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9番目の島って?

[今日の短歌]束の間の魔法にかかろう島を出てネオンギラギラ虚飾の街へ

ハワイの人々はラスベガスが好き

新型コロナウイルスの感染拡大防止策の一環として、軒並みホテルとカジノが閉館し、ここハワイ同様に、観光客の姿が消え、ゴーストタウン化していたラスベガス。先週主要なカジノが再開したとニュースで放映されました。

ハワイの人々の間でラスベガスはとても人気が高く、聞くところによると、10人に1人は毎年ラスベガスを訪れているとか。確かに、ハワイからラスベガスはとても行きやすいのです。

直行便も多数飛んでいますし、チャーター便もあります。ラスベガスのホテルには、ハワイからの観光客に特化したマーケティングを行なっているところもあります。ダウンタウンのCalホテルなどは、そのままハワイが移動したような有様で、どこまでもハワイのローカルの人々の嗜好を追求しているようです。

ハワイからラスベガスに移住する人も非常に多く、ハワイではラスベガスの事を、愛を込めて「ハワイの9番目の島」と呼んだりしているのです。

私たち夫婦も、特にギャンブルをたくさんするわけではありませんが、ラスベガスにはよく行きます。エンターテイメント系の仕事をしている夫にとって、最高峰のショーを観るのは、大切な勉強の一環だし、コンベンションに参加することも多いのです。

ちょうどコロナ禍が巻き起こる前の1月にも、コンベンションに参加したばかりでした。ダウンタウンのホテルとストリップのホテルに両方泊まり、大満足の旅行だったのですが、その後数週間でこんなことになろうとは…

初めてのラスベガス旅行は…

私が初めてラスベガスに行ったのは、まだ夫に出会う前のこと。盆ダンスの仲間たちとの総勢14人のグループ旅行でした。ハワイに住んで日が浅かった私は、ハワイの人々の猛烈な「ベガス愛」を知らずにいたのですが、この旅行でハワイのローカル流ベガス術をしっかり体現し、あまりの楽しさにすっかりラスベガスマジックにかかってしまいました。

旅行にはラスベガスに引っ越した盆ダンスメンバーも合流し、昼間はショッピング、夜はギャンブル、昼夜を通じてずっと飲んでいて、全く寝ないという猛烈なもの。葉巻を薫せている人も!

もちろん初日はハワイの人々の定番である「トレーダー・ジョーズ」へ。ハワイに比べて、余りの物価の安さに嬉しい悲鳴を上げながらのショッピング。当時は「バス&ボディ・ワークス」や「ヴィクトリアズシークレット」がハワイに入っていなかったため、女子メンバーは全員頭に血を上らせつつ、大買い物。貧乏学生だった私はそれほど買えなかったけれど、皆の豪快な買いっぷりを見て楽しみました。

品数の多い豪華なビュッフェも初めてだったし、食べて飲んでギャンブルして、こんなに自堕落で良いのかと、少し怖くなったりもしました。ギャンブルもビギナーズラックで、臨時収入が入り、欲しかったサンダルを迷わずゲット。たった3日間の旅でしたが金太郎飴のように、何処をとっても充実の旅でした。

同行の友人達は、普段は学校で教えていたり、弁護士やエンジニア、銀行員など、堅い仕事に就いている人が多かったのですが、ベガスにいる間は普段の堅物ぶりを脱ぎ捨て楽しく弾け、ハワイに着陸すると同時に、堅物の鎧を再び装着、とメリハリをつけて楽しんでいるようでした。

なぜラスベガスが好きなのか?

その後も、何度もラスベガスに足を運びました。ハワイの人々にとってのラスベガスは、日本人にとってのハワイと感覚が似ていると思います。ハワイの人々は何故ラスベガスを愛してやまないのでしょうか? 

1)ラグジュアリーに手が届く: ちょっとおしゃれなホテルやレストランも、頑張れば手が届く値段設定です。ハワイではあまり出番が無いドレスを着てお出かけしたりと、非日常を楽しむことができるのはラスベガスならでは。
2)物価が安い: 食品などは全てハワイの半額ぐらいの感覚です。まあ、ハワイの物価が高すぎるわけですが… さらに不動産も激安のため、ハワイから移住する人も非常に多いです。家の値段は、ハワイの半分以下ですね。しかも新しくて広いと言う…
3) ギャンブルが合法: ハワイは非常にギャンブルに厳しく、宝くじすらありません。私は自分の性格上、のめり込むと破産も必至と思われるため、ほとんどギャンブルはしないようにしていますが、ギラギラとしたマシーンやテーブルでのゲームに射幸心を刺激される人は多いものと思われます。日常と上手くバランスが取れる人ならば、楽しいのでしょうが。
4)何もかも豊富: 物もエンターテイメントも、グルメもB級グルメも何もかも豊富で、色々な楽しみ方ができるため、飽きるということは無さそうです。

他にも理由は色々とありそうですが、主にこの辺りでしょうか。但し…

コロナが変えてしまったもの

今までは、気軽に週末を利用して弾丸旅行などを楽しむこともできましたが、コロナにより、訪ねる側にも、受け入れる側にも、以前とは違う屈託が生まれたのも事実。経済的な打撃を受け、旅行どころでは無いし、健康の心配なく無邪気に楽しむには、まだまだ時間がかかりそうに思います。

ニュースで見た、ベガスのカジノ再開の様子は、経済復活への大きな期待を感じさせつつも、マスクをしていない人も多く(ハワイではほぼ100%なのに)、カジノ側はきちんと対処しているのに、お客側はいまいちで、人々の距離も割と近いように思えました。

ハワイの気候は最高で、人々も素晴らしく、何処を切り取っても絵になる自然に恵まれています。ただ楽園税と言われるように非常に物価が高く、収入は米本土に比べておしなべて低めで、住民にとってはなかなかに厳しいものがあります。

そんな中、ごくたまに非日常を味わってリフレッシュしに行く…それだけも難しい世の中となりました。今は段階を踏みながら、世の中を正常に戻しつつあるところです。将来また、楽しく旅行できる日のために、もう少し頑張りましょう、お互いに。


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