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みんなが幸せに働くために、チームビルディングを学んでみませんか?

突然ですが、皆さんにとって理想の働き方とは何でしょうか?お金をたくさん稼ぐことでしょうか?活き活き楽しみながら働くことでしょうか?はたまた、成長することでしょうか?

人によって、いろんな答えがあるかもしれません。が、僕の答えは「自分が楽しく、そして人も楽しく」かなと。ずいぶん昔に読んだ本田健さんの「ユダヤ人大富豪の教え」という本の中で、同じ値段、同じ味のパン屋さんだったら、パン作りを楽しんでいるパン屋さんで誰もが買いたいだろう、という話を読んで、なんだか心が大きく動かされた記憶があります。そして、そのためには、仕事における理想の状態や目標に対して、従業員みんなが楽しみながら、一生懸命になれる、そんな環境設定が必要ではないかと思うわけです。多くの仕事は一人では完結できないし、より多くのひらめきを生み出そうと思ったら多くの人が交わる環境の方がよいとも思います。そこで出てくる考え方が「チームビルディング」ですね。

今回はそのチームビルディングを学ぶために、楽天大学でチームビルディングの講習を行っている「仲山進也」さんの著書「今いるメンバーで大金星を挙げるチームの法則」を読み、非常に感銘を受けたので自身の理解のためにも要約することにしました。

僕が感じたこととすると、前述の「みんなが幸せに働く環境」というのは本著で記載の「ノーミング」、「トランスフォーミグ」の状態なのかなと思っています。(ノーミング、トランスフォーミングとはなんぞ!?というのは、以下に記載してあります。)

そして、もし以下の要約を読んで、「あ、チームビルディング勉強してみたいな」と思った方がいらっしゃったら、連絡いただけませんか?一緒に何かチームを作って、実践してみたいなと思っています。(何を目標にするかは考えなければいけませんが。)

それでは、前段が長くなりましたが要約を記載させていただきます。ちなみに、本要約には全く書いていませんが、本著内におけるチームビルディングの考え方は、漫画「ジャイアントキリング」の内容を元に構成されていますので、ジャイキリを好きな方も本著は楽しんでいただけるのではないかなと思っています。(僕はジャイキリ自体を読んだことなかったので、逆に読んでみたいな、と感じました。)

要約

メインの理論は「4つのステージ」と「チームワーク7つの力」

この仲山さんの理論は非常にシンプルでわかりやすいです。集団(本著の中ではチームとグループは別物として記載されています。)を成長度合いによって4つのステージとしています。
成長順に「①フォーミング」、「②ストーミング」、「③ノーミング」、「④トランスフォーミング」と移行していくわけですね。そして、そのそれぞれの状態移行に使われるツールや考え方が「チームワーク7つの力」です。どの体質でどの力を主に使うと良いかがわかれていて、大別すると以下のような感じです。(以下の図は書籍からの引用を元に一部編集しています。)

4つのステージと7つの力

そして、多くの会社はフォーミングとストーミングを行ったり来たりするわけですね。この感じ、よくわかります。どうしても一般的な日本の企業だと、ピラミッド型の組織になっていて、上席者がコントロールするって考え方になるので、今いる状態でアウトプットを最大化しようと上手く管理しようとします。そのため、ストーミングに入りかかってパフォーマンスが落ち始めると、いざこざが起きる前の状態に元に戻そうとする動きが強まってフォーミングに戻ってしまう、という印象です。

でも、このままではいつまでたってもグループから抜け出せず、チームメンバーがワクワクしながら、お互いの強みを活かし合うノーミングやトランスフォーミングには至ることができないわけですね。

では、どうしたらノーミング、トランスフォーミングに至ることができるのでしょうか?それぞれのステージの状態とあわせて、見ていきたいと思います。

4つのステージ

①フォーミング

先ほども記載したとおり、多くの日本の会社はこのフォーミングステージを抜け出ることができていません。上手く管理しようとして、上司からの命令が基本的には絶対。そうすると、事なかれ主義で「まぁいうこと聞いていればいっか」となります。そして、この雰囲気は一部のやる気のある人たちにとってはもどかしく感じて、その人たちのやる気を徐々に失わせていく。
特に、優秀なリーダーは自分の言うことが正しい!となりがちで、下を押さえつけるがために、結果的にリーダー以上の器の集団にはできないということですね。

