韓国ドラマ「オレンジ・マーマレード」を見始めた。
「コロナ自粛休み」は韓国ドラマ鑑賞に捧げられている。すきあらば、Amazonプライムで韓国ドラマを探している。noteも「韓国ドラマ好きの人」のnoteになりつつある。韓国ドラマは好きだけど、なにかを語れるほどの知識量もなければ、推しがいるわけでもない。最近よく見ているだけだ。
少し前に「青い海の伝説」を見終わった。
その後に、「ゴー・バック夫婦」を見た。
そして、今日から「オレンジ・マーマレード」を見始めた。
人間とヴァンパイアの切ないラブストーリー。
1話は、17世紀朝鮮王朝時代。成均館の儒生ジェミン(写真左)とシフ(写真右)は、それぞれ吸血族の娘マリに恋をする。ジェミンは森で蛇に噛まれたところを吸血族のマリに助けられ、マリの不思議な魅力に心惹かれる。シフは夜道でマリが男たちに襲われ、戦っているところでマリを助ける。マリの男たちにも毅然とした態度で立ち向かっていく姿に惚れ惚れする。ジェミンとシフは親友であるが、同じ人を好きになってしまう。
というところで、1話は終わりだ。
前半は朝鮮時代の話、後半に現代にやってくるようだ。これからどうなるんだろうか。
さて、気になったことをひとつだけ。
マリは白丁(ペクチョン)でジェミンとシフは両班(ヤンバン)だ。
白丁は被差別民のことだ。Wikipediaで申し訳ないが、白丁は次のように記されている。
高麗時代までの朝鮮では、白丁は中国、日本と同じく無位無冠の良民を指す言葉であった。李氏朝鮮の時代に身分制度がさらに複雑化し、国王、両班、中人、常人、賤民(=賤人)に大別され、白丁は賤民の中の最下位に位置づけられた。(白丁_Wiki)
朝鮮半島で白丁が受けた身分差別は、以下のようなものである。(白丁_Wiki)
1. 族譜を持つことの禁止。
2. 屠畜、食肉商、皮革業、骨細工、柳細工(編笠、行李など)以外の職業に就くことの禁止。
3. 常民との通婚の禁止。
4. 日当たりのいい場所や高地に住むことの禁止。
5. 瓦屋根を持つ家に住むことの禁止。
6. 文字を知ること、学校へ行くことの禁止。
7. 他の身分の者に敬語以外の言葉を使うことの禁止。
8. 名前に仁、義、禮、智、信、忠、君の字を使うことの禁止。
9. 姓を持つことの禁止。
10. 公共の場に出入りすることの禁止。
11. 葬式で棺桶を使うことの禁止。
12. 結婚式で桶を使うことの禁止。
13. 墓を常民より高い場所や日当たりの良い場所に作ることの禁止。
14. 墓碑を建てることの禁止。
15. 一般民の前で胸を張って歩くことの禁止。
白丁は屠畜などを生業とする身分の低いものであり、ほとんど「人間ではない」人たちとして差別されていた。
ドラマでは、マリはヴァンパイアで「人間ではない」人たちだ。しかも、マリの家族は屠畜業を営んでいる白丁だ。つまり、「人間ではない」人になる。
ちなみに両班は士族階級だ。ジェミンは高貴な家柄で、肉食もほとんどしない菜食者だ。
設定がよくできている。韓国ドラマを見て常々思うことではあるが。
白丁のマリが吸血族で屠畜業が生業なところがしっかりした設定だなと感じた。しかも、ヴァンパイアだと。
儒生だから、儒教的なものからしての「人間ではない」人を考えるのかと思いきや、西洋的なヴァンパイアだと。
なんたることだ。よくできている。
ただそれが言いたかっただけだ。
屠畜業は歴史的に忌み嫌われてきた職業だ。朝鮮においてもそうであったことを今回はドラマから学んだ。また、菜食者が高貴であるというのもよくできている。
私は本業は、インドにおける菜食主義者/ベジタリアンとインドの宗教の研究をしばらくしているのだが、インドにおいても屠畜業は忌み嫌われた職業だ。いわゆるカーストが低い。対して、いわゆるカーストが高い人たちは、菜食者だ。菜食をすることが「カーストの高い行い」と考えられていた時代もある。肉を食べるということが、「汚れ」に当たるからそうなる。
韓国ドラマから朝鮮/韓国の歴史的な事柄や社会的な事柄を感じられるのはとてもいい。そういう意味では、インド映画も映画から学ぶことがたくさんある。「社会」や「文化」を手っ取り早く感じるには、エンタメコンテンツがいい役割を果たすなぁ、と今回も思わされた。
2020年5月7日木曜日。
お気に入りのワンピースを買っても、かわいい靴をプレゼントされても出かける機会がないからクローゼットにしまいっぱなしになっていた。今日は銀行に行くだけにワンピースと新しい靴で出かけた。なんだか元気出た。
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