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【旧姓使用の問題】中古品の売却で
今日、古本と中古家電を売りに行った。
まず、古本を売りに行った1件目では、古本9冊の買い取り価格は80円だった。
査定価格を確認後、本人確認のため顔写真付きの身分証明書を提示して、タブレット端末にスタイラスペンで「〇〇 てつろう」とサインをした。
金額を受け取って、店を出た。
そのあと、中古家電を売りに行った2件目では、故障したポータブルDVDプレイヤーの買い取り価格は100円だった。
査定価格を確認後、1件目と同じように、本人確認のため顔写真付きの身分証明書を提示して、タブレット端末にスタイラスペンで「〇〇 てつろう」とサインをした。
金額を受け取って終わりかと思いきや、店員がタブレットに書かれた僕のサインを見て、身分証明書の姓「××」と違うと言った。
僕は「サインの〇〇は旧姓です」と答えたところ、身分証明書の再提示を求められた。提示した顔写真付きの身分証明書というのは運転免許証だった。
去年2019年12月から、免許証に旧姓を併記できるようになった。
ただし、旧姓を表記した戸籍の写しを入手した上で、市役所で旧姓を表記した住民票の写しを入手し、それを持って免許センターで記載してもらう必要がある。
お金も手間も相応にかかるから、僕はまだ手続きをしていない。
結局、旧姓を証明するものがないということで、旧姓でのサインは拒否され、「ご本人の証明にならないので」と、現姓(=結婚後の姓)「×× てつろう」でのサインを求められた。
僕はこれまでサインするときは、旧姓の「〇〇 てつろう」を書いてきた。
現姓の「×× てつろう」は、ちっとも馴染まないし、そのためサインが嘘くさい。
だから、パスポートもクレジットカードも、名義人は「×× てつろう」だが、サインは「〇〇 てつろう」で通してきた。
サインで本人確認する場合は、サイン付きの証明書を見せることになるから、相手が、サインと名義人の名前が違うことに気づくことがあっても、問題なかった。
実際、名義人と違う名前でサインをするのは、本人以外には勇気のいることだろうから、僕の場合、旧姓でのサインは、本人証明として、とても有効だと思っている。
本人を特定するためのサインなのに、そのサインが本人の書いたものと特定できるような証明書を提示させず、ただ本名と同じ名前であればいいって、いったい何のためのサインなのだろう?
僕が旧姓でのサインにこだわらずに、相手が求めるように現姓でサインしたら、この場は何事もなく済んだと思う。
だけど、僕は現姓「×× てつろう」とサインする気になれず、結局、売却を諦めることにした。
店員は「お客様が嘘をついているとは思っていませんが、規則なので、すみません」と少し申し訳なさそうに言った。
こうして、たかが100円の値がついたジャンク品は、元のカバンにしまわれ、僕は店を出た。
~ * ~ * ~ * ~ * ~
結婚して15年以上経つが、僕はいまだに現姓の使用を強いられるのに、抵抗があって、これまで、できる限り旧姓を使うように、あがいてきた。
どのへんまでは旧姓で通せるか、
ここからは現姓を使わないとダメか、
その辺の使い分けの勘所はつかんでいたつもりだが、
今日はひさびさに、それも思いがけないところで、
アウトになってしまい、ちょっと苛立った。
だけど、僕が苛立ったのは、店員に対してではない。
確かに、店員にはちょっと融通の利かないところはあったけど、その店の規則に則ってちゃんと仕事をしただけだ。
僕が最初、苛立ったのは、「顔写真付きの身分証明書を提示した上に、名義人と同じ名前でサインしなければならない」という、サインの意義がいまいち不明な、その店の手続き・システムだった。
だけど、まぁ、仮に、そのシステムを認めるならば、
今回の場合、パスポートを持っていれば、本人のサインの証明にはなったかもしれない、
あるいは、先に、免許証に旧姓併記の手続きをしていれば、済んだのかもしれない、・・・
とも考えた。
そんなことを考えているうちに、僕はふと気がついた:
「そもそも、なんで結婚したら、
変えたくもないのに、
名前を変えなきゃならないんだ?」
そう、今回の件で僕が本当に苛立ったのは、日本社会におけるサインの意義ではなくて、変えたくもないのに、名前を変えさせられたことだった。
最初から夫婦が別姓を選択できるのなら、いろいろな書類の名義人の名前も変更する必要もなくて、こんなわずらわしいことは起こらない。
もちろん結婚相手の姓に変えたい人は、伝統に従って変えればいい。
だけど、僕みたいに、結婚しても旧姓を使い続けたい人がいて、そんな人にとって、いろいろ厄介な社会だ。
だけど、これは、日本の既婚女性が今でも当たり前のように受け容れさせられていることなんだよな。
旧姓/現姓の使い分けが随分とうまくなって、ここのところ、この違和感を感じることが少なかったけど、今日、どちらかが姓を変えなければならない結婚制度に、改めて苛立ちを感じた。
早くこの国で選択的夫婦別姓が認められますように○3
てつろう拝
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