見出し画像

働きがいのある組織づくりのヒントにしたい「ワーク・エンゲイジメント」とは?

こんにちは!
ラバブルマーケティンググループでSDGs推進を担当している相澤です。

今回のテーマは「ワーク・エンゲイジメント」です。
聞き馴染みがない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

「ワーク・エンゲイジメント」とは、オランダ・ユトレヒト大学のSchaufeli 教授らが提唱した概念であり、端的に言うと「働きがい」のことです。

ワーク・エンゲイジメントが高いと、仕事における満足感や組織へのコミットメントが高い上、離職の意思が低いと言われています。
さらに、パフォーマンスとも相関があり、創造性が高く、自分の役割以外のことも積極的に行う傾向があることが分かっています。


組織運営において、いかに「ワーク・エンゲイジメント」を高めることが重要かが分かります。

弊社でも「働きがい」を重視しており、事業の根幹を支えるメンバーが輝くことができる「働きがいのある組織」を全活動のベースとして位置づけています。

個々人によって働きがいを感じる要因は変わるし、そもそも定量化が難しいのでは?と思いましたが、SDGs推進担当として健全な組織運営を目指すヒントになればと思い、今回調べてみることにしました。

組織の中で働いている方はもちろん、人事や労務担当の方に少しでも参考になれば幸いです。

1.ワーク・エンゲイジメントが高いとは?

ワーク・エンゲイジメントが高いということは、下図のように厚生労働省では「仕事から活力を得ていきいきとしている」(活力)、「仕事に誇りとやりがいを感じている」(熱意)、「仕事に熱心に取り組んでいる」(没頭)の3つが揃った状態として定義されています。

スクリーンショット 2021-10-27 11.19.56

出典:厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-」より

2.日本のワーク・エンゲイジメント・スコアは?

では、日本の働きがいは他国と比較するとどうなのでしょうか?
下の右図を見ると自明ですね。

ワーク・エンゲイジメントは、ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度(Utrecht Work Engagement Scale:UWES)を使って測定することができます。
日本を含めた16ヶ国のスコアを比較すると、日本は低い状況であることが分かります。

スクリーンショット 2021-10-27 16.42.16

出典:厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-」より

ただし、この結果の解釈は日本人と欧米人の文化的背景の違いがあるため、慎重な考察が必要だと指摘されています。

どういうことかと言うと、日本人はポジティブな感情や態度を表に出さないのが社会的に望ましいとされる風潮が欧米諸国に比べると高いので、仮に「活力」「熱意」「没頭」が内在されていても、ポジティブな感情として表に出さず控えている可能性が考えられるとのことです。
そのため、上記のような数値差が生まれる可能性があることを踏まえて解釈することが重要だと言われています。

このことは国単位に限らず、個人でも同様のことが言えると思うので、弊社がワーク・エンゲイジメントを測る際には一定の幅をもって解釈をするよう気をつけたいと思います。

3.ワーク・エンゲイジメントを高めるためにできることは?

ワーク・エンゲイジメントの概念や定義、またそれを定量的に測る尺度までは分かりましたが、実際にワーク・エンゲイジメントを高めるために会社としてどのような取組みを行うと良いのでしょうか?

経済産業省が主催する「経営競争力強化に向けた人材マネジメント研究会」では、従業員に対する価値提供をピラミッド式に3つの側面「契約面」「経験面」「感情面」に分けています。

報酬や福利厚生などの「契約面」が最も下位にあり、その上に仕事の裁量権や働き方支援などの「経験面」があり、会社で働くことに対する目的意識が持てる「感情面」が最上位にあります。

スクリーンショット 2021-10-28 9.34.37

出典:経済産業省「 平 成 3 0 年 度 産業経済研究 委 託 事 業( 企 業 の 戦 略 的 人 事 機 能 の 強 化 に 関 す る 調 査 ) 」より

図を参考に弊社の制度で当てはめてみると、誕生日休暇や社内部活動などの福利厚生や、表彰制度といった報酬が「契約面」にあたり、1on1やメンターメンティ制度、全メンバーからの投票により表彰されるM.R.P(Most Remarkable Person)などが「経験面」、月次で行われる全体定例やキックオフ(上期・下期)の開催は、会社の目指す戦略や存在意義について共有があるため「感情面」にあたります。

「会社のミッション・ビジョンに対して共感ができる」、「多様性や社会貢献性など会社が発信するポリシーに共感できる」といったことが自分の価値観とイコールになった時に、その会社で働くことの目的意識が持てるのだと解釈しました。

ワーク・エンゲイジメントを高めるためには、報酬面さえ良ければいいというわけではなく、多面的に価値提供をする必要があるということですね。

株式会社サイバーエージェントでは、「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンを実現するための基本的な行動指針として、ミッションステートメントを導入し、従業員と共有することでエンゲイジメントの向上を図っています。
価値観を冊子化し配布するほか、ミッションステートメントを従業員の目に入るところに張り出すことで継続的に発信しているそうです。

4.おわりに

元々エンゲイジメントは2000年代以降、生産性を高める要素として欧米で注目されたそうです。
生産性は生産量を労働時間で割って求められますが、日本では労働時間の削減は徐々に進んでいるように見受けられるので、今後はワーク・エンゲイジメントの向上により注力されていくのではと考えます。

弊社でもSDGsに基づく組織運営を行うため、独自のマネジメントガイドラインの策定や「健康経営」「女性の活躍推進」などをSDGs推進の具体的なアクションプランに入れて取組んでいます。

画像5

働く環境を整えるだけでなく、メンタル面のケアや教育、ビジョンの共有など、実にさまざまな側面からの取組みが必要だと改めて知ることができたので、今回調べたことを生かしていきたいと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

画像5


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?