子供のためのオルセー美術館(35)日傘をさして描く/モネ
ためしてみるよ、風景の絵に
あ、あれはジャン 「こっちだよー」
あの麦わらぼうし
いつもの オレンジのリボンつき
マダムの日傘は、ブルーグレー
ひなげしの花の赤いの、ジャンはもう取ったんだね。
このまえのお休みは
近くの丘の上で みどりの日傘だったの。
ずっと長いこと待ってたら、
緑の傘からお日様のひかりが、いっしゅん
通りすぎた。
風だ!
青いリボンが 飛んでいきそう。
傘をちゃんと持って!
お日様と雲がかわりばんこにくる。
空も草もドレスも ダンスしてるみたい。
いそいで描かなくちゃ!
Claude Monet
Essai de figure en plein-air, vers la droite
Essai de figure en plein-air, vers la gauche 1886
クロード・モネ
戸外の人物習作・左向き
戸外の人物習作・右向き 1886
お読みいただきありがとうございました。
この大胆な2枚の絵のフレーミングは、モデルは堤防の上に、画家は下から描き、空に向かってモデルを切り取るような配置になり、その効果でシュザンヌは雲の空に浮かび上がっているように見えます。
モネは、2枚の絵の右向きの肖像画(傘を手に持って日に向かっている方)から描き始めたと言われています。
強い風、動く雲やドレス、光の交差、モネの好んだ抜群の環境の中で人物画と風景画の融合をめざし格闘した実験だったのです。
モネの生きている当時は、展示することも拒んだと言うのですからこの絵に満足できなかったのでしょうか。
それでもこの作品は現在オルセー美術館の中でも珠玉の作品の一つになっています。
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