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小説『廃市〜望郷篇〜』

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ある日、突然、しがない一人暮らしの中年男のところに届いた、山岳地方の高原リゾートからのパーティへの招待状。そこには数年前に失踪した妻の書いた「ぜひおいで下さい。お会い出来るのを楽…
この作品は、20年前の執筆。某幻〇舎の編集者の依頼で執筆したものなのだが、途中、シオザワが勤め先を…
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記事一覧

小説『廃市』 第九章 夢屋

静寂が病室に戻った。薬が切れたのか、もう手足は自由に動くようになっていた。ベッドのマット…

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塩澤幸登
3年前

第一章 出発〜霧の街から〜

それは、長い雨が降り続き、異常寒気や熱波や、世界中で天候の異変ばかりが続く、二十一世紀も…

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塩澤幸登
3年前

第二章 深夜急行〜荒野へ〜

深夜出発の急行列車は彼の住む町から地下鉄で十五分の中央北駅が始発駅だった。誰一人見送って…

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塩澤幸登
3年前
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第三章 選択〜普通の町で〜

その町の駅前はロータリーになっていて、市内を走り回るバスの停留所やタクシー乗り場があり、…

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塩澤幸登
3年前
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第四章 未来〜過去の結果〜

彼は混乱していた。 彼は自分が立ちいたった状況に当惑しながら、それでもやむを得ない事の成…

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塩澤幸登
3年前
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第五章 幻視 死者との邂逅

駅の待合い室は人間たちでごった返していた。それは彼らと同じように、今からどこかに出発する…

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塩澤幸登
3年前

第六章 松風〜記憶のシティ〜

ここは、フレデリックス・バートでもマリエンバードでもなく、バーデンサルサでもなかった。彼の目的地である【シティ】だった。ホテルのロビーに足を踏み入れて、彼を一番に驚かせたのは、エントランス、レセプション、ロビーと一階の玄関に続くフロアのいたるところにベタベタと貼られた畳一畳分ほどもある大きさの巨大なポスターだった。おなじ絵柄のポスターが連続横並びで、何枚も貼られていて、そこにはなまめかしく髪を振り乱して身体をくねらせて踊るエリカと、もうひとり、これも長い髪の、彼がどこかであっ

¥570

小説『廃市』 第七章 因縁〜星空のドーム〜

十年の経過の中で、松波涼子はただの若い娘から美しい女盛りの成熟した女に成長していた。全体…

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塩澤幸登
3年前

小説『廃市』 第八章 経緯〜特別診察室〜

[記憶のカフェ]の地下のコンクリート打ちっ放しの巨大な空間の片隅に、彼は一人、取り残され…

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塩澤幸登
3年前