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カルチャーコラム100連発

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#アリストテレス

アリストテレス『ニコマコス倫理学』高田三郎訳、第一巻第一章1094aについて③

※出典や諸注意については以下の記事を参照してください。

前段では目的というカテゴリーが規定された。それを前提としつつ、活動と目的との関係を検討しよう。

活動は複数ある。さらに、諸活動の目的も複数ある。

アリストテレスは活動の複数性を示しつつ、目的を活動のメタレベルに位置づけている。目的もまた、活動に応じて複数ある。では、諸活動・諸目的の関係はどうなっているのだろうか。

アリストテレスは以下

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アリストテレス『ニコマコス倫理学』高田三郎訳、第一巻第一章1094aについて②

※出典や諸注意については以下の記事を参照してください。

さて、本節では、あらゆる実践が善を希求しているという仮定のもとで、カテゴリー(要は種類)としての目的が探究される。

アリストテレスによると、諸目的のあいだには、カテゴリーの違いがある。それは、活動が目的である場合と、成果が目的である場合だ。

後者の場合、活動より成果のほうが善い。なぜなら、われわれはあらゆる実践が善を希求していると前提し

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アリストテレス『ニコマコス倫理学』高田三郎訳、第一巻第一章1094aについて①

本記事はギリシア語の原文(例えば、I. Bywater の校訂本)を参照したものではない。

つまり、文庫の邦訳を読んだ個人の理解にすぎない。本記事は『ニコマコス倫理学』を紹介する趣旨のため、ご容赦願いたい。

アリストテレスはあらゆる実践が善を希求していると主張する。

かれの評価では、それゆえ万物が善を希求するという、先行する解明が見事だと言われる。

アリストテレスはこうして、実践の条件を示

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