見出し画像

とりあえず、『檸檬』風味。

それで問題なく事足りるのだが、どうもパソコンに向かって調べるだけの調べ物は苦しい。足りているのに、なんだか滅入る。

歩かなければ……

隣の駅まで、調べ物に出かける。


戻った暑さと日焼けに怯えつつ、歩いて、歩いて、目的の書店に入る。数冊拾い読みをして、外に出る。

外の空気と、実態のある本に触れて(余計な本も見て)幾分スッとしたが、もう少し歩きたい。

いつもと違う、裏通りへと向かう。

なんだか梶井基次郎の『檸檬』のような気分だ。

 何故だかその頃私は見すぼらしくて美しいものに強くひきつけられたのを覚えている。風景にしても壊れかかった街だとか、その街にしてもよそよそしい表通りよりもどこか親しみのある、汚い洗濯物が干してあったりがらくたが転がしてあったりむさくるしい部屋が覗のぞいていたりする裏通りが好きであった。

梶井基次郎『檸檬』

昼の裏道を歩き進む。

ピークを過ぎた感があるくすんだ商店街にさしかかる。

おや?

色褪せて、可愛さ増し増し!


オリエンタル坊やだ。

グッズ販売は今もしているようだけれど、この味わい深い感じに出会えたのはうれしい。

歩けばあたる、オリエンタル。


さらに歩く。

工場(謎の蒸気が噴出していた)のわきを抜けると、公園らしい木々が見えてきた。立ち寄ってみる。

ん? 木陰で休むキャラバン??


くたびれ切った公園アニマル。

ラクダの顔が意外と穏やか


誰が遊ぶの?感が溢れていて、哀愁が漂う。
そして、ラクダ……
またもやオリエンタル……


思いがけないオリエンタル散歩を終え、帰宅する。

部屋の中には、乱雑に積み上げられた本……

――なんという呪われたことだ。手の筋肉に疲労が残っている。私は憂鬱になってしまって、自分が抜いたまま積み重ねた本の群を眺めていた。

梶井基次郎『檸檬』

そうか……

片付かないのは、呪われて……



いるわけではない。ただの怠慢だ。


とりあえず『檸檬』風味を出してみたが、なんのことはない、ニ次面に向けての資料集めと片付け途中の本棚の話である。

くだらなーっ! と、檸檬爆弾を仕掛けるのは、ご勘弁をーっ!(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?