtoonへの展開は、各シリーズの本編と言うより、キャラのスピンオフが多いようで、こういう記事は良くみかけるようになりました。

下のDCの記事は、自社のヒーローものWebtoonを紙で販売するという記事です。

両社とも、Webtoonで新作を連載し、紙の単行本的な落とし込みでマネタイズと言うのが、しばらくは続きそうです。


タイトル訳:韓国のエンターテインメント産業も漫画に依存している

記事の内容的には、少し前に日本でも良く見かけた内容なのですが、この記事、イタリアのものなんですよね。


カナダのコミコンのユニークな取組として、女子プレスを会場でやったとのこと。悪く取れば、人が集まってるからノリでとりあえずプロレスやっちゃったとも取れますが、お祭りとしては楽しいですよね。わたしもたまにプロレス見に行きますが、いつも漫画家さんと一緒です(関係ないw)


日本語のニュースですが、海外における紙と電子の書籍販売の差の話題です。所有権と閲覧権の違いや、電子図書館サービスなどにも触れています。日本は電子書籍の8割~9割をマンガが占める世界唯一のガラパゴスな市場形成をしていますが、海外では文字物(リフロー)型が一般的です。

このあたり、国際標準と日本の違いが今後どう出るかなど、海外動向を追っておく必要もあるかなとは思います。


AI・画像生成関連

今週もAIは燃えておりましたですね。
イラストレーターのあらいずみさんとしたら災難としか言えないと思うのですが、淡々と事実を開示されていて、冷静で良かったなと思いました。

それにしても、言い出した側におとがめはないかたちになるでしょうから、後味悪いですよね。


一方で、居直り強盗みたいなケースも出てますね。「そういう問題ちゃうねん」というやつですね。


「ひ、ひげが」というところですが、なるほどこういう対抗手段も出てくるのですね。ダリ2とかに修正されちゃいそうですが。ダリに修正されるモナ・リザみたいな話ですね。なんだかな。


システム側では、こうした対応も出てくるのですね。禍々しいドラえもん。


個人的に気になったの記事なですが、世界的に見ても期待されるスタートアップ起業家が、日本の著作権法の一部「『情報解析』に必要な限度においては原則として著作物を自由に利用できる」という点について着目し、わざわざアメリカから日本に来て起業するとのこと。

興味深いですし、こうしたところは逆手に取って良きに活かしたいですよね。


各社キャンペーン情報

-目についたものだけですが。


記事のみ紹介


告知関連

インプレス社『電子書籍ビジネス調査報告書2023』Webtoonパートの執筆を担当させていただきました。

本書発刊にあたり、私からの紹介で本書を著者割引10%で販売できます。
本noteご覧の皆様にはコードをお送りいたしますので、私の連絡先をご存じの方はご連絡ください。または、こちらの私の個人会社問合せフォームか、Twitter(X)のDMも解放しましたので、ご都合の良い方法でご連絡ください。

購入時に送付先など入力していただくことになりますので、私へのお問合せの際は匿名でも構いません。クローズでメッセージさえいただければOKです。主に法人向けの高価な本とはなりますが、よろしくお願いいたします。



これ面白かったです。apple Pod Castのアーカイブは以下。

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現在私は、マンガ編集部やWebtoonスタジオが自社で作品の販売をできるWeb雑誌の仕組み、「コミチ+」の営業をしています。

コミチ+は、来年に向けて大手出版社やWebtoonSTUDIOなどの大型受注を複数控えておりまして、絶賛エンジニア、Webディレクター(運用担当・データアナリスト等)などを募集中です。サービスがどんどん大きく広がっていく、これから滅茶苦茶楽しくなっていくタイミングです。一緒にやりませんか!私も力を出し切るつもりですし、一緒に働く方には私の持ってる知識や人とのつながりを最大限提供したいと考えています。詳細は以下より。

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