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部下の仕事を巻きとらない方が良い理由~比較優位と機会費用~

比較優位の思想は、経済学の概念で、ある国や企業が他の国や企業よりも特定の財貨やサービスの生産において優れている場合、その生産に特化し、他の国や企業との協力や貿易を通じて互いに利益を得るというアイディアです。

仕事ができる人(生産性が高い人)とそうでない人を比較する際にも、比較優位の思想と機会費用の考え方が適用されることがあります。以下に、この概念を用いて説明してみましょう。

  1. 比較優位の思想:

    • 仕事ができる人は、特定のスキルや才能に優れている可能性があります。例えば、コミュニケーション能力、問題解決能力、リーダーシップスキルなど。

    • 仕事ができる人は、他の人よりもその得意分野での生産性が高い

  2. 機会費用の考え方:

    • 仕事ができる人は、自分の得意な分野に特化することで最も効果的に仕事をこなせる。これにより、他の分野での時間やリソースを割くことなく、特定の強みを生かすことができる。

    • 逆に、仕事ができる人が得意でない分野に時間やエネルギーを費やすと、得意な分野での生産性が低下し、機会費用が発生する。

例えば、従業員Aが優れたプログラミングスキルを持っているとします。比較優位の観点からは、従業員Aはプログラミングに特化し、そのスキルを最大限に活かすことで仕事の成果を最大化できる。もし従業員Aが他の分野に時間を割く(部下の仕事を巻き取る)と、その分野での成果が期待できない可能性があり、機会費用が生じる。
他の仕事ができるからといって、得意で最も生産性の高い仕事を手放さない方が良いのである。

総じて、比較優位の思想と機会費用の概念は、仕事においても個々の強みや得意分野に焦点を当て、それを最大限に生かすことで全体の生産性や成果を向上させる考え方を示している。