では、この状態から抜け出るためにはどうしたらよいか。それは、メンバー感のコミュニケーション量を増やし、「このメンバーだったらここまで言っても大丈夫かな」という感覚を持つこと。そして、それを実際に各々のメンバーに言い合うことでストーミングへと移行することができます。
そのアクションとして、まずはこのチームの成長法則についてメンバー間で共有したり、相互理解を深めるためにメンバー図鑑を作成するとよいそうです。(本著には書かれていませんが、ストレングスファインダーを使った相互理解も楽天大学のセミナーではやっているそうですよね。)

②ストーミング

では、次のストーミングの状態はどうなるのでしょうか?各々が言いたいことを言えるような環境というのは、ともすると空中分解寸前です。そのため、アウトプットは減少するため、リーダーはそれを元に戻そうとします。でも、外的な力で纏まった集団というのは、結局その外的な力以上の成果を出すことができません。そのためには、ストーミング(嵐)を巻き起こし、次のステップへと進める必要があります。ストーミングを起こすには、メンバー内にストーミングを起こす人、それにあらがう人、それを傍観する人それぞれが、ストーミングの初期と終期それぞれに力を発揮する必要があります。ストーミング初期はストーミングを起こす人が力を発揮し、メンバー内の意見を出し尽くします。そして、出尽くしたところで傍観者が調整しながら終期に向かい、次のノーミングにステップを進めるわけです。

少し具体的にストーミングの起こし方、気をつけなければいけない点など、みていきましょう。

<ストーミングの起こし方>
1. みんなで一緒にやる必要があり、かつ答えがないお題を与える
2. リーダーに依存できないようにする

この二つが揃っていて、フォーミング時にお互いが「どこまで言っても大丈夫か」ということをある程度理解していれば、ストーミングに到ることができます。
ただ、これは簡単なことではなく、ストーミングによってメンバーがばらばらになってしまったり、組織として崩壊することもあります。そんな中で気をつけなければいけないのは以下の内容だそうです。

<ストーミングで解散しないために>
1. ビジョンが示されていること
2. ストーミングの意義を共有すること
3. 個人の安全を確保すること
4. グループ全体としての安全を確保すること
5. ストーミングがスムーズに進みやすくすること

言われてみれば、まぁそうだよな、という感じですね。でも、この感覚を、メンバー全員が持ちながら、そこを乗り越えるんだ、という意思がなければ、なかなかストーミングを乗り越えることは難しいだろうな、とも思います。そのためにも、まずはチームメンバー全員がこの「ストーミングがあるんだ、その先には、ノーミング、トランスフォーミングと言った素晴らしいチームの形があるんだ」ということを理解し、共感する必要があるかなと思います。
そして、この苦難を乗り越えるためには、同じ志を持つ仲間でないと難しいんだろうな、とも思います。このストーミングの状態は本当に辛いだろうな、精神的にも疲れるだろうな、と思います。そんな中、安易に管理を求め、フォーミングに流されずに、頂を目指すには、ビジョンを共有することがベースにないといけない、ということです。この点はチームづくりの時点で目先の能力ではなく、ビジョンの共有ができるか、という点をよくよくみなければいけない強い理由になりますね。

そして、このストーミングが進み、全員が意見をいうようになると、意見を言った結果、それまでの他人事だった内容が自分事化するのです。メンバー全員が、仕事を自分事化している組織、とても素敵だと思いませんか?

