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36歳。地方公務員を「退職」した理由

私の経歴・スペックはTwitter(https://twitter.com/MichanUrban)に書いてます。

少し長い文章ですがお付き合い下さい。

公務員の経験で得られたコト

私の簡単な経歴を改めて紹介

高校卒業後、国家Ⅲ種(現在の一般職)として東北地方の出先事務所に配属になるも、ノンキャリアとキャリア官僚の仕事の違いに愕然(落胆)

さらに当時の先輩達は国への愚痴とギャンブル(町の規模的にココしかストレス発散場所がない)の話ばかり・・・

「え、これが国家公務員!?」

若さって特権。
純粋に「汚いおっさん達の集団じゃん」(失礼か!笑)と思ってた。

社会や所管する地域を良くしようとする気持ちもないし・・・嘘でしょって感じ(わたしが若すぎて鈍感だったのかもですが)

いやいや、この人達と定年まで一緒に働いたら絶対にダメになると気づき、新規採用年に大学を受験し合格。

4年後にキャリア官僚試験(国家Ⅰ種→現在の総合職)に合格。

しかしながら、縦割りの人事制度や局ごとのコミュニティ、大学派閥に嫌気がして、地元の市役所(中核市)に転職し11年間、建築・都市計画・公共交通行政に携わり、令和4年3月末をもって退職。

結果、地方公務員が人生の中で最も充実した日々だった。

お世話になった方には本当に感謝。

18年前の話になりますが、東北の梅雨寒さに差し掛かったころ。

人口数万人の町。

賑わっていない駅前の居酒屋で開催された飲み会の席で、職場の先輩に「私、キャリア官僚になります」と伝えた(伝えなければ良かったと後で後悔)

(・・・てか18歳で飲酒を勧めるとか当たり前の時代だった)

すると、先輩は笑いながら、「俺らみたいな頭の悪いやつらは、キャリア官僚になんてなれるわけないだろ(笑)」と言われた事が今でも鮮明に残っている。

まっ、キャリア官僚試験に合格したので、今では雑魚キャラに遭遇してしまった事故として処理(笑)

当時の先輩は地方の出先事務所の課長や所長になっているような歳だろう…

あのまま、歳をとっているだろうから国の発展のために勉強したとは思えない(勝手な想像)。そのような状況で国が良くなるわけないよ〜って思う。

生産性のない批判と過去話は、ここまでにして・・・

地方都市の役所(政策系の部署に勤めているなら理解できる)勤務の方なら、分かると思いますが、地方都市の就職先は以下のような階層(ヒエラルキー)になっています。

この事象を仕方ないと捉えるか、ヤバいと捉えるか…

仕方がないのは分かるものの、多様な働き方が広がりつつあるけど、そのような明るい話は首都圏だけで、地方は、以前として変化していないのが現実なんですよね。

退職note(ヒエラルキー、4理論).001
地方都市の就職先候補

地方都市(私が在籍した役所は30万人都市クラス)の就職先というと、なんといっても市役所が一番。

なぜなら、倒産リスクがほぼゼロに近く、年齢が上がると(課長補佐級以降)、地域平均以上の年収を手にするメリットがあります。

一方で、年齢と年収が上がって、汎用性(一般性)を有しないスキルのみ。

役人であり続けるなら悪いわけではないんですけど。

当然ながら、そうした人は住宅ローンはあるし、子供は大学行くしで、潰しがきかない状態に陥り。どこにも再就職できなくなるリスクがあります。

一度、公務員として就職すると、定年退職まで勤める人が多いのはこの為です。もちろん地域の為に働きたいと考えている人もいますが、そのような人は私を含めても全体の1割にもいなかったです。

