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カメラ沼の浅瀬にいると思ったら百万円を突っ込んでいた件 1/2

なんということでしょう。

いや、趣味に百万円以上費やすというのは社会人としてはよくある話、というか学生にだってある話なので驚く話じゃない。
何なら自分が学生の時からメインの趣味である手品だって、それ以上の金額なのだ。別に総額に驚いているわけではない。

ただ、たった一年半でここまで沼にハマり、時間も金もかけてしまったのが予想外だった。

始めはただ欲しかった

ちゃんとしたカメラ、そしてちゃんとした画質が欲しかった。

少ないながらも学生の時とは比べ物にならないほどの収入を得られるようになってから、色んなものが買えるようになった。飯屋で一品追加できるし、服も靴も色々揃えることができた。貯金もできた。車も買った。

車を買った当初、車中泊込みの旅行に少しハマり、GWを利用して中部地方をぐるり一周旅をした。下道を走りながら、時間の許す限り寄り道をして。思い付きで黒部ダムに行ったり。富山の立山山脈に感動したり。
その中でも初めて富士山をちゃんと見たのは忘れられない。どんな風景でも富士山がいれば印象的になる。富嶽三十六景とはこのことか、と感心した。

そして本栖湖で雲が晴れるまで待ち、撮影した写真がコチラ。iPhoneXRだったと思う。

今思えばiPhoneで撮ったと思えばちゃんとしていると感じるが、その当時の自分は「いや本物はもっとスゴくて…」と不満たらたらだった。
それでも自分の体験を思い返したくてPCのデスクトップ画像に設定していたのだが、更に粗が見つかるようになった。
ピントの粗さ、色の平坦さ、平面的、諸々。
何もかも気に入らず、モヤモヤしたまま半年が過ぎた。

そして、11月のAmazonのセール日。ターニングポイントは間違いなくこの日だった。
淡い期待を抱いてカメラを探してみたら、FUJIFILMのX-A5レンズキットが4万円を切っていた。その外観も値段も丁度よく、評判も悪くない。「よし、買っちゃえ」と一念発起し購入したのだった。
…この時、4万円という金額にビビっていたものの、「これでハイエンドなスマホを買わなくてもいいし」「5年間は使えるし」「自撮りもできるし」「手品の動画撮影が捗るし」という理由を考えてぽちったのは今でも覚えている。尚、このカメラは既に売却済みである。

初めてのレンズ交換式カメラということで、何か被写体はないか探した結果、目についたのは鉄塔だった。

当時は露出も自動でWBもよく分からないまま背面ディスプレイに綺麗に映るように設定し、日が落ちるまで撮影した。
今見るとゴリゴリに編集したような色合いであるが、正真正銘JPG撮って出しである。WBをかなり弄っているのでSOOCと言うには苦しいが。

他のレンズが欲しくなる

しばらくはXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZで満足していたのだが、望遠域にも手を出したくなってきた。丁度SNSで月を大きく映しながら主題の何か(スカイツリーや城)を撮ることで非日常感を演出するのが話題になっていたのだ。
そこで目を付けたのがXC50-230MMF4.5-6.7 OIS II。FUJIFILMの廉価望遠ズームであり、よく映ると評判のレンズである。
新品で3万円。カメラ本体に近い金額に手が震える。
しかもこれで安い方だという。なんだ?破産させる気か???
…等と思いながら購入し、試写したのが下の写真である。

更に言うと、本当は月をもっと大きく撮影したかったのだ。
が、これ以上の焦点距離を求めると予算が足りないので月を副題にする風景写真は一旦諦めた。当時は。

ファインダーを覗きたくなる

X-A5はファインダーが存在しない。それはスマホから入った自分にとっては違和感もなく使用していたのだ。
ただ、ある日を境にファインダーが欲しくなり、結果としてX-T4を買うことになる。