③ノーミング

辛かったストーミングを超えた先には何があるのでしょうか?そこには、
・チーム内の暗黙ルール(行動規範)の構築
・ビジョンの明確化と、メンバーの役割期待がはっきりし、自己認知できる
・影響力があり、方向性を定める人が自然とリーダーになる
・情報が共有され、チーム全体が一つになり始める

というようなことが待っています。イメージは、今までバラバラだったパズルのピースが、一つずつハマり始めて一つの絵になっていく状態ですね。そして、自分たちのチームとして取り組むのはここまでOK、ここからNGという、明確な線引きができてきます。
このノーミング時は完成のイメージ、つまりチームのビジョンを明確化し、示すことが大切です。

そして、このノーミングが進むと、自然に自分たちのルールが自発的に形成されていきます。この自発的に発生したルールを徹底することが、とても大切です。そうすることで、このノーミング時に重要な7つの力である「アシスト力」、「予測力」を促し、次のステージへと導いてくれるのです。
そこで注意をしなければいけないのが、フォーミング時にルールを徹底することをしてはいけない、ということです。同じルールでも、フォーミング時は他律、ノーミング時は自律のルールです。フォーミング時にルールを守ろうとすると、いつまで経ってもストーミングに入れない、ただの優秀なグループ止まりになってしまうわけですね。

④トランスフォーミング

ようやく最終ステージ、トランスフォーミングです。トランスフォーミングというのは、「変態」という意味でさなぎから蝶になることですね。チームの状態で言えば、阿吽の呼吸で全てが理解できる、伝説に残るようなことを巻き起こすことができるチームの状態です。それはあたかも、一つの生き物のように、様々な課題に対して、各々の細胞が適応し、最善の対処を行うようなイメージで、メンバー全員が嬉々として各自の強みを理解し、課題に取り組み、そしてチーム全体の成長を目指します。また、その組織への帰属意識が高まります。
そして、このトランスフォーミングは永遠には続きません。ここまで到達したチームは、さらに大きくなるため、新しい仲間を入れてフォーミングの状態に戻ったり。あるいはチームとして解散して、各々が核となり、新たなチーム形成を目指すのです。

チームワーク7つの力

①1.1力

とても簡単なお話です。
1.1の実力を5人が発揮すれば、1.1*1.1*1.1*1.1*1.1=1.61
0.9の実力しか5人が発揮できなければ、0.9*0.9*0.9*0.9*0.9=0.59
で、両者のその差は3倍近く。
では、どうやったら0.9ではなく1.1の実力をメンバーに出してもらうことができるのか。それは、一人ひとりに自己重要感を感じてもらうことです。
具体的には
・できなかったときに「なぜできなかったのか」と問わない。
・何かができたときは「なぜそれができたのか」を聞いてみる。
・相手の存在を認める
・受け入れる、そしてよく観察する(気に掛ける)
・行動に意味を与える

を意識します。
特にこの1.1力は、メンバーの意識がネガティブに向い、モチベーションが下がりやすいストーミングにおいて重要な力です。

②凹凸力

自分の強みは誰かの弱み、自分の弱みは誰かの強み、という考え方が凹凸力です。そして、よく言われる話ですが、この強み、弱みは表裏一体の関係があって、どっちが良いとか、悪いではなく、お互いが必要な場面で自分の凸を上手く使って支え合う、それがチームということですね。
その中で重要なのが
・弱みから強みを見抜く
・その組織の中で活かすべき強みを見極める
・強みを相互に理解する
ということです。つまり、誰がどんな強みを持っていて、その強みが組織でどのように使うことができるのか、ということをメンバー全員で共有できている状態です。
この凹凸力と、前述の1.1力を組み合わせることで、お互いの自己重要感を高め、ストーミングを乗り越える力に変換します。

③予測力

予測力とは、相手がどんなことを期待しているのか、予測する力です。つまり、何かの要求に対して、10を言わなくてもわかる状態。これが予測力のある状態ですね。この考え方を補助するのが「課題=理想ー現実」と「判断=価値基準×インプット情報」という数式です。そして、この理想と現実の双方をメンバー全員が理解していることで、課題が何であって、具体的にどうするか、という点が見えてくるということですね。
そして、この予測力の中でも理想を明確にするために
・他者からの理想のフィードバック
・誰かの笑顔に繋がるということの提示
・状況が変わっても同じビジョンを示す
・ビジョンを明文化する
・明文化したビジョンについて、確認と共有を繰り返す
を意識すると、より理想を明確化しやすくなります。
この力は、行動規範ができて、自発的にメンバーが動き始めるノーミング時に特に効果を発揮します。

