みんな他人の都会が好きだ。
地元は田舎だ。田園風景の広がるのどかで暮らしやすい町だ。
のどかすぎて頭が溶けそうなくらいゆったりしている。
田舎に帰省するときはこっそり帰省する。
大きなこえで「帰省するよー!」と呼びかけることはない。
呼びかけなくとも、2日もすればどこからともなく
「あそこの娘、帰ってきたらしいよ」
となる。
「あそこの娘、帰ってきたらしいよ」
「どこにいっとったんじゃっけ?」
「ようわからんけど、東京じゃろ」
「東京から帰ってきたんか」
「なんしぃ帰ってきたんな」
「仕事はしょうらんらしいで」
「へーーー」
「なんしょんじゃろうなぁ」「ようわからんなぁ」
とまぁ、噂されているのだろうな。
しらんけど。
田舎では周りに知らない人はいない。
みんな知り合いだから、何かあったら助けてくれたりもする。
だから、田舎は「人があったかくて好き」と言う人もいる。
しかし、それに伴う監視体制と噂は絶えない。
都会では隣に住んでいる人が誰かもわからない。
今日、話をした人は他人だ。
スーパーマーケットで出会う人も、駅で会う人もみんな他人だ。
他人同士、干渉せず、助け合うこともない。
全ては自己責任だ。
だから、都会は「人が冷たいから嫌」と言う人もいる。
しかし、余計なお節介も噂話はない。
私は、みんな他人の都会が好きだ。
早く次のステージに行こう。
田舎が嫌なら、都会に戻ろう。
「置かれた場所で咲きなさい」なんてくそくらえだ。
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