ラブコが誕生する前のできごと(後編2)
3月3日に設立5周年を迎えることができました。
記念に?ラブコが誕生する前のできごとを綴っています。
ある日いきなりラブコができたわけではなく、それまでのいろいろなことがあって今があります。
前半、後編1からお読みいただければと思います。
さて、とりあえず9年勤めた会社を辞めることになりました。
何をやろうかと具体的に決まっていたわけではありませんが、猫の保護と仕事を結びつけることをなんかやりたいなと思っていました。今まで貯金もないのに仕事をやめたりしていたので、休む暇もなく、退職した翌日から新しい勤務先に行っていて、失業手当とかもらって仕事が決まるまで旅行とかに行っている友人を羨ましく思っていましたが、今回は貯金があるぜ!ということで、いろいろゆっくり考えようと思っていました。
とりあえず、ハローワークで無料でマーケティングを勉強できる講座があることを知り、早速申し込み。一応、前職ではマーケティング部も兼ねていたけど自分でやるのと会社でやるのとは違うのでちゃんと勉強しようと思いまして。3ヶ月、同じ時期に会社を辞めた色んな年代のクラスメートに囲まれてマーケティングを勉強することができました。
(ちなみに、マンホールに落ちたドロップを保護したのはこの頃。クラスの自己紹介でも話したっけな)。
<Buddyの始まり>
さて、その間、保護活動をしている友人から、ある会社の社長を紹介されました。なんでも、保護活動と仕事を結びつける、というざっくりとした私の計画に興味があるというのです。友人と社長は仲のいい友達だったのですが、とりあえず私たちはその社長の会社に入社して、ベンチャー部門のような形で仕事をすることに。
商材も何も決まっていなかったのですが、社長曰く、あるコーヒー屋を買い取っ他ので、あとはラベルのデザインだけなんだよね、みたいなことを言ったので、とりあえずコーヒーを販売することに。
私も友人も、とりあえず自宅以外に保護する場所が欲しいとずっと思っていて、今回のベンチャーで始めた仕事も、最終的には保護犬、保護猫のためのシェルターを建てる、というものでした。とりあえず、何か名前が要るよね、ってことで友人とああだこうだ考えてできたのが「Buddy」です。
Buddyは3年やりました。そこの会社は建築関係の会社で犬猫とは全く関係ない会社で、最初は現場の社員の人たちも、わけわからない人間がやってきた、と戸惑っていたと思います。でも大体の人達はいい人たちで、応援してくれました。
WEBサイトを作って、オンラインショップも作って、なんとか売り上げも立つようになったけど、全然黒字にならず。。。会社はでっかいシェルターを作って、と規模の大きい話をするんだけど、、、。
2年くらい経ったある日、会社の敷地内にヨロヨロの猫が舞い込んできました。歩くのもやっとでガリガリに痩せた年老いた猫。とりあえずすぐに動物病院に連れて行くと、エイズ白血病のダブルキャリアであることが判明。
白血病か。。。私も友人も家にたくさんの保護犬猫を抱えていて隔離する場所がない。でも放っておけない。
その頃、会社は引越しをしていて自社ビル(というか社屋)だったし、会社としてBuddyをやっているわけだし、と思い、社内で保護したいと交渉しました。これが結構大変で、屋内に入れてあげることは叶わず、なんとか敷地内の倉庫の一角に居場所を作ってもらうことに。
定期的に通院が必要だったので、病院代も稼がなければいけないというプレッシャーも。SNSなどでその子を保護したことを伝え、支援グッズを作って販売するとたくさんの人が買ってくれました。
猫がいるので休日もお世話をしにいかねばいけない。私は片道2時間の電車通勤で遠くて大変だったけど、近くに住む会社の人たちが交代でお世話をしてくれて、最初はみんな猫に興味がなかったはずなのに、可愛がってくれました。
(たかちゃん。最後の最後は動くこともできなくなってしまったのでうちに連れて帰り、うちで息を引き取りました)。
感謝をしつつも、この老猫の保護は転機になりました。
当時の私は通勤に往復4時間かかって時間が少なくなり、収入も激減。犬猫のシェルター作るということを前提にした仕事をしているけど、会社に迷い込んできた猫一頭助けるのもすんなりいかない。これじゃあ前の方が保護活動できていたじゃん、という矛盾。
きっと一頭入れてしまうと、なし崩し的にどんどん連れてくる、という恐れがあったのかもしれません。
でもとにかくこのままじゃだめだと思いました。Buddyの売り上げが思うように伸びないことにヤキモキしたのか、全然関係ない仕事まで任されそうになるし。それに利益が出たらシェルター作ります、っていうスタンスもそもそもどうなのか。犬猫関係なく、新規事業を立ち上げて軌道に乗るのってそれだけでも大変なことなのに、大きなシェルターを作るって可能?
