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お地蔵さま

小学5年生のころ、学校の校区内に山があった。
高さで言えば600mくらいの山だった。
家からふもとまでは歩いて行け、小川も流れていた。

小川の手前の草むらに、お地蔵さんの貯金箱が落ちていた。
プラスチック製で、後頭部の部分にお金を入れる穴があいていた。
そのお地蔵さんを、草むらの平らな所に立てて置いた。

1ヶ月後、その道を通るとお地蔵さんに前掛けが掛けられて、花が添えてあった。
更に1ヶ月後、お地蔵さんは何故か2体になって祀られていた。
その道を通るたびに、お地蔵さんは強化されて、お花やお供物が置かれていた。
最後には、雨よけのために木で小さな小屋が建てられいた。

何か嬉しかった。

自分のなんの気ない、ちょっとした行為がどんどんと発展していって、みんながお参りをしている。現状を。

八百万の神、日本

神道では「自分が祀るものだけが神となる」
自然現象もモノも祖先も、みんな平等な神となる。

おもちゃの貯金箱でも、お地蔵さんになり崇められる。
自分の想いを祈願している。

ちょっとした気持ちが大切である。
日本人が持っている、人に気を配る気持ちが、世の中を良くすると思う。



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