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【パロディ】東海道中膝栗毛_初編(5/8)

飯盛女めしもりおんな代を節約するため父子おやこごっこを始めた弥次・北でしたが、やはり女の子と寝られないのは寂しく、戸塚に宿泊した一夜限りで、この遊びはやめることにしました。

朝が来ると二人は軽い食事を済ませ、旅支度を整えると、道中、一文をねだる物乞いに間違えて四文銭を投げ渡したり、火のついた団子を食べてやけどをしたり、江の島までの道を尋ねる人に道案内をして逆に混乱させたり、こっそりガイドブックを見ながら駕籠舁かごかきに知ったかぶりをしたり、(僕だけかもしれませんが) わけの分からないなぞなぞの出し合いっこをしたりしながら小田原宿に差し掛かりました。

おいおい、随分たくさんのイベントを省略したな、と思われたことでしょう。
それには、こんな理由があるのです。

先日、僕は、あとどれくらいでこの “【パロディ】東海道中膝栗毛_初編” を書き終えられるか計算してみました。
すると、どうしたことでしょう。このままいくと、次回イタリアへ渡航するまでに書き終えられないかもしれないのです。

えっ? お前は食客なんだから、時間なんか掃いて捨てるほどあるだろ、と思われたでしょうか。

おっしゃることはごもっともなのですが、今、僕にはバイトを除いて、3つ、やらなければならないことがあります。
世を忍ぶ仮の姿として、穀潰ごくつぶしを装ってはいますが、実はそれなりに将来について考えているのです。

何を考えているのかはさておき、その3つのうちの1つである "ネットや本でマフィアについての文献を読み漁り、歴史的背景を踏まえて自らの見解を流暢なイタリア語で語れるようにする" というのを実現するのに、膨大な時間がかかりそうなのです。

これは愚痴ですが、ここ数日noteそっちのけで頑張ってみたものの、進み具合が芳しくありません。
しかしながら、今から3か月後の5月末までに、なんとか形にしておきたいのです。

そこで僕は思いました。
“【パロディ】東海道中膝栗毛_初編” を、いったん脇に置いておこう。

とはいえ、初編半ばの中途半端な状態で放っておくのは、僕の主義に反します。
そんなわけで、途中端折りまくってメインイベントだけを書き、初編完結、とすることにしたのでした。

Done is better than perfect. by Zuckerberg

あぁ、なんということでしょう。本編と全く関係のない話をしているうちに、すでに1,000文字に達しようとしています。
“書く” という行為は、とても楽しいもの。ですから、何も考えずに書き連ねていると、いつの間にか膨大な量になってしまうのです。

本編と全く関係ないついでに、今回の物語は第2パラグラフまでで終わることにして、僕が小学生のときの話をしたいと思います。

希望に胸を膨らませて一年生になった僕は、生活(理科分野に限る)と国語が大好きでした。

ある日のこと、生活の授業で “チューリップを描いてみよう” という回がありました。
そこで、純真無垢な僕は、あぁ先生こいつ、生徒が花の造りを理解しているかどうか試してるんだな、と直感し、旺盛なサービス精神を発揮して、典型的なチューリップを描いた横に雄しべと雌しべを図解してやったのです。加えて、科学技術の更なる発展を願い、花びらを青に塗ったのでした。
しかし、それを見た先生は言いました。
「青いチューリップなんか、どこで見たの? 描き直してください」

その後、時は緩やかに流れ、初めての夏休み。読書感想文の宿題が出ました。他にも様々な宿題が出たような気がしないでもないですが、僕がやったのは読書感想文だけだったのです。
本のタイトル・著者・出版社が載ったリストが渡され、その中から一冊を選んで読み、原稿用紙2枚以内で感想を書くように、とのことでした。
僕はリストになかった『宝島』(スティーヴンソン) の感想文を原稿用紙10枚程にしたため、夏休み明けに提出したのでした。
すると、先生は言いました。
「この本は課題図書じゃないし、原稿用紙2枚以内って言ったでしょ。書き直してください」

やっぱりね。
そう思った僕は、翌日、

『〇〇〇〇』を読んで
      中西直己
 つまんなかった。

...と書き殴った原稿用紙1枚を提出しました。先生は怒りましたが、
「言われた通り、リストに載ってる本の感想を原稿用紙2枚以内で書いただろ」と言うと、それ以上咎められることも、親を呼ばれることもありませんでした。

集団への教育において、個人の自由が尊重されないことは重々理解しています。また、青いチューリップや規定外の作文に0点をつけられることに異存はありません。
でも、ちょっとだけ... ちょっとだけでいいから理解を示してくれていたら、僕は学校を嫌いにならずに済んだような気がするのです。
もし学校を嫌いにならなかったら... 歴史とか、古典とか、贅沢を言えば英語なんかも、もう少しちゃんと勉強していたかもしれないのに。

いま読もうとしている本...どれもこれもことごとく2行同時読みができねぇ。
学校教育なんて大嫌いだ。