勤め先の先輩がカメラを持っており、サブカメラを会社に置きっぱなしにしていた。
「これは仕事用に使っているけど、転入者の記念撮影に使ってもいいよ」というもので、確かEOS 70Dだったと思う。

それを使ってみたのだ。
そして知った。ファインダーの楽しさを。

撮影に集中できる、日中でも撮影し易い、等という機能面とは別に、ファインダーを覗いて撮る行為が楽しくて仕方なかった。新体験であった。

その瞬間、FUJIFILMのカメラをもう一台購入する決心がついてしまった。
ちゃんとしたファインダー付きのものを買おう。さあ何を買おう。

カメラを始めて4ヶ月で二台目を買う

新しいものを買うと、ネットで商品の評判を知りたくなる。あるある。
特にカメラは各メーカーの特色があり、自分の派閥を知るのは必要なのだ。
ということでFUJIFILMについて調べていると、ギズモード・ジャパンの動画が目についた。

ほう、レンジファインダー!チタン外装!HiddenLCD!
そして偏屈なカメラ好きが持っていそうな思想に触れ、「いいな」と思った。
これは""買い""かもしれない。

家電量販店に行き、X-pro3を触った。
が、そのまま購入、とはいかなかった。理性が勝った。
自分は動画撮影もするのだが、この機種では自撮りができない。HDMI出力もないし、4K30pまでしかカバーできない。
それはX-A5でもいいのではないか?と思ったが、こいつは4K15pなのだ。なんだ15pって。それなら4Kつけなくていいよ。
X-pro3は20万円もするのだ。今後を考えて動画機能は充実したものを買いたい。
ということで、他メーカー含めて購入検討することになった。

動画はSONY、Canonが秀でていると知り、機種を調べてみた。
しかし、他メーカーに対して外観が気になって仕方がない。
FUJIFILMのレトロな、The・カメラ然とした見た目に慣れてしまい、他のカメラを受け付けなくなってしまったのだ(余談だがこの拒否反応はすぐに解消される)。
やっぱ格好いいカメラが欲しいな。
OM-Dのカメラにも心惹かれたが、動画撮影の点から除外した。
もう外観は諦める?それならα7IIIもいいな、フルサイズ機デビューしちゃう?でもチルト液晶だしな…
バリアングル液晶が多いCanonの何かを買おうかな、え?EF-M?EF-S?RF?分からない…

そうして散々迷った。仕事中にもカメラのことを考えてしまい、もはや買うしか沼から抜け出す方法はないとまで思った。
で、結局X-T4を購入した。

動画撮影用の周辺機器を揃える

X-T4を購入してから、動画撮影がより一層捗った。
X-A5も綺麗に撮影できるのだが、X-T4はフィルムシミュレーションが豊富というのもあって、撮影意欲がぐんと増した。
で、動画撮影をするうちに他のことが気になってきた。

そう、周辺機器が足りないのだ。

三脚が欲しい。
ISOを低く、かつ被写界深度を深くしたいので照明が欲しい。
スタビライザーが欲しい。
ビデオマイクが欲しい。
あと、撮影に使えるテーブルと椅子も。

結局全部買った。後悔はない。
これは手品趣味の一部だから、10年は使えるから、レンズより安いから…といろんな理由をつけて購入した。
今振り返ると、レンズを買うよりもこれらの機材を買う方が明らかに映像のクオリティが上がるので""正解""なのだろうな、と思う。
…実際今よりも遥かにマシである。

X-T4で一時の安寧を得た

X-T4とXF-16-80mmF4を購入し、近場の撮影スポットに赴くようになった。


また、マジックアワーを狙って自転車で近所を散策するようにもなった。

旅行の際は必ずカメラを首からぶら下げるようになった。

夢中でシャッターを切った。構図もよく分からないまま感性に任せて撮影した。
撮影体験がただただ楽しかった。

本当に楽しかった。
だから余計なことを考えた。

「他メーカーのカメラも触ってみたい」

次回!多マウント編!


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