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人類学とこんにち。

今日夜に緊急事態宣言は発表され、首相が会見を開いていた。

会見の時の首相はキョロキョロキョロキョロしていて、真っ直ぐカメラを見たりはしていなかった。カメラもカメラで正面から取ればいいのに微妙に斜めで気持ち悪いなと思っていた。

津田大介さんのツイートで、ハッとした。

NHKだけを見ていたらプロンプターの存在に気がつかなかっただろう。というのも、私自身「今日はプロンプターも台本もないじゃん!」と思ってしまったからだ。

おかずクラブ的に言うと、「これがお前たちのやり方かー!」と言うところだ。なんかせこくさい。

会見で発表されていたことや質疑応答は他の方たちがまとめてくださっているから、検索したらなんでも出てくるだろう。

ひとつ記しておくならば、全員に一律に現金は支給されない。首相はこのように言っていた。

「自民党でも一律給付の議論がありました。私たちも検討した。たとえば、たとえばですね、私たち国会議員や国家公務員は、いま、この状況でも全然影響を受けていない。収入に影響を受けていないわけであります。そこに果たして、5万円とか10万円の給付をすることはどうなんだという点を考えなければならない」引用

首相の周辺の人たちが影響を受けてないから、給付されないのか。

私の周辺の人たちや仕事がなくなり声を上げている人たちのことは目にはうつってないようだ。台風で断水や停電になっても助けてくれなかった政府はやはり助けてくれたりはしないようだ。


会見を見ていても、落胆する気持ちが先行してしまいどっと疲れた。



さて、日本の人類学者は何か発信しているのだろうかとそろそろ気になり出したところだった。研究者たちがTwitterで繰り広げる呟き以上のまとまったものを読みたい気持ちだった。


ひとつ目。4月5日のBuzzFeed。

磯野真穂さんのインタビュー記事

「「問われているのは『命と経済』ではなく、『命と命』の問題」 医療人類学者が疑問を投げかける新型コロナ対策」


ふたつ目。4月7日の現代ビジネス。

浜田明範さんの文章

「新型コロナ「感染者を道徳的に責める」ことが、危機を長期化させる理由:必要とされる「ペイシャンティズム」」


例の如く、要約をしたり感想を述べたりはしないが、読んでいない方にはぜひ一読して欲しい。


人類学者がどのようなことを考えているのか、現代の人類学でのテーマ、医療人類学がどのようなものなのかがよく伝わってくる。

浜田さんの後半部分にはオランダの人類学者アネマリー・モルに関することで、話を展開している。ここで紹介されている、『多としての身体』は難しいが一読するべき昨今の人類学の書物だ。


こんにちの人類学では「未開の地」だけが研究の対象ではない。人がそこにいれば、人の集団がなにかしていれば人類学することができる。

世界に激震が走れば走るほど人類学は「社会」のなかで重要な学問になってくるだろうと改めて感じた。

上で紹介した記事を医療に直接携わる人たちにも読んでもらいたい。(今はそれどころではないだろうが。)医療関係者にももっともっともっと医療人類学に関心を持ってもらいたいと思い続けている。


私の日記を読んでいる場合ではない。

紹介した記事とモルの著書をぜひとも読んで欲しい。



2020年4月7日火曜日。

ジュディス・バトラーの『アセンブリ』を読み始めたものの、読めなくて、布で立体マスクを作った。初めて作ったながら、なかなかいい出来栄えだった。今日もよく晴れていた。

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