新型コロナウイルス『新しい生活様式』~マスクによる熱中症予防と肌荒れ対策

 令和2年5月4日の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議において、「新型コロナウイルスを想定した『新しい生活様式』」が示されました。
 新型コロナウイルスの出現に伴い、今後は一人ひとりが感染防止の3つの基本である①身体的距離の確保②マスクの着用③手洗いや、「3密(密集、密接、密閉)」を避ける等の対策を取り入れた生活様式を実践することが提案されました。

 マスクを着用することで熱中症になるリスクがあがるのかどうかについては、まだ詳らかになっていません。真夏にマスクをして炎天下で生活をするという経験を、われわれは過去においてしてきていないからです。
 熱の産生が多いか、熱の放出ができなければ、熱がこもって熱中症となります。
 これから暑い夏を迎えるにあたり、熱中症にならないための「令和2年度熱中症予防行動の留意点について」が厚生労働省から公表されています。

 それによると、「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントとして、次の5つが挙げられています。
○ 夏期の気温・湿度が高い中でマスクを着用すると、熱中症のリスクが高くなるおそれがあります。このため、屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、熱中症のリスクを考慮し、マスクをはずすようにしましょう。
※屋内運動施設での運動は、新型コロナウイルス感染症のクラスター(集団感染)のリスクが高いことから、お住まいの自治体の情報に従いましょう。
○ マスクを着用している場合には、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心掛けるようにしましょう。また、周囲の人との距離を十分にとれる場所で、適宜、マスクをはずして休憩することも必要です。
○ 新型コロナウイルス感染症を予防するためには、冷房時でも換気扇や窓開放によって換気を確保する必要があります。この場合、室内温度が高くなるので、熱中症予防のためにエアコンの温度設定をこまめに調整しましょう。
○ 日頃の体温測定、健康チェックは、新型コロナウイルス感染症だけでなく、熱中症を予防する上でも有効です。体調が悪いと感じた時は、無理せず自宅で静養するようにしましょう。
○ 3密(密集、密接、密閉)を避けつつも、熱中症になりやすい高齢者、子ども、障害者への目配り、声掛けをするようにしましょう。

 また、従来からの熱中症予防行動の徹底も注意喚起されています。
○ 暑さを避けましょう。
・ 室内の温度・湿度をこまめに確認し、適切に管理しましょう。
・外出時は天気予報や「暑さ指数(WBGT)」を参考に、暑い日や時間帯を避け、無理のない範囲で活動しましょう(WBGT は環境省ウェブサイトで提供:https://www.wbgt.env.go.jp/)。
・涼しい服装を心掛け、外に出る際は日傘や帽子を活用しましょう。
・少しでも体調に異変を感じたら、涼しい場所に移動し水分を補給してください(急に暑くなった日や、久しぶりに暑い環境で身体を動かす際には特に注意が必要です。)。
○ こまめに水分補給をしましょう。
・のどが渇く前に、こまめに水分補給をしましょう(一般的に、食事以外に1日当たり1.2Lの水分の摂取が目安とされています。)。
・激しい運動、作業を行ったとき、多くの汗をかいたときは塩分も補給しましょう。
○ 暑さに備えた体作りをしましょう。
・暑くなり始めの時期から適度に運動(「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる強度で、毎日 30 分程度)を心掛け、身体が暑さに慣れるようにしましょう(暑熱順化)(※ただし、その際は水分補給を忘れずに、無理のない範囲で実施してください。)。

 ところで、マスクを着けることにより「普段よりニキビができやすい」、「湿疹のようなブツブツが口周りにできた」など、肌トラブルに悩んでいる方も多いようです。
 マスクによる肌荒れは、「乾燥」「摩擦」「蒸れ」とが、大きな原因なのだとか。
 マスクを外すと水分が一気に蒸発して肌の水分を奪うために肌が「乾燥」します。肌が「乾燥」すると表面のバリア機能が低下して細菌やウイルスの侵入が容易になります。
 そして「摩擦」で角層が厚くり、雑菌が増殖しやすくなってニキビができやすくなります。また、「摩擦」で炎症が起こって湿疹が発生し、「蒸れ」でそれが悪化します。
 「乾燥」を防ぐには、しっかりと、でもやさしく洗って、たっぷりと保湿をすること。ごしごしと洗ってはいけません。
 「摩擦」を防ぐには、刺激の少ない、肌当たりのよいマスクを選ぶことが必要です。でも、マスクが選べない時にはコットンを肌にのせてからマスクを着用するとよいそうです。
 「蒸れ」の防止には、通気性の良い素材のマスクを選ぶことがベストですが、口周りに汗をかいたらこまめにティッシュなどでふき取るとよいようです。
 とにかく、肌を清潔に保つことが大切ですね。
 あ、それから、マスクをしているからといって、紫外線対策もおろそかにしてはいけません。
 しっかりとケアすることが重要です。

 これから夏を迎えるわが国では、熱中症に十分注意する必要があります。特に、熱中症になりやすい高齢者、子ども、障害者の方々には、より一層の配慮が必要です。
 マスクと上手に付き合いながら、新型コロナウイルス感染症や熱中症のリスクに対応していくことが重要ですね。

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