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ある地名の風景

新井薬師に陽のあたる午後    arai

ここは東京中野区にある新井薬師。
西武新宿線にその名の駅があります。

ちょっと聞くと
足立区にある西新井大師と間違いそうになるのですが、
こちらは薬師様、あちらはお大師様(弘法大師空海)をおまつりしています。

どちらも”新井”がつくせいでちょっと紛らわしいですね。

新井薬師は通称で、本当の名は梅照院という真言宗のお寺です。
目の病気や子育てに霊験あらたかなそう。

新井薬師のあたりは中世から新井村だったようです。
この”あらい”は、室町時代に村ができた当時、
新しく共用の井戸を掘ったことにちなむ、というのが定説です。

文字通り新しい井戸のこと・・
薬師様も村の名をとって呼ばれていたわけです。

一方、西新井大師の由来は
境内の西にある井戸が由来になっているそうです。
伝説なのでちょっとマユツバっぽいのですが(笑)

いつの時代か
新しく西側に掘った井戸がお寺の通称になり、
江戸時代にはこれが元で西新井村ができています。

なんと、どちらも井戸が元になっています。

”あらい”という地名は特に珍しくもなく全国にあります。
文字も新井、荒井、新居などなど・・

やはり新しく作った用水や井戸、
元村から分かれて新しく成立した村・・
そんな説明が多いようです。

つまり新井薬師は地名が元、
西新井大師はお寺の名が元になり地名が生まれた・・
ということですね。

立春が過ぎて、なんとなく春らしい陽射しを感じる午後。
境内では骨董市が開かれていました。

(中野区新井)

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