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地方創生とSDGs〜地方が抱える人口減少について考える〜

こんにちは!
株式会社24-7の取締役COO守屋です。株式会社24-7では、マーケティングオートメーション(MA)ツールやCRMを基盤としたオウンドメディアを構築し、集客からリード獲得、顧客化に至るまでの戦略立案・コンテンツ制作を通して企業様をサポートしています。

弊グループのnote企画『バトンをつないで #SDGs Challenge』で、25番目の走者としてバトンを受け取ったので、「地方創生とSDGs」をテーマにお伝えしていきたいと思います。

はじめに

私は、業務のかたわら2018年10月から現在まで大学院に通学しております。大学院では、2020年10月にSDGsに関連する科目を受講しました。授業では、「SDGsの達成に向けて取り組むべきことは?」という大きなテーマのもと、興味を持つジャンルごとに分かれて、SDGsの達成に向けて取組むべき施策を検討しました。

私は、地方創生の中でも多くの地方が抱える課題、人口の流出について調べることにしました。今回は、その中から特に印象に残っている取組みについてご紹介します。

地方が抱える課題「人口減少」について

まず地方が抱える課題「人口減少」について触れていきます。三大都市圏及び地方圏の転出入超過数の累計データ(2000年〜2016年)によると、2000年以降、三大都市圏と地方圏の人口は対照的な推移をたどっていることがわかります。人口が減るということは、経済が縮小し、さらに生活者・消費者が減るという悪循環が続くことが推測できます。

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出典:総務省「住民基本台帳人口移動報告」

一方、下記のような調査データがあります。内閣官房の「まち・ひと・しごと創生本部事務局」が東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)在住の20~50代の1万人を対象に実施したアンケート調査では、東京圏出身の約5割が地方暮らしに少なからず関心を持っていることがわかります。

地方圏で暮らすことへの関心

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出典:内閣官房 まち・ひと・しごと創生本部事務局

※以下①〜③を「意向あり」、④〜⑤を「意向なし」とする
①関心層:「地方暮らし」に関心があったり、気になったりしているが、何も行動をしていない層
②検討層:「地方暮らし」に関心があり、情報収集活動をしている層
③計画層:1年以内または条件が整えばすぐに、ほぼ決めている地域への移住を考えている層
④非意向層:「地方暮らし」に関心がない層
⑤断念層:「地方暮らし」に以前は関心があったが、今はない層 「意向なし層」

理由としては、以下の通り「豊かな自然環境」を求める人が多いようです。

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出典:内閣官房 まち・ひと・しごと創生本部事務局

上記の結果より、東京圏出身のうち、地方での暮らしに興味はあるけど実際には行動に移せていない人も多いのではないかと考えるようになりました。

人口減少を食い止め、地方の成長力を促すことは、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」につながりますし、さらには「誰一人取り残さない」世界を実現するSDGs達成に向けた取組みにつながります。
そのためにも地方創生に取組むことは非常に重要です。

そこで、前述した地方での暮らしに関心を持つ人たちの意識をさらに高めて、行動につなげられるような取組みはないかを調べてみました。

人口減少の改善につながる取組みのご紹介

①ADDress

まず一つ目は、株式会社アドレスが運営する「ADDress」というサービスです。「ADDress」は日本各地で運営する家に定額で住めるサービスで、敷金・礼金・補償金などの初期費用は一切なしで、何度でも全国を移動することが可能となります。

上記で記載した「まち・ひと・しごと創生本部事務局」のアンケート結果によると、東京圏に住む人々のうち、地方での暮らしに興味を持っている人が多いとわかります。ただ、興味があっても地方暮らしへの不安などから、実際には移住できていない人も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

「ADDress」は「一回、試しに地方で暮らしてみる」を実現することができるサービスであり、地方への移住の不安を取り除くきっかけになるのではないかと私は思います。

