世界の共通言語は?
高橋優さんの曲「福笑い」の歌詞には
とある。
歌詞全体はとても心温まるもので、私も是非ともそうであってほしいと思っているのだが、現実はそうではない。
笑顔にはいろんな意味がある。というのも、「笑顔」の受け取り方は地域/状況によって違いがある。
こちらは、ただニッコリ笑った、だけでも、相手は「バカにされた」「笑われた」と受け取るかもしれない。いつでも/どこでも、「笑顔」は「良い意味」をもったものとして受け取ってもらえるとは限らない。
だから、やはり、英語は必要なのだ。しかし、日本を含め英語が通じない地域もたくさんある。
そうなると、世界の共通言語は何か?
何なんだろうか。そんなものあるのだろうか。
日本で学問をしようとする留学生には日本語が必要だ。中国人留学生が多い研究室ならば、日本人学生も中国語ができていた方が、留学生らが談笑しているときに取り残されず、一緒に笑える。
学問をすればするほど、英語だけではなくてフランス語もドイツ語もできた方が良かったりする。ラテン語もできた方がいいかもしれない。
調査に行けば、その土地の言語を習得しなければならない。調査する地域が植民地支配を受けた歴史があるなら、その宗主国であった国の言語も少なからずはできなければならない。
例えばインドだと、勉強をするときの言葉は英語だ。また、宗主国はイギリスだから、なおさら英語はできなければならない。学問分野によってはサンスクリット語も必要かもしれない。
デリーにいるなら女性/男性形に気をつけたヒンディー語ができた方がなおいいし、ムンバイならマラーティー語、タミルならタミル語、アーメダバードならグジャラーティができた方がいい。それがその地域の共通言語だからだ。
共通言語は場面により変わる。
これは、学問や調査をする人に限ったことではない。
K-popが好きなら朝鮮/韓国語ができた方が、歌詞だけではなくアイドル番組も楽しめる。うっとりしたフランス映画が好きなら、フランス語が理解できた方が心ゆくまで堪能できる。中華料理が好きなら中国語ができた方が、中国人店主に料理について話を聞くことができる。欧州サッカーが好きなら、クラブチームがある地域の言語ができた方が、その地域でのチームや選手の情報をいち早く手に入れることができる。
書き上げればきりがない。ここからも、共通言語が場面によって変わることがわかる。そして、共通言語はいつも英語、というわけではないこともわかる。
2020年には東京五輪が予定されている。日本国内いたるところで「英語学習を!」「英語人材を!」と叫ばれている。しかし、当然ながら、五輪期間に英語圏以外の人も多く来日する。
隣国の中国や韓国からはきっと沢山の人が観戦しに来るだろう。
そうすると、今から五輪に向けて語学学習をしよう!というなら、英語ではなくて中国語や朝鮮/韓国語をした方がきっと役に立つ。
また、好きな選手や好きな競技の強豪国の言語を学習するのもいいかもしれない。選手らがインタビューされる様子を翻訳される前に聴くことができるし、あわよくば選手に街中で声をかけることができるかもしれない。
語学学習は簡単ではない。
語学学習は聞き流すだけ/多読するだけでは身につかない。
根気と体力と気力、合わせて努力と時間が必要だ。
だからこそ、自分の興味がある言語や必要に駆られなければ、語学学習は飽きるし疲れるし続かない。
「世界の共通言語」は笑顔でも英語でもない。そんなものはきっと存在しない。
それならば、自分の興味のあることに関係したものを習得した方が生活は豊かになるし、すぐに活かせる場面がくる。
英語は必要になったときに、どっと集中してやった方がいい。
英語ができるに越したことはない。
言語の習得はいつの日も難題だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?