台湾産ワクチンを打つ話-予約編-追記あり

※この記事は台湾在住日本人が台湾産ワクチンを打つことについて書いており、予約をするまでです。

突然のSMS

朝飯屋でTVをぼーっと見ていたら携帯にSMSが届いた。

（COVID-19ワクチンの予約通知。期限内に予約サイトで接種予約してくださいと書いてある。）

ついにきた。ワクチン接種の予約通知である。

世界で一番コロナ対策が成功していると言われている台湾（*1）だが、だからといってワクチンを打たないという選択肢は皆無だ。ウィズコロナ、アフターコロナの世界、そもそもワクチン打たなきゃ日本に帰れない可能性が高い。（もしくは極めて面倒くさいことになると思う）

台湾の場合、ワクチン接種希望者登録をした人間の中から、条件に適合する人間に対して通知が来るシステムだ。しかし現状、ｍRNAワクチンに希望者が集中しているが、絶対数が少ないので希望者全員が打てるわけではない。

今回、接種が受けられるのは高端（メディジェン）製、つまり台湾製のワクチンだ。第二相臨床試験しか通過していないまま緊急承認された製品だ。第一相試験で安全性は確認されているが、多分追跡でデータは取られるんだろうなと思う。

がしかしだ。攻殻機動隊が好きな人間として、こう、分かってくれないだろうか。最先端じゃないのをインストールするワクワク感みたいなもの…あるよね？あるよね？「古い規格でよくやるな」とか、「旧式のナノマシン？」とか「PKF義体…？」と言われたいみたいな感じあるでしょ？ね？ね？

ということで予約

予約プラットフォームに、居留証の番号と健康保険証の番号を入れてログインすると場所と日時を選べるようになっている。

住んでいる区でワクチンが打てる医療機関一覧が出てくるが、住所もグーグルマップへのリンクもないので「右クリックから検索」で近所のクリニックを探す。

時間を選んで予約するを押しておしまい。接種に向かう際に、マスクと身分証を持って来いよと優しいお知らせ。

台湾製ワクチンの問題点

…ということで、ワクチンが打てる運びとなったのだけど、問題がないわけではない。一応、ネットでざっくりとだけど高端の台湾製ワクチンについて色々調べた上で接種を決めている。と言っても記事を書いている2021/08/23に台湾国内での接種が開始されたばかりだし、問題がないわけではない。

1．未知の副反応があるかもしれない

メディジェン製ワクチンは組み換えタンパクワクチンだ。3815人に実施した第二相臨床試験では、主な副反応として、注射部位の痛み（71％）、全身のだるさ（36％）、筋肉痛（28％）、頭痛（22％）…などが挙がっている。mRNAワクチンと違い、発熱はわずかに0.7％なのがありがたい。だが、逆に言えばサンプル数は4000にも満たず、極稀なケースで発症する重篤な副反応が潜んでいるのではないか？という懸念がある。臨床試験の過程では関連性は不明だが、顔面神経麻痺や眼圧異常などが報告されている。

常見副作用－頻率
注射部位疼痛/壓痛－71.2％
痠痛/全身無力 －36％
肌肉痛 －27.6％
頭痛－22.2％
腹瀉－15.1％
注射部位腫脹/硬結－10.5％
噁心/嘔吐－7.7％
注射部位泛紅－4.9％
發燒－0.7％
https://www.edh.tw/article/28233

２．国際承認を得たワクチンではない

まだ日本も台湾もワクチンパスポートの制度が整備されていないが、おそらく接種後の世界では国家間の往来にワクチンパスポートが必要となるだろうと思われる。その際に「本当にワクチン打ってる？本当に効いてるの？」という問題が挙がってくる。そこで国際的な認証を得たワクチンがリストに入って共有されるはずだ。だが台湾はWHOに加盟出来ていないし、台湾産ワクチンが認証されるかどうかもわからない。（いや、極端な話、日台間で相互認証してれば問題ないんだけどさ）

もしかすると日本に行くために１ヶ月ぐらい前にワクチンの予約をして別のワクチンを２回打つ必要があるかもしれない。

３．混ぜて打ってもいいのか分からない

アストラゼネカとmRNAを混ぜて打ったり、間隔を開けて打つと免疫力ががっつり増強されるなんてこともあるみたいだが、その辺の治験は皆無だ。

なんで打つのか？＜追記＞

では、何でリスクを負ってワクチンを打つのか？色々理由はある。

１．重症化したくない

肥満体型なので重症化が懸念される。ダイエットはしないとマズいが、痩せる前に注射でバリアが張れるなら張ったほうが早い。

２．「その時」に備える

父親が80歳を超え、この１～２年で脳梗塞で８回病院に運ばれている。回数の割に症状が軽微なので、ろれつはあまり回らなくなってしまったようだが、それでも介助無し歩けるぐらいには健康だ。だが、そろそろ…という覚悟を決めねばならない時期に来ている。下手するとワクチンパスポート云々以前に「その時」が来てしまう。

では、「その時」に日本に帰って、「感染しました。重症化しました。医療崩壊していて入院できずに死にました」では、周囲に掛ける迷惑が半端ない。ましてや家族は中国語が話せない。誰も私の後始末をしてくれる人が居ない。末っ子が親兄弟より先に死ぬほど不幸なことはない。２発の注射で防げるならやらない理由が皆無だ。

…ということで27日にワクチンを打ったらまた記事を公開する予定です。

*1：ここ数日の新規感染者数は1-4人ぐらい。それもほとんど海外からで、国内新規確認陽性者数は1人とか2人とかいうレベル。