田舎の40歳超で公務員以上の給料を出してくれる企業さんはありませんからね。

とはいえ、そのこと自体が悪いわけではない側面も、

第一に市民のことを考えて自分になりに試行錯誤して地域に貢献していこうと考えている公務員の方もいます。そうした人に支えられているのが役所組織です。

しかしながらその一方では、許認可や発注者の立場を「権力」を持ったと勘違いして、市民や民間事業者を見下す人がいます。

役所の窓口で嫌な思いをした方いますよね。本当にすみません。逆に市民側にも超悪質なクレーマーもいますので、疲れてしまった公務員がいるのも事実。

「権力」があると勘違いしちゃう人、今の時代には残念な認識ですよね。

どういった教育を受けたら、そのような人材になるのか不明ですが、わたしが在籍した市役所にもいましたし、それが彼らにとっての正義でしょうから、議論したところで改まることはない。これが結論(笑)

あまり役所批判をしたくないのですが、こうした人材が定年まで地域の実態に合わない高年収であり続ける限りは、市民からの信頼を得ることが難しいのは当然となるわけです。

結果として市民と役所の間に信頼関係が築けずに”暮らしやすいまちの実現”は困難でしょう。

ではなぜ、市民のみなさんが役所を批判するか。

簡単な論理で、市民側基準の年収が仕事内容と実態に合っていないから。だから、若手職員は年齢が自分より上の人達の実態を知り、辞めたくなるわけです。

「地方公務員の仕事は特殊で・・・」

と言っていいのは、殉職する恐れがある警察・消防のみ。

それ以外の事務職は特殊でも何でもなく、法律に書かれている規定を運用するのが業務(逆に基本的には法律以外のことは出来ませんし)。

わかりやすくお伝えすると、市民から集めた税を再投資をしている地域最大の投資機関のようなものです。

とはいえ、投資機関のように合理的でだけは中山間地域の生活や田園・自然環境の保護は出来ません。非合理的な仕事(つまり、「公共」)も必要になるから役所が必要なわけですよね。

公共とは何か。ここが公務員マインドにはめちゃ重要。(知ってるわ!という方すみません)

近年、公務員にも「民間経営のマインド」をと言われるようになってますが、理屈は分かるけど、経営した事がないのにどうやって民間経営のマインドを取り入れるのか謎すぎる。

抜本的な解決よりも、地道な解決の方が将来的な市民のコスト負担が減るでしょうにと思っている(今や無職人なのでもはやどうでもいいんですけどね。笑)

(以前は、抜本的改革!なんて言ってた時期もあったんですが、地方公務員をやったら抜本的解決なんてもの皆無で、一歩づつ目先の課題を解決していく事が必要と気づきました)


庁内調整に使える性格分析

話を変えて、若手職員に知って欲しい。仕事でも使える論理です。職場内のコミュニケーションに悩んでいる方の力になると思います。

こちらは、岡田斗司夫先生が考えた性格の4理論です。

退職note(ヒエラルキー、4理論).002
性格の4理論 出典:岡田斗司夫理論

地方役所で最も多いのは「法則型」です。

次に多いのが「司令型」かなと思います。

合理主義者である司令型の存在は確かに重要ではあるものの、合理的過ぎたりして、公共福祉の思考が欠如しているのが問題です。「経営マインドを!」なんて言ってるのはこのタイプですね。

特に「司令型」は「勝ちたい!勝ちたい!」が先行したり、他者をコントロールしたがる人達が多いので、公共が求められる職場では問題児だったりします。

田舎に多いですが「井の中の蛙」と言われる人はこのタイプです。

このタイプで頭が悪い(要領が悪い。思考・企画できない)と最悪です。必ずパワハラ・セクハラをする人なので、頭の悪い司令型を管理職にするとチームが崩壊します。

あとは「法則型」は役所仕事に向いているのでしょうけど、チャレンジしないので、何十年も続く慣習を無意識に続けているケースもあって、柔軟性に欠く一面があるのかなと思いますが、一方で不公平感なく仕事を処理するので法律に則った行為をこなすには貴重です。

