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よく文化人が痕跡を残す街がある。鎌倉市などもそうなのだが、小津安二郎の東京物語に魅せられて、尾道に何度も行ってみたが
1人、小津安二郎だけでなく、小説家林芙美子、詩人小野十三郎、歌人中村憲吉、志賀直哉、近年では映画監督大林宣彦(敬称略)が出身であったり、住居を構えたり、この街を舞台にした作品を発表しておられる。
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林芙美子の”放浪記”の一節。青春時代を過ごした尾道への熱い愛着が景色の表現の中で、静かに浮かび上がってくるようだ
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すぐそばの海と、低いが結構斜度の高い山が街を囲う、対岸には向島が手が届きそうなところにある。
海よりのボードウォークはセランガンバツ製。とにかく、尾道は街の風情が、心地よいから、人工物で作ってほしくないとこだから、ハードウッドとして、耐久性が低かろうと、
正しい選択だとおもうわけだ。
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向島への渡船乗り場が、何か所かあったが、この渡船というアナクロに見える交通手段も、思いを顧みすれば、人間的営みのすばらしさと思えてくる。
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思い出は風景と共にあるのだろう。その場所での人間たちの生活、ゆっくりゆっくり姿を変えていくが、気が付かないほどの変化。
人工的に計画されすぎていない、都市計画。海の色、樹木の色、木々の擦れ合う音、海風の音、汽車からみる夜景。
景色のなかに、情感から思いめぐらせられる”もの”があるんじゃないだろうか?
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