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死に至る物流

こんにちは。
ロジポンです。
土曜の昼、みなさんはどのようにお過ごしでしょうか。
私は昨晩は久々の接待でちょっと飲みすぎてしまいました。
遅い休日を迎えています。
外も暑くて出る気がしないので執筆してみようって感じです。

本日のテーマは死に至る物流ということで、ちょっと炎上しそうな感じですね。
これは、キルケゴールの死に至る病から着想して現在の物流業界の置かれている状況について述べたいという事です。

まず、簡単にキルケゴールの死に至る病について説明します。
キルケゴールは死はイベントであって恐れるものではない。
絶望こそが死に至る病であって、最も恐れるべきことである。
そして絶望を繰り返すことで真の自己になれる!!

というすごいざっくりした説明だとこんな感じです。

そして、絶望の過程には3段階あるのです。
1・美的実存・・・あれもこれも選べる段階
2・倫理的実存・・・あれかこれか、と取捨選択する段階
3・宗教的実存・・・神に直接お祈りする段階

1から3に進むにつれて自己が確立されていきます。
そして、ステージが上がる過程で絶望していくのです。


さて、死に至る物流とは?
1・美的物流
あれもこれもと選べる物流段階。
倉庫と立地、運送会社、労働力について包括的に料金で選別をする時代。
⇒現在、概ねの物流がその段階である

この段階で起きている絶望は、業界全体で料金の下げ合いを引き起こす。
そこには虚しさしか起きない。

2・倫理的物流
あれかこれかと選別する物流段階。
倉庫については自社で建築し、マテハンを導入するようになる。
運送についてもパートナーシップを結び共同で梱包を見直したり
チャーター配送、共同配送が増える段階となる。
労働力についても省人化・無人化を目指して取り組むようになる。

この段階で起きる絶望は、投資にある。
これからテクノロジーが進むことで、投資段階を間違えると大きな損失になりえる。
50年先を見据えて行った投資について事業計画が見合わない事で、罪深さを感じることとなる。

3・宗教的物流
神に心から祈り続ける物流段階。
自社が考える物流の未来がその通り実現するように心から祈り続ける段階。
この段階になると、神と対話ができ、真の物流へと磨かれていく。

宗教的物流の段階になると真のサプライチェーンが開かれ、確立されることとなる。

日本の物流業界はまだ美的物流の段階であって、あれもこれもと物流会社が乱立している。
結果、労働力の確保にすらてんやわんやである。
倉庫も乱立しているが、実際の稼働状況はいかがなものか。
これから廃墟となった倉庫が増えるのは目に見えていないか。

なぜ宗教的物流に至らないのか。
それは日本独自のしがらみ型とも言える構造にある。
あれもこれもという享楽主義を良しとして、あれかこれかという取捨選択への絶望に恐れすぎている。
結果傷を舐めあう社会風土が出来上がって、倫理的範囲ですら画期的となってしまう。
結果、下請け構造になってしまい、根本から変えるという神話を作れなかったことが非常に悔やまれる。

視点を変えて、車の自動運転に目を移そう。

テスラ以外は3Dマップを用いた開発を行っている。
テスラは高性能の処理を行う(超高性能PCが車になるイメージ)という開発を行っている。
既にあれかこれかになっている。
そして、テスラは対外的に原料の高騰に対する対策や自社が考える未来について発表した。
これこそが宗教的実存であって、テスラは神と対話して自社の存在を根拠づけようとしている。
預言者として世間に発表しているのだ。


倫理的物流の段階に入った企業も存在している。
例えばヤマト運輸もそうである。
宅急便で名を馳せてブランドを確立し、クロネコを知らない人はいない。
一般消費者への配送に特化した姿は、あれかこれかの段階に至っている。

しかし、宗教的な段階には至っていないと考える。
宗教的な段階に至っていればこのような事が考えられたはずだ。
・白ナンバー配送員(人材確保)
・宅配ボックスの標準化(配送効率の向上)
・マンションの宅配に関してトラックの停車場を確保する、EVサイズを台車が入るようにするといった標準化(労働環境の向上)

やはり、あれかこれかの段階で終了し、神との対話が少なかったのがヤマト運輸の罪だった。
もっとそこで絶望していればと思うのだ。
・白ナンバー配送員を拡充することでドライバーを確保できると言われています
・宅配ボックスをつけてもらう事で運賃を据え置けるとされています
・マンションにトラック置き場がないと荷物が届けられないと予測されています
といった神との対話が必要だったのだ。

その点、AMAZONは宗教的物流を行っていると感じる。
例えばPUDOステーションの設置だったり、AmazonFlexという個人ドライバーを利用した配送網の確立である。
※AmazonFlex参照URL Amazon Flex - JP

Amazonは独自の物流戦略を確立し、宗教的物流の段階に突入した。
神との対話によってAmazonが考えるものがあらゆるところに標準化されるだろう。
(≒プラットフォームの確立)


さて、今後、カーボンニュートラル(EV化)が進むにつれて、電力供給への課題が残っている。
日本の物流業界は同じ罪を犯すのだろうか。

つまり・・・
果たしてあれもこれもと各社が自由奔放に投資を行うのか。
それともあれかこれかと取捨選択をして投資を行うのか。
それか、神と対話し宗教的に、神話的に進めていくのか。

変革を迎えるこのタイミングで、キルケゴールの死に至る病になぞらえて進めることの重要性を感じるのです。

最後までお読み頂きありがとうございました。
また次回も宜しくお願い致します。

2022/7/23 ロジポン


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