始める前に会社がどういうつもりでいるのかもっと話すべきでした。何度も話したのに、いざとなると話がやたら大きくなっちゃって。。。ツメの甘さから色々歪みが出てきました。自分が悪いんだけど。
売り上げをとにかく増やさないと、と動いている中、青山ファーマーズマーケットに出展しようと思い立ちました。ギフトショーとかも出展しましたがとにかく出展料が高くてnot for us。ファーマーズマーケットは個人的にも時々行っていましたが、面白いお店がいっぱいあって、楽しそうだったので。それに犬猫の譲渡会もやっいるし。
ファーマーズマーケットの人に連絡したら、犬猫の譲渡会を主催している団体があるから、そこと一緒に出たらどうですか。紹介しますよ。
と言われ、出会ったのが等々力のオフィスの大家さんでもあるDo One Goodさんでした。
<等々力にオフィス借りれる!>
Do One Goodの代表のいっそうさんがユニークで面白い人で、あれは確か赤坂のカフェかどこかで最初に会ったのだけど、猫の話とかをしてたら、自分の持っている物件に猫が出没して、どうにかしたいって相談されてるから捕獲をやってくれ、といきなり頼まれたんだった。風貌に似合わず猫が怖いとかで(笑)
そんな出会いでしたが、無事に青山ファーマーズマーケットにも出展できることになり、そこに定期的にやってくる色んな保護団さんの譲渡会の隣でコーヒーを売ることになりました。
いっそうさんに会う機会も増えて、今会社で保護ができないこと、犬猫を保護する場所が欲しいこととかを話していると、なんと空いている物件があるから貸してくれると言う。場所は等々力。すごい!借りたい!
と話は進みましたが、会社に話すと等々力に行くなら出ていってくれ、と言うことになりました。お互いが潮時を感じていたのは確かです。
ただ、話の中でBuddyはそこの会社で始めたことなので、権利は全部会社にある。Buddyの名前も商材も全部会社のものだから、全部置いていけということになりました。会社からしたら、これまで多少なりともお金をつぎ込んできたわけだし、回収できるものは回収したいと思ったのか、腹が立ってそう言ったのかわかりません。
Buddyという名前も使えないのかー。商品を買ってくれていた人たちは、いつか犬猫のシェルターを作る、と言う私たちの目標に賛同して買ってくれていたのに、それを自分が放棄して去っていく。始めた人間としてはそれだけが本当に申し訳ない気持ちでした。
急ピッチで会社の設立の仕方を急いで勉強して(定款とか登記とか)、1ヶ月くらいでラブコを作りました。お金もないから行政書士さんとかにも頼めず自分でやるしかなかったのですが、アドレナリンが噴出していたので、あの集中力と行動力はなかなかだったと自分でも思います(笑)
日本政策金融公庫に融資の申し込みをして、クラウドファンディングも計画し、お金が工面できるころに等々力に入居させてもらうことに。
Buddyからラブコになる、これをお客さんに伝えるのにも完全に会社を辞めてからだと難しくなります。営業妨害とかで訴えられたら嫌だし、無料で法務相談できることろを探し、赤坂の弁護士事務所に相談にも行ったっけ。
あの弁護士さん元気かな。おうちにも犬がいるとかで、親身になって色々アドバイスしてくれました。
完璧とはいかなかったけれど、今までBuddyを応援してくれていた人たちに、新しくLOVE&Co.で再出発をすることを違法にならないできる限りのやり方で伝えました。
そんなこんなで色々ありましたが、晴れて、2016年の3月3日に登記が終わり、一般社団法人LOVE&Co.ができたのでした。
本当にたくさんの人のおかげで今があります。Buddyを辞める時は穏やかな感じにはいかなかったけれど、でも3年間の経験は無駄じゃなかったし、感謝しています。色々勉強になったし。現場の社員の人たちもalmost everyone 優しかった。Do One Goodのいっそうさんには本当に色々相談に乗ってもらい助けられました。あの時いっそうさんに会ってなければ等々力のオフィスもないし、ラブコも誕生していなかったと思います。
<自由!>
ラブコができて、最初に感じたことは「自由!」。もう会社の後ろ盾とかないし、自分名義で借金もした。自由は責任はセット。
でもなんて自由!FREE!
初めてDr. ごましおをオフィスの中に迎え入れた時のあの瞬間は今でも忘れられません。もう誰にも文句言われずに保護できるなんて夢のようです。
そんな感じでラブコはスタートしました。
実際に始まると色々大変なことはあるし、あっという間に猫も増える(汗)
個人で保護活動している人たちみんなそうだと思うけど、シェルターを持つ、って夢だったんですよ。猫に出会ってしまう。できれば保護したい、でも家にはもういっぱいいる。。。ああ、シェルターがあればな、という感じ。実際には保護する場所ができたって、そんなに簡単ではありません。すぐいっぱいになるし、お金も稼がないといけないし。それでも自宅以外に保護する場所ができるというのは本当に夢のようでした。
あっという間に5年が経って、自分もあちこちポンコツになってきました。前からない体力がさらに低下してきたのを感じる。。。
これからいつまでできるんだろうと思ったりもしますが、無責任にならないように、頑張ろうと思います。
5周年という節目を迎えたので、ラブコがどのようにしてできたのかを書いてみました。誰かの何かの参考になるかなあ。。。
とにかく、色んな人に支えられて5周年を迎えることができたことに感謝しています。読んでくださってありがとうございました。
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保護猫がはたらく会社 一般社団法人LOVE & Co.
オフィシャルWEBサイト:http://love-and-co.net/
オンラインショップ:https://loveandco.easy-myshop.jp/
instagram: https://www.instagram.com/loveandco_coffee/
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よろしければラブコCATSにギャラをお支払いいただけると、猫たちが喜びます!