見出し画像

アノニム-anonyme- オークションの裏で

原田マハ著 角川文庫 2020年

香港のオークション「サザビーズ」を舞台にしたオークショニアの攻防を交えながら、抽象表現主義の先駆者であるジャクソンポロックの作品を基軸に、アートワークマーケットの裏を描いた作品になっています。
 最近画商から展覧会に出展しないかとお誘いを頂きました。出展にも費用がかかるし、その出展のためにも色々とコストがかかります。中世から画家という職業はパトロンがいたからこそ生きていけた職業であるが、その代わり、パトロン(当時は貴族や商業的に成功していた富豪)のメッセージを絵画に織り込んで相手に暗号のように送ることを行い、絵画などは写真がない時代の情報伝達の一つの手法として用いていたところがありました。
 この本の中では芸術の世界で生きていこうとして困窮し、贋作作成に手を染めてしまった芸術家のその心境とその天部の才能を引き継いだ息子の芸術への意欲的な取り組みの姿勢が書かれており共感できるところが多数ありました。
 今私はテクノロジー犯罪という手法のストーカー行為を受けており、その犯人たちは私が提案した建築の作品自体に対して創造権と著作権及び人格権侵害を平気で言ってくるし、またそういった盗作行為を行う人達がいる。私はそういった人達を略奪者と呼んでいるけども、今、日本では創造者はあまり育つ事が出来ないのは、この略奪者が台頭してしまっているからだと思います。
 ある俳優はその事柄を「国力が低下するだけだ」と批判していたが、その者たちに狙われてしまったのか、自殺を遂げてしまいました。影でひたひたと行われているその悪事をいったいいつ終わらせてくれるのか、アニノムがいてくれたらと密に期待してしまう毎日であります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?