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〈出来事の記録〉コロナと会食と緊急事態宣言

新型コロナウイルスは誰でも感染しうる感染症になっている。

最初の頃は、高齢者が気をつけるようにいわれていた。しかし、成人であれば感染するということがわかり、学校や保育所でもクラスターが発生している。

2020年11月11日の日本小児学会の報告では、「COVID-19患者の中で小児が占める割合は少ないが、感染の拡大に伴ってその割合が増えてきた。」とある。

それすなわち、コロナは年齢に関わらず、誰でも感染しうる感染症で、みんながそれぞれ気をつける必要がある。


年が明け、1月7日(木)、一都三県を対象に緊急事態宣言が行われた。期間は1月8日〜2月7日とされた。その期間に関して尾身会長は以下のように述べていた。

「1か月の間に感染を下火にして『ステージ3』に近づけるためには、具体的で強く効果的な対策を打つこと、国と自治体が一体感をもって明確なメッセージを打ち出すこと、そして、なるべく早く特措法を改正して経済的支援をしっかりと行うこと、そのうえで国民のさらなる協力を得ることの4つの要件が求められる。1か月間で実現するのはそう簡単ではないが、みんなが頑張れば『ステージ3』に行くことは可能だと思う(NHK「緊急事態宣言 尾身会長「具体的で強く効果的な対策打つこと」」)

尾身会長は医学博士の科学者だ。科学者が「頑張れば」としか言えない事態ということだから、1ヶ月で『ステージ3』になる可能性が本当に低いのだろうなと思ってしまう。また、ステージ1〜4があるなかで、頑張ってステージ3だから、どんなことがこれから起こっても、『ステージ3』に近づくことはあるけども、それ以下にはならないのは明らかだ。

今後も厳しい状況は続くことがわかる。本当に厳しい状況だ。



日本医師会の中川会長は1月6日、「緊急事態宣言下において、全国会議員の夜の会食を人数にかかわらず全面自粛してはいかが」と提案した。

中川会長が言うまでもなく、以前から「大人数での会食は控えよう」と呼びかけられていた。


しかし、菅首相と二階幹事長らは12月14日に8人で会食をしていた。政府は「5人以下で」と呼び掛けていたくせに。。。

首相の行動はどの新聞にも出ていて、何時に誰とどこで何をしていたのかはわかるようになっている。例えば、東京新聞だったら「首相の1日」の記事だ。ここからも明らかなように、菅首相は会食が好きなようで、問題視される以前・以後と複数人との会食を行っている。


他の議員も然りだ。橋本聖子五輪相は12月17日にお寿司屋さんで6名と会食していた。自民党の宮腰光寛元沖縄・北方担当相は12月25日に30人規模の懇親会で酒を飲み、転倒し緊急搬送された。徳島県知事は12月16日に同県議ら約20人との会食。この愛知県知事は全国知事会長を務めている方だから話題になった。愛知県西尾市の自民系会派「市民クラブ」の議員14人がコンパニオンも同席した懇親会を開いていたのもあった。


そして、1月6日、与野党は国会議員の会食のルールを作ろうとした。

宣言が発令される東京など1都3県を対象に、人数は4人以下、午後8時以降は控えるよう、衆参両院で申し合わせる見通し。自民党の森山裕、立憲民主党の安住淳両国対委員長が会談し、ルール化を確認した。(東京新聞「国会議員の会食ルール化へ」

これは即刻批判を受け、ルール化は断念されることになった。先に記述した、日本医師会の中川会長の指摘に起因している。中川会長は、国会議員の会食全面自粛の提案とともに「4人以下の会食なら感染しないとお思いなら間違いだ」と物申していた。


どうやら議員は会食なしでは生きていけないようだ。


そして、今週の話題はデヴィ夫人のパーティーだ。

デヴィ・スカルノ氏は2020年の大晦日にホテルでカウントダウンパーティーを開催し、それには90人程度が参加したとのことだ。これだけではなく、2020年には5回のチャリティーイベントを開催していたようだ。

サンデー・ジャポンで彼女は以下のように発言していた。

「私はこういう時期だからこそ、勇気を持って開催したんですね」
「私たちのような人間がこういうことをして、そしてお金が回って、みんなが幸せになるっていうか。やっぱり自粛自粛自粛で全てを止めてしまったらば、本当に経済破綻してしまうと思うんですよ」
私のところのパーティーにいらした方は、みなさん自意識が高い、みなさん緊張感を持って、自覚しています。そして『感染しない・感染させない』っていうのが合言葉になっています」「若い方たちも緊張感を持っていただきたい」
yahoo!「デヴィ夫人「若い方たちも緊張感を持って」 パーティー開催批判され反論の末に」

どうやら、意識が高く、「感染しない・感染させない」が合言葉になっていれば、パーティーをやっても問題ないらしい。

デヴィ・スカルノ氏が「感染者は誰もいない」とテレビで言ってしまうと、参加者たちは感染していても感染したとは言わないだろうなと思った。もし私が参加者で、パーティー参加後に感染していたら必死に隠すだろうな(そんなイベントに参加する人生にはないが)。

そして、最後の最後の極め付けは、「若い方たちにも緊張感を持って」だ。批判されて当然だし、自分たちのパーティーは棚にあげて、若い方たちって、なんなんだと思ってしまう。


さて、ところで、どうだ。

議員の会食にしてもデヴィ・スカルノ氏のパーティーにしても、開催しているは若者じゃなくてご高齢の方々ではないか。「若者が」というが、「アクティブ・シニア」もなかなかの問題ではないか。


しかし、冒頭でも述べたように、もはやコロナ感染に年齢は関係ない。

会食の人数や年齢で「良い」「悪い」と言ってる場合ではない。年末年始や東京五輪などという人間のイベント、人々の仕事の都合、そんなことにウイルスは配慮してくれないのだ。みんながどこかで感染するリスクがあるのだ。


新型コロナウイルスの感染拡大が始まって1年を経過する今、「自分だけはコロナにはならないよ」なんて楽観視なんてできない。してはいけない。デヴィ・スカルノ氏の言葉を借りれば、楽観視している人は「自意識」が低いし、「緊張感を持っていただきたい」ところだ。


2021年1月10日(日)。明日は成人の日だが、インドは祝日ではないため通常営業。明日からバトラーの『ジェンダー・トラブル』を授業で読む。英語で読む前にと思って、日本語版をゲットした。早く読み始めなければと思いながら、デュルケームの『社会学的方法の規準』を読んで一日終わった。

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