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子供のためのオルセー美術館(52)ドガ・あくびの顔もかくよ/パリで働くひとたち

むかしむかしのパリ

セーヌ川では
洗濯せんたく仕事しごとにする人たちがいました。

つめたい川でたくさんの洗濯せんたくをして
やっとできあがったおも洗濯物せんたくものを 川の上にはこぶのは
たいへんな仕事しごとでした。


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オノレ・ドーミエ


そして
アイロンをかける仕事しごと

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むかしのアイロンがけは
ちからをうんといれないとできません。
とても疲れる仕事しごとでした。


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ああ、つかれた…

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ふあーーー!はやくおわりにしたい

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ドガは 家族かぞく友達ともだちにかくだけでなく
仕事しごとをしているパリのまちの人たちを かきたいと思いました。


だから 
つかれたかお

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ワインのびんをにぎりながら
あくびをしているところもかいたのです。

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こういう
ほんとはみんな きでしょう。

ほら、あの子もにいったみたい!

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Honoré Daumier(1808 - 1879)
La Blanchisseuse
Vers 1863
オノレ・ドーミエ
洗濯をする女 1863

Edgar Degas (1834-1917)
Repasseuses 1884-1886
Huile sur toile
エドガー・ドガ(1834-1917)
アイロンをかける女たち 1884-1886

家族や友人を描くことが多かったドガは、職人やアイロン職人の工房などの世界にも関心を持っていた。1869年から1895年にかけて、洗濯女を描いたのはドーミエだけだった。
ドガは、光に照らされリネンの白さを際立たせる孤立した人物像でこのテーマに取り組んだ。そして1884年から1886年にかけてこの主題に没頭した。
このシリーズの中で、ドガはほとんど同じ構図で、あくびをする姿と勢いよくアイロンをかける姿の4つのバリエーションを制作、オルセー美術館の作品は、この構図の3番目のバリエーションである。
この主題の選択は、絵画と文学の両分野において、同時代の画家たちが抱いていた自然主義的、社会的関心と呼応している。1877年に出版されたゾラの『L'Assommoir』には、ジェルヴェーズの洗濯場が描かれ、パリの人々の生活の厳しさを率直に描いた。ドガの描く2人のアイロン職人は、仕事の最中で疲れ果てているが、この画家の労働者階級に対する妥協のない、しかし優しい見方を示している。
ドガは、素直な見たままの表現で、はかない日常の動きを捉えようとした。油絵具は、下塗りされていない目の粗いキャンバスに塗られ、粒状で凹凸のある表面を作り出している。厚みのある不均一なテクスチャーを作り出し、絵の具の下でところどころ感じられるリネンの茶色が、パステルカラーを躍動させるのに役立っている。このテーマとその扱いは、青の時代の若きピカソに大きな足跡を残すことになる。musée d’orsay

EDGAR DEGAS 1834-1917
La Repasseuse 1869
Fusain, craie blanche et pastel sur papier beige
アイロンをかけるひとりの女 1869

ベージュの紙に木炭、白チョーク、パステル画

ドガは、パステル、木炭、白チョークを組み合わせて、このアイロンをかける女の肖像画を正確に描いた。線は生き生きとして正確でとても緻密である。腕は黒で強調され右手首の緊張が手に取るようにわかる。

このパステル画で、ドガは初めてアイロン職人という現代的な主題を扱った。
彼はモデルを理想化することなく、仕事の世界を鋭く観察した。このテーマはゾラの自然主義に通じるものだった。パステルを生々しく使い、余ったベージュの紙を利用して、木炭と白のチョークでアイロン職人のモデルを描き、若い労働者のたくましさを表現した。

musée d’orsay 

衣服や背景、肌には、時には薄く時にはクロスハッチでパステルの白色が描かれています。白がどのように塗られているか観察してみましょう。これにはどのような効果があるでしょう。

(参考)ドガに影響を受けたピカソ、青の時代「アイロンをかける女」著作権で掲載はできませんが以下サイトからご覧ください。

お読みいただきありがとうございました。
愛着のある出身地パリの生活を描きたかったドガ。友人マネとも競い合うようにしてパリの日常を描いていきました。アトリエでポーズをとって制作された作品に、生活から切り取られた場面のような自発性を吹き込もうとしたのです。
過酷な労働の絵ですがお子様たちには人気の絵で、なんであくびしてるの?と言う声が聞こえるようですね。

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