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災害国日本におけるドローンの防災活用(後編)

こんにちは、ヤフーのオープンコラボレーションスペース「LODGE」です。「Mix Leap Joint」のイベントについて、先日公開した前編に引き続き、後編をお送りします。

後半、続いてイベントはセッションに移り、「ドローンの未来について」と「災害現場での活用について」の2つのテーマを元に議論いただきました。

司会
・中川さん ヤフー株式会社 Mix Leap運営担当

登壇者
・舟迫さん 株式会社Drone Future Aviation
・瀬川さん ヤフー株式会社 Yahoo!天気・災害サービス担当
・小塚さん 神戸市都市局市街地整備課長

ドローンの未来について

中川さん:
小型で性能がいいドローンがあるとお聞きしているのですが、 あれがそのまま進化していくとどういう形になっていくのでしょうか。

舟迫さん:
今までの経緯で言えば、携帯電話、スマートフォン、ドローンの進歩には同じようなところがあり、スマートフォンが進化すればドローンも進化している。映像画質は良くなるし、ニーズにあわせて小さい機体はどんどん小さくなり、大きい機体はどんどん大きくなる。高精細になっていくことが、みなさんが望む未来なのかなと思いますね。

小塚さん:
私はドローンに望む性能よりも、その性能を使いこなせる人材が必要だと思います。技術革新に追いつけるだけのマネジメントができる、事業者連携、仕組み作りが有事の際に備えて必要だと思います。

瀬川さん:
災害が起きた瞬間からしばらくの間、状況判断する情報がなかなか入ってこないので、ヤフーとしても情報発信ができない事が多いです。ドローンやセンサー技術を使っていち早く情報入手できれば、不安な状態でいるユーザーの皆さまに、確信的な情報提供ができるのではないかと思います。

災害現場での活用について

中川さん:
今後災害現場で活用していく上で訓練や利用機会、経験機会を増やすにはどうしていくのがいいでしょうか?

小塚さん:
私はいろんなイベントの上空からのアナウンスですとか、ありとあらゆるところでドローンを使っていただきたいと思っています。例えば神戸市でも、鹿の生息調査であるとか催事以外のところで使っていただきたい。日々、関係者との連携を深めて、いざ災害の時に「ここに飛んでほしい」と言える繋がりも大事にしていきたい。自治体の人間がみんなドローンを使いこなせれば良いのですが、そういうわけにはいきません。ドローンは、飛ばす能力プラスいかに情報を解析するかが重要だと思います。

舟迫さん:
私の知る範囲の中で言うと、有志でドローンを飛ばしあって広域地域の地図を作るプロジェクトがあります。ヤフーマップでも、災害時に通行可能な道路について有志が集まって地図を作る取り組みがありましたが、それと同じようなものです。民間企業が参画することで情報収集というところで役立てるというのは十分ありえるかなと思います。

瀬川さん:
例えば山での行方不明の捜索などで、何千台という機械で山をサルベージして赤外線で見て人がいる位置を探すとか、そういうことの可能性はあるのでしょうか?

舟迫さん:
実際にそういったコンペティションを政府指導でやっていますね。北海道で何度か事例があります。赤外線カメラは温度を感知するので夜には比較的人を探しやすいというのがある反面、日中は温度差がないので赤外線カメラでの感知は難易度が高くなる。そういうときには小型ドローンに通常の映像カメラを装着したうえで、100台、200台などの多数で探すのは有効かもしれません。

最後に

有事の際にドローンを活用するには、操縦スキルの習得や組織編成等、通常の日々の準備が重要であり、有事が起こってすぐにドローンを活用できるわけではないということが非常によくわかりました。合わせて情報を解析していく能力、そしてそれを促していく施策も必要なのではないかと思います。

登壇者の資料アーカイブのリンク
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