次に「理想型」ですが、市民生活を良くしたいという強い理念を持っていて、かつ優秀な「司令型」のパートナーがいるとハマって、いろんな改革が進むイメージです。

一方で、職人気質なので、上司に究極の「シコシコシコ理想型(オナ柱)」がいると、「ついていけない・・・」とつぎにつぎに部下が苦しみ。違う意味で病みます。

最後に「注目型」ですが、抽象的に物事を捉える思考のようで、役所的な型にハマった仕事をするのは向かないように思われますが、チームやプロジェクトを組んで動くときに「注目型」がいると潤滑油となって推進力が増すかなと思います。

あとは、民間の広報・SNS担当が向いているのかなと思います。

ということで、4理論ですが、公務員では、「法則型」多数というイメージがある一方で不公平感なく仕事を処理するので、そういった面では役所で選ばれる人材なのがわかります。

・・・お気づきでしょうけど、最も危険人物なのは「司令型」です。

あなたの職場にも必ずいます。

「自分の仕事の自慢話が好きだったり」、「会話の途中で話を遮ったり」、「理解に苦しむ指示をしたり」するタイプで、部下・後輩からの信頼が無いのに、やたら指示してくる人。自分の考えが正義!と言う人ですね。

劣等感の塊です。プライドを傷つけられると怒られます。

「注目型」の方は注意してくださいね。

これから公務員を辞めたいと考えている方へ

話が大きくそれてしまってすみません・・・辞めた理由に戻します!

私が仕事を辞めたくなった理由はいくつもありますが、一番の理由は、『同僚や仲間が嫌いになりそうだったから』。仲間を傷つけてしまう恐れが大きくなったからです(既に十分に傷つけていたのかも)。

公務員にしがみついてる方にとって、私のような地域を良くするための思考と行動を行う人は基本的に仕事を増やす邪魔者でしかないです。

平穏無事に定年まで迎えようとしている方にとっては『攻撃されている気持ちになる』と考えていいです。私のような存在は消えて欲しかったと思います。

ちなみにですが、私が有する資格や経験・知識は役所内では評価されません。

たとえ、資格が法律での義務だとしてもです。これ以上、詳しく説明すると、役所批判だ〜〜!と前職の人達に怒られそうなので、ここまでにしておきます(彼らが嫌いなわけじゃないですけどね)。

結局のところ、組織の改善点について相談しても「役所だから仕方ないよ」で片付けられて終わり。

「仕方がない」という言葉でどれほどの公務員が傷つけられてきたのだろうと思う。

つまり、自分の思考を変えて役所型のマインドに変化させないと定年まで役所に居続けるのは無理となるわけです。

おそらく、ここまで話した内容、私が在籍した役所だけではないはずです。

現在も苦しんでいる若手職員が多数いるでしょうし、折り合いをつけて今に至っている45歳超の管理職の方もいるでしょう。

そうした方も決して役所という組織が嫌いなわけではなく。

出来れば地域のために貢献したいと考えている方が多いと思います。ところが、自身の善良な思考が少数派であることにある日気づいて、いつの間にか心を無意識に押し殺しているんだと思います。

みんなと仲良く。仲間外れされないように定年までと。

辛いですよね。時間が経過すると、役所を辞める選択をするか、人生に折り合いをつけて定年までいる選択をすることになるんですから。

どちらの選択にしても、潰しが効かなくなる前に自分の人生を考えることが大事です。(私に言われなくなっても分かってるわ!と聞こえてきそう。笑)

私のように、心に疲れて辞めてしまう人が少なくなればいいのにと思っています。

ということで、長い文章となり読みづらい部分もあったかと思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございます。

公務員人生バイバイ〜〜♪♪♪
お世話になった方、ありがとうございました。

これからのこと

これから食べていけるかどうかは不明(何も仕事をしないで生きていくには、貯金の額的に半年が限界)ですが、この地元で自分に出来ることを探して、生きていく予定です。

まずはゆっくり休むのが一番。笑

そして、行動、行動、行動

また、地域のために自分の力を使いたいな〜と考えています。

また、noteに書き綴っていきたいと思うので、よかったらTwitterのフォローよろしくお願いします。それではありがとうございました。



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