④アシスト力

誰かが自分を助けてくれることで、その人のことを助けたくなる、返報性の原則を有効活用した状態ですね。メンバー間でこの状態が発生すると、プラスの連鎖が続き、誰もに対して、自分がやってあげてもいいよ、という状態を構築することができます。本著の中では、仕事のバトンタッチは水泳型(タッチの瞬間に変わる)ではなく、陸上型(並走する区間がある)でやった方が良い、と書かれています。
このアシスト力があれば、先ほどの返報性で環境がよくなることに加えて、相手に対してどうやったら仕事がしやすくなるか、ということを考えることができるようになります。そんな素敵な組織、よくないですか?

⑤気づき力

理想と現実のギャップ(=課題)に対して、気づく力のことですね。この力によって、トップダウンではなく、各々が自発的に考え、理想の状態に近づけることができるわけです。

この気づき力を養う方法は、3つあります。
1つ目は、答えを教えるのではなく、問いを与えるということ。問われると、人は何かしら自分の答えを導き出そうとします。そして、そうすることで自分事化できるわけですね。
2つ目は、達成率が50%の課題を与えること。そうすると、自身の力で結果が変わる可能性が大きいわけですから、やる気を上手く引き出すことができます。
3つ目は、まずはやってみるということ。そうすることで、実際の理想に対する課題をより具体的に理解することができます。

⑥面白化力

チームとして成長するに当たって、物事を面白がることが大切です。そして、チームで何かに取り組み、面白くするためには、以下の4つのポイントが必要です。
1 ゴール(理想)が明確なこと
2 ルール(制約)が明確なこと
3 フィードバック(現実)があること
4 自発的な参加であること

これ、本著には書いてないですがチクセントミハイのフロー理論の考え方ですね。
そして、これをチームづくりに有効な取り組みとするためには
5 一人だけでは達成できないお題にする
6 誰も正解を知らないお題にする

ということがポイントです。
チームとして取り組む必要がある何かがあるときやチームの力を上げるためのアクティビティをする際に、この6つのポイントで考えることで、チーム力を上げることが可能となります。

⑦三方よし力

三方よしとは近江商人の「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」という環境全体がよくなる考え方で、チームが成長するためには、三方よしの考え方に対して筋が通っている必要があります。決して、私心で「自社だけが儲かればいい」「顧客と自分が幸せなら大丈夫」というわけではなく、世間も含め、「うん、あそこの会社って素晴らしいよね」と思う理想があって、チームを大きくすることができるわけですね。
この考え方、個人的にはとても好きで、「動機善なりや、私心なかりしか」という西郷隆盛の考え方とも一致しているのかなと。

最後に

ここまで、成長の4つのステージと、チームワークの7つの力をそれぞれ個別に書き出してきましたがご理解いただけましたでしょうか?チームの4つのステージはなんとなく漠然とそうだろうな、と思えるかなと思いますが、チームワークの7つの力は実際に実践できるイメージ、持てますか?
僕はここがなかなか難しいなと思っています。そして、多くの人も同様かなと。だからこそ、多くの組織がフォーミング、ストーミングから脱せず、チームになることが難しいのだと思っています。

ですので、冒頭に記載した内容と繰り返しになりますが、この本をベースにして、皆さんで集まって、何か一つに取り組む、チームを目指す集団を作ってみませんか?手探りにはなると思いますが、その中で、各ステージの理解、7つの力の使い方を学ぶことで、皆さんがそれぞれ所属する組織の成長・発展に寄与できればなと思っております。ぜひ、皆様からのご連絡、お待ちしております!

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