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【東京】東京国立博物館 - 総合文化展 -

8月中旬に上野にある東京国立博物館に行った。
総合文化展は平常展/常設展示のことだ。
キャンパスメンバーになっている大学の学生だと常設展示は無料で、これは大学院生・教員も含まれる。ということで、無料で常設展示見てきた。


東京国立博物館

場所

上野駅から上野公園に向かって歩き、美術館・博物館の並びの一番奥に位置している。行った日は天気が良すぎて、太陽と地面からの照り返しですごい暑かった。

博物館の中はというと、そこまで冷えているわけではなかった。やや涼しい、くらい。人の出入りもあるし、電気代の高騰もあるし、もしかしたらそもそもの展示室の設定温度の基準が高いのかもしれない。数年前の「クールビズ」だと冷房は28度だったから、昨今の気温上昇を考慮すると28度ではとてもじゃないけど適切とはいえないかも(今年の日本が暑すぎなのはあるとして)。

東京国立博物館(外観)©︎筆者

開館時間・料金

開館時間:9:30~17:00
▶︎ 入場は16:30(閉館の30分前)までだ。
▶︎ 午後の仕事が終わってから、大急ぎで向かえば平日でも入場できるだろう。

総合文化展・入場料:一般 1,000円/大学生 500円
▶︎ 2020年から「団体料金」は廃止されている。
▶︎ 高校生及び18歳未満以下は無料。
▶︎ 特別展や企画展は別料金。

特別展はその展示会ごとに料金が異なる。
例えば、2023年9月12日(火) ~ 2023年12月3日(日)に行われる「横尾忠則 寒山百得」展の場合、

一般 1,600円(1,400円)/大学生 1,400円(1,200円)/高校生 1,000円(800円)

(注)( )内は前売料金
(注)中学生以下、障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に学生証、障がい者手帳等をご提示ください。
(注)特別展観覧料で、特別展ご観覧の当日に限り総合文化展もご覧いただけます。

「横尾忠則 寒山百得」展 https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2598

総合文化展

本館のエントランスから入って、正面階段を上がって2階から回るのが大抵のまわり方だろう。

そうすると、まずは2階の日本美術を古代から時代を追って見ていくことになる。

本館フロアマップ:2階
1-1:日本美術のあけぼの―縄文・弥生・古墳
1-2:仏教の興隆―飛鳥・奈良
2:国宝室
3-1:仏教の美術-平安~室町
3-2:宮廷の美術―平安~室町
3-3:禅と水墨画―鎌倉~室町
4:茶の美術
5・6:武士の装い―平安~江戸
7:屛風と襖絵―安土桃山~江戸
8-1:暮らしの調度―安土桃山・江戸
8-2:書画の展開―安土桃山~江戸
9:能と歌舞伎 10:浮世絵と衣装―江戸

本館フロアマップ

正直、きちんと見ようとすると、ここだけで半日はかかる。充実の内容で夏休みシーズンでもあったため人もたくさんいて、賑わっていた。

2階をひと回りして、1階に行くと「モノ」がいっぱいある展示になる。

11:彫刻 12:漆工 13-1:金工 13-2:刀剣 13-3:陶磁 14:特集
15:歴史の記録 16:アイヌと琉球
17:保存と修理 18:近代の美術
19:みどりのライオン 体験コーナー(教育普及スペース)
20:ミュージアムショップ

本館フロアマップ

一番賑わっていた場所はといえば「体験コーナー」だ。

「日本文化」がテーマになっており、「スタンプを重ねて浮世絵に挑戦しよう!」が開催されていた。
私も、子どもたちや外国人観光客と一緒に並び、もれなくやった。
スタンプは5つで基準線に気をつけながら押していくと、「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」が浮かび上がってくるようになっていた。思いの外よくできた。

*筆者作成

夏休みはついつい小学生たちの「自由研究何するか?」を考えてしまうが、
例えば、
この浮世絵スタンプをやって、
・浮世絵の歴史
・浮世絵が完成するまでの過程
をきちんとまとめれば、完璧な自由研究になる。

このことを一緒に博物館を訪れていた女性に伝えると、
「今は「自由研究」は親がやるし、「自由研究キット」を買ってやるもんなのよ。そんな心配してあげんでも大丈夫よ」
と言われた。「自由研究キット」で済ませるとは知らなかった。

感想

夏休みの自由研究に

自由研究の話をするなら、
東京国立博物館のどこかのブースを一つ取り上げて、それを調べ上げる
でも立派な自由研究になる。

例えば、
2階の「3-1:仏教の美術-平安~室町」のスペースに展示してある仏像を全部調べるのだ。仏教の歴史、仏像の歴史、その仏像ができた経緯、仏像を作った人etc.それをまとめるだけで、大研究だ。
実は夏休みの自由研究は一番簡単で楽しい宿題だったのかもしれないと、この歳になって気がつく。もっと早く気がついてれば、もっとできてたかものなぁ〜、小学生の私。笑

博物館の入場料の話

このnoteでは度々、博物館・美術館の入場料の話をしている。
この度、私はキャンパスメンバーに含まれる日本国内の大学に所属しているため、常設展示は無料で入場できる。「ちょっと博物館に行ってきた」と言える(大学、ありがとう)。

一般であれば常設展も1,000円だし、特別展は学生でも1,000円を超える。
そうなると、それなりの心づもりで行かなければいけない場所になる。
最低賃金で1時間働けば常設展に行けるが、諸外国の博物館・美術館が無料で入場できるのに、日本は、、、という気持ちにはなる。

私としては、「心づもりをして行く博物館・美術館」にはなって欲しくない。
「ふらっと散歩中に立ち寄れる場所」であってほしい。

今回、博物館を見て回っていた時に館内の椅子で寝ていた人がいて、友人に「こういう人はどう思うの?」と聞かれたが、それはそれでいいと思うタイプだ。
見てまわれば疲れるし、休憩のための椅子だし。

「今日しか来れないからしっかり見なきゃいけない!勉強しなきゃ!」の気持ちで来るのもいいが、それよりは「また来れるから、今日はここだけ見よう」の気持ちで博物館に行けたらもっといいと思う。

日本が教育や文化発展に資金を投入する国になってほしいことをこの度、改めて思った。奇を衒うような文化芸術ではなく、基本的なこと(国立・公立博物館・美術館・大学の設備、入場料、企画、研究)に資金を持続的に投入することだ。それが数年後、何十年後の国の力につながるんではなかろうか。

そんなことを心配しながら見て回る東京国立博物館だった。おわり。

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