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田舎→東京を夢見る就活生とコロナ

こんにちは、沙耶です。

先日、就職活動のために東京に行きました。

新型コロナウイルスの影響で選考がストップしてしまっていたり、採用活動自体を終えてしまった企業があったり。オンライン面接で選考が進んだ企業もありました。

6月、7月というある一種の節目なのか、対面での選考が一気に増え始めました。私が受けている企業ももれなくそうです。6月上旬はまだ感染者も多かったため、オンラインでも対面の面接でもでもいいですよ、と言ってくださる企業もありました。

しかし、6月下旬になると、一度は来社してほしいと連絡されることが多くなりました。そのため、私は約3か月ぶりに東京に行くことになりました。

アルバイト先と頻繁にアパートを訪れるであろう大家さんに、東京に行くことを伝えました。

家を出る前、就活用のあの重たいバッグに筆箱とスケジュール帳などを入れ、加えて替えのマスクと除菌シートを入れました。

満員電車を避けるため、人が少なそうな電車に乗っていきました。

東京に着き、

3か月前と何ら変わりないことに、

衝撃を受けました。


駅前はたくさんの人が歩いているし、インスタ映えのカフェには行列ができています。間隔を開けないで並んでいたので、なおさら驚きました。

人の少なそうなチェーンのカフェに行くと、マスクもしないまま人と人が向かい合って話をしています。飲み物を飲みながら作業をしている人も、マスクをしていませんでした。壁側に一列に並んだ席と席の間は狭く、座ったら肩が触れ合ってしまいそうなほどでした。換気もあまりされていないようだったので、飲み物を飲んで素早く店を出ました。

お手洗いに行きたい、そう思い、駅ビル一階のところだと人の利用が多そうだったので少し上の階に行きました。すると、女子高生たちが鏡を独占し、マスクを外しておしゃべりをしながら化粧をしているのです。私は彼女たちを見た瞬間、足早に出ました。

駅から企業まで歩いていると、マスクをしていない人もちらほら見かけました。当然のようにたくさん人がいるし、すれ違う時も特に距離をとることなく歩いています。

企業に入ると、小さな会議室に通されました。検温もなく、面接官との距離は机ひとつを挟んだだけ。透明なシールドがあるわけでもなく、面接官はマスクを鼻までずらして話をしていました。そこも換気はされていませんでした。

帰りの電車は、なるべく新宿を避けるルートを選びましたが、選考が終わる時間がちょうど帰宅ラッシュの時間だったというのもあり、ぎゅうぎゅうの満員電車。三密の極み。私の最寄り駅の電車の本数が減り、終電が2時間ほど早まってしまったため、その日のうちに帰るためには乗らざるを得ませんでした。なるべく吊革や手すりにつかまらないように気を付けました。

偶然私の前に座っていた方が下りられたため、席に座ったのですが、今度目の前に来た方が隣のお友達とおしゃべりをはじめました。いくらマスクをしているとはいえ隙間から漏れた飛沫が下へ降りてくることを考え、席に座ったことを後悔しました。

電車に乗っている途中、どうしても飲み物が飲みたくなりました。我慢しましたが、人酔い、電車酔いもありふらふらしてきてしまったので飲むことにしました。手とペットボトルを除菌シートで拭き、人が話していないタイミングを見計らってマスクを外して飲み、除菌シートで手を拭いて素早くマスクを戻し、ペットボトルを片付けました。けれど、隣に座った男子大学生が普通に鞄からペットボトルを取り出して飲み物を飲んでいました。

そうして満員電車に揺られること1時間。乗り換えを繰り返し自宅につきました。ここからが勝負です。素早く手を洗い、スーツを脱ぎ、除菌のスプレーをかけ、洗えるシャツなどはすべて洗濯機に入れて洗濯しました。マスクをそっと外し、ごみ袋に入れて口を縛ります。すぐお風呂に入り、出た後は持ち物すべてを除菌シートで拭いて、風通しの良い場所に置いておきました。そうしてまた念入りに手を洗いました。その日は何か口に入れるのが怖かったので、何も食べずに眠りました。

次の日から毎日体温を測り、滞在時間も含めた行動履歴のメモを残しています。

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大げさだと思いましたか?

けど、これは免罪符のようなものなんです。

ここまで念入りにしたけどかかっちゃったんだよ、という。

田舎は怖いんです。コロナにかかればすぐ村八分にされてしまう。

東京に行っていたというならなおさら。

名前、住んでいる場所、勤務先、家族構成、顔写真、人間関係、SNS、すぐにバレます。

そして拡散されます。落ち度のある行動がひとつでもあれば袋叩きです。

馬鹿者、犯罪者、様々な悪意ある呼び方をされ、非難されるでしょう。

特に私は若い女性ですし、感染して必要以上にたたかれるのは目に見えています。


しかしこういった行動をする中で、思ったことがありました。

コロナ<経済なのだな、と。

なんというんでしょう、コロナにかかっても仕方ない、という認識なのかな。実際、コロナにおびえて自粛するより不況だったり経営不振で人が死ぬ方が重大だって考えなんでしょうね。近所のスーパーにも菌があるかもしれないし、でも見えないし。わかんないからこそ、かかっちゃったらしょうがない。きちんと直そう、みたいな。まああれだけ感染者が出ているから日常になってしまってもおかしくはないのかもしれないけれど。

だってインスタ映えのカフェなんて不要不急でしかないわけじゃないですか。インスタ映えのカフェに行って、写真を撮ってインスタに投稿しても叩かれないということは、不要不急の外出も、都会の人の中では認められているということですもんね。


いまだに田舎では、県内であっても外食している様子や、宅飲みの様子をインスタグラムに投稿すると、「この時期に…信じられない」、「これからの友達付き合いを考えさせてもらう」と言われます。それが怖くて、外でご飯を食べたことを、友達に言えないという子もいます。

また、選考で東京に行くと伝えた結果、アルバイトを2週間休まないといけなかったり、自宅待機期間が終わり、出勤すると、「コロナだ」という言葉を投げかけられたり、避けられたり、シフトを減らされてしまうこともあるそうです。


東京は自粛期間を終え、動き出しています。企業の選考も当然のように始まっています。

人生をかけた就職活動。「コロナだから東京に行きたくない」なんて言っていられません。


感染しても地獄、就活失敗しても地獄。

私たち21卒は、どうしたらよいのでしょうか。