子供のためのルーブル美術館(32)よみがえったファン・エイク①/絵の裏側の秘密
びっくり! 今日は絵の裏側から
美術館にずっと飾られたまま、汚れて色がよく見えなくなっていた600年前の、ヤン・ファン・エイクの絵。
そこでこの絵を、ルーブル美術館が初めてきれいに修復しました。すると、なんと!
絵の裏側に、緑の石のような絵が出てきました。
「大発見だ!大理石みたい、現代アートだ」と、みんなが驚きました。
裏側も人に見せられるように描いてあったのです。
さて、表側のファン・エイクの絵に、こんな2人が出てきます。
赤い帽子をかぶっているのが、ファン・エイク本人だそう。
2人はいったい何をしているのでしょう。
さあ、見にいきましょう!
これがきれいになったファン・エイクの絵
さっきの2人はいるかな。
向こうの庭にいた。なんか小さいね。
あそこからだと、あの2人にはどんな景色が見えるんでしょう。
近づいてみましょう。
川に浮かんでいるお城があって、橋や船の上にもたくさんの人たち。あ、馬もいる。
水にゆらゆら、お城も橋も人も水面に影がちゃんとうつっていますよ。
こっちは教会と、レンガ色の可愛いオランダ風の家。緑の丘の道を登って行く人たちもいます。
赤ちゃんの顔の向こうには、今度は背の高いとがった屋根の建物がたくさん。
がんじょうな城壁は右の方にずっとのびているのが見えますか?
山の方へ向かう道を歩いている人たちもいます。
ファン・エイクは、たった1枚の絵で、
遠くに見える青い山、そこからゆったりと流れてくる川、どこまでも続く広い広い空間を、私たちが、まるでこの2人になって見ているかのように感じさせたのです。
次回は、ファン・エイクが見つからないように隠した小さな動物を探すよ。また明後日、お楽しみに。
Jan van Eyck
La Vierge et le chancelier Rolin (avers et revers) vers 1430 chêne
71 x 65 cm musée du Louvre
ヤン・ファン・エイク
宰相ロランの聖母 1430
JAN VAN Eyck
Trompe-l'oeil de marbre feint
Vers 1430? Chêne
Revers de la Vierge du chancelier Rolin, décrite pour la première fois en 1705 à Notre-Dame-du-Châtel à Autun en Bourgogne (détruite à la Révolution), église collégiale et lieu de sépulture de Nicolas Rolin (vers 1376-1462).
ヤン・ファン・エイク
宰相ロランの聖母の裏側 フェイク大理石の壁画 1430? オーク
お読みいただきありがとうございました。
美しく蘇った名作は、緻密な遠景、宝石や金細工の精巧さ、着衣の貴重な織物、多様な建築様式と内部の見事な柱頭、それらがはっきり見えるようになりました。
当時はどの宝石よりも高価とされた大理石の裏面のだまし絵に美術館の関係者はどんなに驚いたことでしょう。
実際に触ってみると確かに硬いすべすべした石の感触があるらしいのです。ファン・エイクは人の目を欺くだけでなく、手までも欺いたのです。
美術館で宗教画はお好きでない方やお子様のために、今回は絵の裏側から入り細密画の遠景をご紹介しました。
次回は、かくれた小動物をさがすために(私は見つけられず美術館の方に聞😅ファン・エイクにやられた!)もう一回このファン・エイクを取り上げます。
修復の様子のビデオ、ルーブル美術館から(9分)
自動翻訳で日本語字幕を選択できます。細部がよく見える動画9分
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