②NIPPONIA

二つ目にご紹介するのは、一般社団法人NOTEをはじめとする各分野のエキスパートが参画するプロジェクト「NIPPONIA」です。

「NIPPONIA」は、全国に残されている古民家をリノベーションし、その地域の文化や歴史を体感できる場所に再生する取組みです。

2015年10月3日にオープンした「篠山城下町ホテル NIPPONIA(ニッポニア)」は兵庫県篠山市北新町に位置する、約400年の歴史を持つ、国の史跡に指定されている篠山城の城下町全体を「ひとつのホテル」と見立て、築100年超の古民家を含む4棟を、宿泊施設、飲食店等に改装した宿泊施設です。

「NIPPONIA」は、歴史性を尊重しながら、その地域でしか味わえない魅力を体感できる場として、土地に、歴史に、街に溶け込むように過ごす体験を提供しています。

この「NIPPONIA」の取組みは、日本、そして地域の魅力を存分に触れることができ、人口減少の改善につながると感じました。

③「新潟県佐渡市」と「あつまれ どうぶつの森」とのコラボレーション事例

最後は、「新潟県佐渡市」と任天堂株式会社のNintendo Switch(TM)専用ソフト 「あつまれ どうぶつの森」とのコラボレーション事例です。

「あつまれ どうぶつの森」は、自分だけのオリジナルの島を作っていくことができるゲームで、2020年に記録的に大ヒットしました。ゲームの中で、離島の自治体による島づくりとしては初の取組みとなる佐渡市オリジナルの「さどが島」が登場します。

新潟県の発表によると、なかなか佐渡へ旅行に行けない状況の中でも、 佐渡観光をリモートで気軽に楽しんでもらいたいとの想いから、 佐渡市が「あつまれ どうぶつの森」のゲーム内で「さどが島」を制作されたとのこと。GIAHS(ジアス:世界農業遺産)に認定された「トキと共生する佐渡の里山」をイメージした「田んぼアートエリア」や、世界文化遺産登録を目指す「佐渡金山」をイメージした「佐渡金山エリア」など、ゲームの中で実際に佐渡観光が楽しめるような設計となっています。
出典:https://howtoniigata.jp/info/24021/

「あつまれ どうぶつの森」のような人気ゲームとのコラボレーションで、若年層に対する佐渡市の認知・好意度の向上は大いに見込めるのではないかと思います。ゲームをきっかけに「実際の佐渡市を見に行ってみたい!」と思う人も多いのではないでしょうか。

これらは、ゲームからも人口減少の改善につながる取組みを作ることができる、と知れた事例でした。

これからについて

今後も「地方創生」は解決すべきテーマとして掲げられると思いますが、これからは、よりテクノロジーを活用した取組みが注目を集めていくのではないかと考えています。

たとえば、アクセンチュア株式会社が2021年2月に発表した「テクノロジートレンドの概要」では、「あらゆる場所が仕事場に」と掲げられています。新型コロナウイルスによるパンデミックの影響により、働き方が変化した人も多いのではないでしょうか。会社だけが仕事場ではなくなることから、地方で暮らしながらリモートで仕事ができる環境が、さらに浸透していくのではないかと思います。

また、トヨタの「e-Palette Concept」のようなモビリティサービスの技術発展にも注目です。技術の進化によって利便性が高まることは間違いないと思いますが、技術だけではなく私たちも変化に対応することが必要だと思います。変化の激しい時代だからこそ、これまでの固定概念にとらわれることなく柔軟に変化していくことが、地方創生につながるのではないでしょうか。

私が所属する株式会社24-7では、テクノロジーを活用したマーケティングや営業支援を行っています。テクノロジーの力で、非効率な人の作業や移動の削減をし、効率的なマーケティング活動や営業活動を実現することが出来ると考えています。今回、このnoteでご紹介した人口減少の改善につながる取組みのように、テクノロジーの力を活用してSDGsの達成に向けて貢献したいと改めて思いました。

それでは、次回の #SDGsChallenge もお楽しみに🌍

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