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最近の旧姓併記の動向について思うこと

「一応、住民票に旧姓併記もできるようになったし、旧姓でも実印が登録できるようになったなら、よかったじゃないか」なんて思う人もいるかもしれない。

確かに、旧姓を使用する不便は、だんだんと軽減されてきているように見える。

だが、「旧姓使用の不都合を解消すること」と、「選択的夫婦別姓制度」とは、似て非なるものだ。

旧姓併記(旧氏の併記)の改正について、総務省のページではこう書かれている。

住民票、マイナンバーカード等へ旧氏(きゅううじ)を併記できるようにするための住民基本台帳法施行令等の一部を改正する政令が平成31年4月17日に公布されました(平成31年11月5日施行。)。この政令改正は、社会において旧姓を使用しながら活動する女性が増加している中、様々な活動の場面で旧姓を使用しやすくなるよう、との累次の閣議決定等を踏まえ行われたものです。
――総務省:「住民票、マイナンバーカード等への旧氏の併記について
(太字強調は、筆者による)

この文章から、改正の背景に、依然として「結婚したら、当然、女性の方が姓を変える」ことがあるのを感じるのは、僕だけだろうか。

この改正を行っている方々は、結婚して姓を変える多くの女性へ配慮はするけど、

そもそも「結婚したら、当然、女性の方が姓を変える」という、男女平等に反する風潮を変える気はないんだよね。

「旧姓使用の不都合を解消していけば、別姓にこだわらなくてもいいんじゃないか」
という人もいるかもしれない。

これについて、ちょっとした思考実験をしてみよう:

ある日、突然、平等の意識が非常に高い国に、日本が占領されたとして、

「そんなに夫婦同姓にこだわるのなら、

 『結婚するときは、ジャンケンで、
  どちらかの姓に決めなければならない』

 ということにしよう!
 なんせ『ジャンケンを超える公平な方法はない』のだから!!」

と占領国から言われたら、おそらく、被占領国、日本の国民は、選択的夫婦別姓制度をもっと真剣に議論すると思わないだろうか。

そのとき、どんなに旧姓使用の不都合が解消されていても、議論されると思わないだろうか。

もし議論されると思うのなら、そこには、「旧姓を使用できること」と「そもそも結婚しても姓を変えなくていいこと」は、本質的に別、ということなんだと思う。

早くこの国で選択的夫婦別姓が認められますように○3
てつろう拝

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