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【旧姓使用の問題】ハンコの思い出

先日、サインに関連した出来事、「【旧姓使用の問題】中古品の売却で 」 を書いていたら、ハンコに関連したことを思い出したので、書いてみる。

銀行印

進学で独り暮らしを始めるとき、当時の姓「〇〇」の、立派な銀行印を作ってもらった。
就職後、最初のボーナスをもらったときには、将来、実印登録も見越して「〇〇てつろう」というフルネームの印鑑を作った。
それ以降、開設する銀行口座の銀行印には、「〇〇てつろう」の印鑑を使った。

その後、結婚して姓が「××」に変わったので、口座名義人の氏名を変えた。
それは、給与の振込先の名義人が本人と一致しないといけないという、喫緊の問題もあったし、
もし自分に何かあったとき、残された妻の手続きの煩わしさを考えたら、給与口座でなくても、変えることにした。

その際、口座の届け印も印鑑に変更した。
銀行口座の届け印は旧姓のままでも問題ないと言われているが、
手続きによっては、旧姓のハンコが使用できないこともあるらしく、
いずれ、新しい印鑑が必要になりそうであった。

「その時」になって、どの口座の届け印がどの印鑑か、わからなくては妻が困るだろうと思って、名義人氏名と合わせて届け印も変更した。

こうして、進学前に作ってもらった「〇〇」の印も、就職後、作ったばかりの「〇〇てつろう」の印も、お蔵入りした。

女性が銀行印を作るとき、下の名前だけの印を作ることを勧められるとは、聞いてはいたが、こういうことだったのか、身に染みて理解した。

認め印

銀行印とは別に、会社や役所、その他もろもろの手続きのために使っていた、「〇〇」の三文判。こちらも「××」のものを用意することになった。

会社には、「旧姓使用届け」なるものを出していたので、通常の業務では、「〇〇てつろう」と書いていたし、それでハンコが必要な場合は、「〇〇」のハンコが使えた。

しかし、保険や税務など人事関係の手続きでは「××てつろう」と書かなくてはならない。
旧姓届けを使用しているからと言って、通用しなかった。
そして、その場合は、認め印も「〇〇」ではダメで、「××」でなければならなかった。

役所関係では、「××てつろう」と書かなければならないため、「××」のハンコしか使えない。

その他、もろもろの手続きでは、
旧姓で通せるときは、旧姓のハンコ、
現姓を使わなければならないときは、
現姓のハンコを使う。

認め印はいつも二つ持っている。
どちらも同じ形のケースなので、使うときは、いつもどっちだか確認することになる。

ケースに目印を付ければいいだけだが、いちいち姓を使い分けなければならないことを、忘れないために、いつもひと手間かけている。

実印登録

ところで、作って1年も使わずに、お蔵入りとなってしまった「〇〇てつろう」の印。
もったいないので、実印にしようと思った。

婚姻届けを出した、本籍のある役所に行って、手続きをしてみたが、
窓口の人が印影を確認したとき、
「ウン?・・・」と怪訝な顔をした。

複雑な書体だったが、現姓フルネームの「××てつろう」ではないことがわかったらしい。
それで、旧姓であることを話したら、
旧姓が入った印鑑は登録不可だと、拒否された。

旧姓の記載された戸籍のある、役所でそう言われたら、
それ以上、何も言えなかった。

結局、実印を登録する気にはなれず、諦めることにした。

それから10数年経った、去年2019年、政府から旧姓での実印登録の使用できるように都道府県に通知が出た。昨年11月くらいからは旧姓での実印登録もできるなった自治体もでてきたそうだ。

実印として登録できるのは、住民票に記載された氏名に限られるのは、変わらないが、
住民票に旧姓もできるようになったので、
旧姓の記載された戸籍の写しを入手して、住民票のある役所に旧姓を届ければ、
旧姓を使用した印鑑も実印として登録できる、というもの。
相応に手間とお金がかかるため、僕は、まだ手続きしていない。

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「一応、住民票に旧姓併記もできるようになったし、旧姓でも実印が登録できるようになったなら、よかったじゃないか」
なんて思う人もいるかもしれない。

だけど、「旧姓使用の不都合を解消すること」と「選択的夫婦別姓制度」とは、似て非なるものだ。

そのことについては、「最近の旧姓併記の動向について思うこと」に書いてみた。

早くこの国で選択的夫婦別姓が認められますように○3
てつろう拝

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