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フィン・ユールとデンマーク椅子展

東京都美術館で行われていた展覧会に行ってきました。展覧会の期日が終了日間際に行ったのでチケット販売まで30分ほど並びました。さらに会場内の家具図を見るにも数分かかるので、後ろで流れるように見て終わりました。
残念ですが、家具メーカーの展示にて体験はするようにします。

フィン・ユールはデンマークの建築家であり、家具デザイナーでありますが当時の伝統的デザインとは逸脱するフィンユールの家具は受け入れらなかったそうです。
 その曲線美は、当時の技術では家具職人にとって大変難しく、フィン・ユールの場合もある家具職人の出会いが家具デザインを世に送り出すきっかけになったそうです。当時の家具は100万ぐらいの値段はしたのですが、その値段を高いと思いますか?
 現代では高いと思われがちですが、20世紀初頭は、一度家具を買えば一生ものですし、代々家に家具も後世に伝わっていくものであったので、今の消費をしてしまう家具とは異なる考えのもと購入されてました。
 フィン・ユールが契約を結んだアメリアの家具メーカー、ベーカーの家具の事も、noteイームズの欄に書きましたが、1脚100万円くらいするものは当たり前の世界だったのです。
 作品とプロダクトの違いでありますが、なぜ、今またフィンユールが注目されているかというと3Dの木の切り出しが今はコンピューター制御できる事もあり、曲線美のデザインが当たり前として受け入れられる世の中になったからです。

代表作は下記になります。

No45と名付けられているこの作品はシンプルでありながら木とファブリックのバランスが絶妙です。北欧では多くの冬の時間を室内で過ごさなければならず、他のヨーロッパ諸国に比べて家具の仕様頻度も高いうえ森林地帯に恵まれているため、豊富な木材を手に入れる事ができました。この作品の無垢材の切り出しのアームの部分はそういった土地柄と伝統的な考え方をデザインに昇華したものになります。

もう一つ紹介したい作品は私の好きなデザイナーのハンス・ウェグナーになります。

見た目は少し特徴のあるデザインですが、会場に実物があり、座ってみるとその心地よさから15分くらい時間を使っていました。独特なフォルムのアームは一見逆に肘の置き場所として邪魔になるのではとの疑問をわかせますが、人体工学に基づいての設計を心がけていた彼らは絶妙な形状で体に這わせられるようにしています。

以前柳宗理さんが家具デザインにするにおいて椅子は必ず1/1スケールの図面を言われました。そしてモックアップの必要性です。ベットの次に長期間人の体に触れている椅子はそのようなデザイナーの思考錯誤の上、世の中に提供されている事を知ってほしいです。

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