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真実は知るべき?【花束は毒】

花束は毒 織守きょうや

今まで読んだ本の中で、これほど最後に恐怖を感じ、誰かに話したくなった本はほかにありません。

メインの登場人物は3人。
法学部在学中で、法律家の家に生まれた大学生男子、木瀬。
木瀬の元家庭教師で、当時医学部生、現在インテリアショップ勤務男性、真壁。
木瀬の中学時代の先輩で、現在探偵の女性、北見。

結婚を控える真壁の元に、「結婚をやめろ」という内容の手紙が匿名で届いていることを知った木瀬が、北見に調査を依頼。犯人は誰で、動機は何なのか。
そして、すべての真実を知るべきか否か。

Instagramの読書好きの方のおすすめを見て、この本を知りました。
ミステリーなら読みやすそうだし、表紙も素敵だなという、本当に軽い気持ちで読み始めました。

当時は単行本しかなかったのですが、単行本で293ページ。すごく長いわけでも、短いわけでもないという印象です。

何日かに分けて読み進める予定でしたが、読み始めると止まらない。もう読むのをやめて寝よう、と思っても続きが気になって眠れない、という状態に陥りました。夜更かし決定、待ったなしです。

はじめから最後までの読みやすさと展開の速さが、つい一気読みしてしまう要因なのかなと感じました。

そして、私が最も恐怖に感じたラストは、本当に震えました。
ひとりで抱えきれず、家族や友人に「すぐ読み終わるから、一刻も早くこの本読んで!」と連絡してしまったほどです。

おそらく読んだ方みなさんが、完全に本の世界に没入して、他人のこと(しかも本。)なのに尋常ではない葛藤と、自分ならどうするべきかと頭を悩ませる悩んはずです。

実際にありえない話ではないと感じさせるリアリティ感。どうやったら思いつくのだろうと、作者さん本人にお伺いしてみたいと思いました。

そして、お名前から勝手に男性だと思っていた作者さんは、なんと女性でした。元弁護士という肩書きを知って、なるほどと、とてもしっくりきました。

真実がどんな内容だったとしても、知った方が幸せになれるのでしょうか…。

この本を読んでから4ヶ月経った現在も、ふとした時に考えてしまいます。

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