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【随想】小説『リバース』湊 かなえ

リバース
恐る恐る読む。
湊かなえは、『告白』以来。
あの衝撃度と後味の悪さは忘れられない。
おいそれとは手が出せない。
2015年、今から8年前の作品だ。
作者にとっては、18作目。
やたらと食べ物や飲み物の描写が細かい。
そして、必要なのか?と思われる何気ない会話や、
たまに垣間見えるちょっとした心理描写(あまり深堀しない)が、非常に不気味な作品であった。
全体から感じる事件への興味関心、緊迫感のなさ、登場人物たちの言動の軽さ、それでいて、ハートフルな他者理解による人の立体感を描こうとする、そのちぐはぐさも含めて不気味であった。
そうだ。
この乾いた文章、薄気味悪さ、恐ろしさが日本の昔話(山姥)を読むような、これこそ湊かなえであったなと思い出した。


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