良き上司とは
「心理的安全性」という言葉は昨今話題になりました。
「心理的安全性（psychological safety）」とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことです。
組織行動学を研究するエドモンドソンが1999年に提唱した心理学用語で、「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義しています。メンバー同士の関係性で「このチーム内では、メンバーの発言や指摘によって人間関係の悪化を招くことがないという安心感が共有されている」ことが重要なポイントです。
要するに意見の言いやすさやです。
この要素があることで、閉鎖的な空気を押し出し、新たな価値観や考えを組織として取り入れやすくなり、様々なパフォーマンスが向上するのではないかと言われています。
さて、ここからはデータで見ていきましょう。
1025人を対象とした2016年の調査で、自分の懸念を自信を持って発言できるのは会社で働く人のうち1％だけであり、全体の33％は自分が働く会社の文化は会話の促進を支持していないと感じていることが示されました。一方、病院勤務者を対象とした研究では会話を促進させると医療ミスが減少し、多くの患者の命が救われることが示されており、組織において「声を上げることができる環境」の重要性は近年注目されるものとなっています。
ここから、リーダーが行うべきステップとしてこの記事には３つの項目が挙げられていますが、私が感じている項目も付け足して感がてみようと思います。
なぜ「誰も意見を言わない組織」が生まれるのかという科学を理解する
有益なことが書かれていると思います。
権力を持つことが人の脳を変えるということが示されています。
高い地位につく人は他の人の考えを取り上げる能力を失い、「人」ではなく「ゴール」により焦点を当てるようになります。そして自分の持つビジョンのためにリスクを取るようになった結果、リーダーは人の意見に耳を傾けなくなってしまうとのこと。
また、従業員は誰かの問題行動を目にしても「他の人が意見するだろう」と考えるために、結局は「誰も何も言わない」という事態が生まれがちです。このような人々は沈黙した理由について「罰を受けたくなかった」と説明します。「他の人の意見を聞かないリーダー」「罰を恐れる従業員」から「誰も意見しない組織」が生まれるわけです。
意見をしてもなにかと理由をつけて否定する。
「でも」「しかし」「だが」という言葉が先にきて、常に否定が前提の状態になっている。
こういった行動がある上司は、「決めつけによる能力の抑制」だと思っています。
上司は、自身の仕事を楽にし、より効率的に業務を回すためには、できる限り単純な仕事や必須かつ期限のある業務を優先的にこなそうとします。
そこで何度か説明してもあまり理解してくれない部下がいたとしましょう。
そんなときに上司は「なぜ何度行っても理解できない」「こうやっているからできないんだ」とよく否定を口にする人がいます。
否定することは構いません。しかし、具体的な解決策や部下が意図した行動の真意をしっかりと本音を聞いたり読み取ることが大切です。
そして、この人には本当のことを行っても安心できる。といった心境を部下に作らせる必要があります。
多くの部下は、相談や報告をすると面倒が舞い込んでくると思っているからトラブルがあとあとから起きるのです。
どのようにすれば人が声を上げるようになるのか？
上記の「誰も意見を言わない組織」が作られる仕組みを前提としてSmithさんが行うのは、リーダーに対して「企業文化の中に正しい環境を作り出してください」と伝えること。特に「声を上げること」について従業員が安全だと感じ、脅威を感じることがない環境を作ることが大切です。
これは、「全ての会議の開始時に高い地位にある人が会議参加者に対して『意見を歓迎する』と示す」といった具体的な行動で実現すること可能。意見を言う人はたとえ内容が間違っていても同僚から「高い地位にある」とみなされることが研究からわかっており、間違った発言であっても「話した」という事実は従業員の関係にいい影響を与えるといいます。また、リーダーは自分の意見を最後まで言わない方が、チームのメンバーはより幅広い案を出す傾向にあることも研究で示されています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？