明確に区分して集計・開示してほしい「感染経路不明者」と「感染経路不明『言』者」
昨日(7月9日)の東京都の新規感染者数は224人に登り、過去最多となりました。
224人のうち、120人はこれまでに感染が確認された方の濃厚接触者で、104人は今のところ感染経路がわかっていない感染経路不明者とされています。
検査の実施件数が増えたから、感染者が多く発生したエリアを重点的に検査しているからなど、理由はさまざま考えられますが、224人という人数の多さもさることながら、104人という感染経路不明者の多さが気になるところです。
多くの方が指摘しておられるように、感染経路不明者は二通りに区分して考える必要があると思います。
(狭義の)感染経路不明者と感染経路不明言者。
一見、似ているように思われる両者ですが、実は区分しなければならない大きな理由があります。それは、どのような感染防止策が必要かという点において大きな違いがあるからです。
(狭義の)感染経路不明者は文字通りどこで/どのようにして感染したのかが不明なわけですから、人と人との接触を減らす必要があります。感染防止策としては、緊急事態宣言下で行われたような不要不急の外出や、店舗・施設の営業を自粛する必要があるでしょう。
他方、感染経路不明言者は、おそらく、ご本人はどこで/どのようにして感染したのかを知っているか、心当たりがあるものの、さまざまな事情からその感染経路を明らかにしていない/できない方です。感染防止のためには、感染経路不明言者が秘匿しているどこで/どのようにして感染したのかという、その感染経路を上手に聞き出して洗い出し、クラスターを特定して感染拡大防止策を講じることが必要です。
(狭義の)感染経路不明者と感染経路不明言者の必要となる感染防止策の大きな違いは、前者が広く「面」を対象として行う必要があることに比べ、後者は限定的に「点」を対象として行えば足りる、というところにあります。
感染経路不明者の中に(狭義の)感染経路不明者が多ければ、我々の活動は制限され、ステイホームが中心となります。
感染経路不明言者が多ければ、感染防止策の対象は限定的になりますので、Go Toキャンペーンも選択肢に入ってくるでしょう。
この違いには大きなものがあります。
感染経路不明者の中に、(狭義の)感染経路不明者と感染経路不明言者はそれぞれどのくらいの人数がいるのか。
政府が把握していながら公表していないのか、それとも把握していないのかを、我々は知る由もありません。
しかし、それぞれの人数が明示されれば、我々の心構えが変わり、行動が変わります。
新型コロナウイルス感染症の感染リスクを回避しながら日常を取り戻すために、是非とも感染経路不明者の中に占める感染経路不明言者の人数を開示してほしいものです。
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