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夫婦の危機を救った一枚のメッセージカード〜Valentine’s Day〜

2021年2月14日の夜に夫からのバレンタインデーのメッセージカードを受け取るまで、私は結婚生活を終わらせようと本気で思っていました。第一子もまだ乳児。第二子の出産を夏に控えている身でありながら、心も身体も限界だったからです。結婚を機に渡米し、身寄りもない土地で生活していますが自分の身だけでなく、我が子たちを守る義務が私にはあるのです。

そんな人生で崖っぷちの岐路にたった(とその時は本気で思っていた)ピンチを救ったのは、その日の夜に夫がくれた一枚のバレンタインデーのカードでした。

あんなに本気で決心していたのに、たった1枚のカードで決意がこんなにも揺らぐもんなんか…と衝撃でしたが、夫婦ってこういうもんなんかもなぁと、とても勉強になった出来事でした。

どんな夫婦であれそれぞれ喧嘩や衝突、意見のすれ違いはあります。

よく言われているのは、

問題解決型の思考の夫に、ただただ共感してほしいだけの妻が

コミュニケーションを取る場合。

大変やったな〜と労いの言葉を待っている妻は「夫は話を聞いてくれてない」と感じ、

問題はどこにあって、解決策はなにや?と考える夫は「妻は回りくどくて何を言っているのかわからない」

とお互いの考え方の癖や違いを認めようとしなければ溝は深まっていくばかり。

私達夫婦も典型的なこのパターン。ただ一つ違うのは私はこの違いを理解しており、そこから一歩踏み込んで夫とのコミュニケーションをどうして取って行けばいいかを模索しまくっていました。

なぜなら、夫は驚くほど頑固、人との交流が決して上手い方ではなく思い込みが激しいタイプ。

過去と他人変えられへん。

ということを痛感している私は、いかに私が成長できるチャンスになるかという視点に切り替えて結婚生活に臨んでいます。この夫に伝わる言い方はどすれば良いか無い知恵を絞るのみです。

ただ、虚しくなるのはこちらが何度も何度も手を変え品を変え、夫に伝わるように努力しても夫自身からも理解しよう、改善していこうという姿勢がみられないこと。

妻であることに加え、私はもうすぐ2児の母になる身です。健全な夫婦関係が築けない以上、私は我が子への影響もとても心配しました。

私から見ても、家族のことより自分自身のことを優先しているようにしか見えない夫の態度に限界だったのです。

夫には一切言わず、新しい生活をどう初めて行けば良いかのリサーチをしまくり、水面下で行政の力を借りたり、専門家に相談を繰り返しました。

今の私の現状でも受け入れてくれる場所をみつけた私は覚悟します。

そこまで、限界で腹をくくっていた私の決心が1枚のカードで思い留まるとは。

そのバレンタインデーのカードには、結婚前によく言ってくれていたことがたくさん書かれていました。夫が考えてくれた直筆ではなく、元々ある文章のものをわざわざ選んでくれていました。

カードを開けた瞬間は「直筆じゃなくて既製品かい!」と思ってしまいました。結婚前から人格が変わったんじゃなかろうか、あの時色々言うてくれてた言葉は嘘やったんか!と日々の結婚生活で思っていたモヤモヤがスッキリ解消。このメッセージのお陰で背景が理解できました。

「カードくらい自分で書かんかい!」と思ったと同時に「こんなんよう見つけたなぁ…」と感心に変わっていきました。

夫はアメリカ人ですが、何人であれ、人それぞれ違うようにマメなタイプではありません。私達は記念日になにかお祝いするタイプでは無かったので、これが初めて貰ったカードでした。しょっちゅうカードをくれるタイプではないので、これが余計に心に効きました。

夫に結婚生活に限界を感じていたと打ち明けて色々聞いてみると、


私が心を砕いて一生懸命努力しくれているのはわかっていたとのこと。


この言葉を聞けて、身体に入っていた全部の力が抜け、心から救われた思いでした。

「なんや、伝わってたんや…私のがんばりも無駄じゃなかったんや…」と少しホッとしました。と、同時に近年稀にみるほど、崩れるように大号泣。そこまで張り詰めていたし、限界だったのは本当でした。

ただ、口で言うのはなんぼでも言えます。本気で思っていれば、行動が伴うはず。夫の動向を注意深く見ていこうと思います。

そして私はこれからも、夫婦共に成長していけるように努力を続けるのみです。

あんなカード一枚で決心が揺らいだのも拍子抜けですが、夫婦っておもろいな…とも思います。縁があって結ばれたと思っているので、少しでもいい方向に導いて進むのみ。

これから何かの折には、このカードを水戸黄門様の印籠の様に振りかざし、頑固な夫の心をほぐす隠し玉にしてやろうと思っています。



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